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フラッグフットボールやアメフトについてあれこれ書きます。~武器はたゆまぬ K.U.F.U.~

「楽しい」とは?

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Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)

 今回はフラッグフットボールとは少し離れて、もっと抽象的な話、スポーツが「楽しい」とどういうことなのか、について書きたいと思います。

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引用:These Are the 25 Best NFL Sack Celebrations in Recent History, in GIFs | Complex

 

それぞれの「楽しい」 

スポーツが楽しい、または好きと言っても、その意味には一人ひとり違います。

 

自分であれば、そこそこカラダ動かすのは好きですが、単にカラダ動かすだけで楽しいとは全く思いません。

 

技術に対する向上心や戦略戦術の駆け引きみたいなことが絡んでこないとおもしろくなくて、勝ち負けについてはほとんどどうでもいい要素です。

 

スポーツの世界のなかでこういった考え方は少数派なのかどうかわかりませんが、いわゆる体育会系的な考え方にはずっと距離を置いています。

 

「スポ根」とか嫌いだと思っていたときに読んだのか下の本です。

爆笑問題のニッポンの教養 スポ根なんていらない? スポーツ心理学

爆笑問題のニッポンの教養 スポ根なんていらない? スポーツ心理学

 

 

 

一流の楽しい

著者はスポーツ心理学を専門とされる方で、本ではメンタルトレーニングについていろいろ書かれているのですが、一番印象になったの箇所を引用します。

 

「楽しい」には、一流、二流、三流の楽しみがあるって僕らは考えているんですよ。一流選手は、自分にチャレンジするとか、自分を追い込むことが楽しい。この努力をしたら、ここまでいけるっていう楽しみなんですよ。

 

二流の選手は勝ち負けです。勝った、負けた、っていうそれが楽しいんです。そうすると、勝ったらノッてくるけど、負けたら落ち込むんです。

 

三流選手になると、監督の目を盗んでサボる楽しさを覚える。で、「楽しむとは何事だ」っていうお年寄りのコーチがいるんですよ、一般の方に。たぶんその方は、現役の時に三流だったんでしょうね。

 

スポーツの世界にいると、「スポーツは楽しい」 というのは当然すぎる前提にあって、その意味について考えられることがない気がします。

 

指導者が言っている「楽しい」とプレーヤーが言っている「楽しい」には違いがあるかもしれません。

 

「競技志向」と「エンジョイ志向」みたいな表現がありますが、競技レベルを高めることと「楽しむ」ことが相反するのかどうか、という点も正しいのかわかりません。

 

ここでは一流、二流、三流という表現をされていますが、どんなレベルであってもどんな志向であっても一流の「自分にチャレンジする」という要素は不可欠なのではないかと思っています。

 

タイガーウッズが対戦相手のパットを「入れ!」と念じるのは有名な話ですが、これも同じような話なのかもしれません。

 

このブログを書いているのも、どうせならいろんな人がフラッグをうまくなって高いレベルで対戦したいというのも少しあります。そのせいで自分たちが負けてしまっても別に気にしません。

 

そうやって切磋琢磨していくプロセスが「楽しい」ということだと思っています。

 

 

リクスを冒すという「楽しさ」

サッカー日本代表の元監督の岡田武史氏は「楽しい」ということについて下記にように語っています。

 

もう1つのフィロソフィーについては、マスコミさんがいる前では話したことがないのですが、最近はこの話を選手にもしなくなった。というより、する必要がなくなった。だから今日はちょっと簡単にお話ししようと思います。

 

1つは「Enjoy」と言っています。「楽しむ」ということなのですが、英語で言っているのは日本語で「楽しむ」と言っても何かピンとこないからです。

 

日本代表選手になるくらいの奴は子どものころ、「俺にボールよこせ」「俺にボールよこせ」とお山の大将です。プロだろうが日本代表だろうがW杯だろうが、そのサッカーを始めた時の喜びやボールを触る楽しみを絶対忘れてはいけないということです。

 

大人になってくると、「今、ちょっとボールいらない」とだんだんなってきます。なぜか? 「プレッシャーが強いし、ミスをしそうだ」ということで守りに入っているからです。そうしてうまくなった選手を今まで見たことありません。相手を恐れておどおどプレーしたり、ミスを恐れて腰の引けたプレーをしたりする姿は絶対見たくない。「みんながピッチの上で目を輝かせてプレーする姿を見たい」ということです。

 

Enjoyの究極はどういうことかというと、自分の責任でリスクを冒すことなんです。日本の選手は「ミスしてもいいから」と言ったら、リスクを冒してチャレンジをするんです。ところが「ミスするな」と言ったら、途端にミスしないようにリスクを負わなくなるんです。

 

例えばギャンブルで、大金持ちのお金を分けてもらって「それで遊んでいいよ」と言われて大もうけしても失っても、面白くもくそもないでしょ。自分のなけなしの金を賭けるから、増えたら「やったー」と思うし、なくなった時に「うわ、やばい」と思う。要するに「ミスするなよ」と言われている中でいかにリスクを自分の責任で負えるか、それが本当のスポーツのEnjoyなんです。

 

本当にEnjoyするためには何をしないといけないかというと、「頭で考えながらプレーするな」ということです。どういうことかというと、脳は(大脳)新皮質と(大脳)旧皮質からできていて、脊髄からつながっているところが旧皮質で、簡単に言うとどんな動物でも持っている本能のようなところです。そして、人間と一部の動物が発達しているのがその周りの新皮質で、ここは物事を論理的に考えたり、言葉を喋ったりするところです。

 

ところが、コンピュータの演算速度で例えると、新皮質は演算速度が非常に遅い。例えば、新皮質で考えながら自転車には乗れない。右足のひざをこの辺まで曲げて、このくらいまでいったら体重を左にかけて……なんて考えながら乗れないですよね。キャッチボールもできない。ひじを伸ばして、ボールが来たから指を開いて、次に閉じて……と考えていたら間に合わない。旧皮質で感覚的にやっていかないといけない。スポーツというのは旧皮質でやらないといけないんです。

 

ところが日本人はどうも教えられ慣れているので、ボールが来たから胸でトラップして……と新皮質で考えながらやってしまう。だから、向こうでは全然大したことないようなブラジル人がバンバン点を取る。あいつら何も考えていない。来たボールをボンと蹴るだけ。ある意味そういうことも大切。練習では考えてやらないといけない。でも、「試合ではそれを頭を使ってやるな。自分が感じたことを信じて、勇気を持ってプレーしなさい」、それがEnjoyです。

(引用元)

後半の新皮質と旧皮質の話は少し難しいですが、大枠は同じことを語っているように思います。

 

「頭で考えながらプレーするな」ということについては、常にプレーが流れていて状況は変化し続けるサッカーならではの考え方だと思いますが、試合で本能的に有効なプレーができるように練習ではひたすら理論的に考えて反応良くしておく、というのはフラッグだけではなくすべてのスポーツに共通することだと思います。

 

 

引用が多くなりましたが、それぞれの「楽しい」の意味について考えるきっかけになればと思い今回書いてみました。

 

自分自身、勝ち負けを気にしていたら自分の手の内を晒すようなこんなブログは書いていません。

 

フラッグフットボール周辺がもう少しオープンな環境になれば、もっと「楽しい」ことになるんじゃないかな、と思っています。

 

ということで、「楽しい」についてでした。 

爆笑問題のニッポンの教養 スポ根なんていらない? スポーツ心理学

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Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)