Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回はバスケ界で少し前に話題になった「ゾーンディフェンスの禁止」について書きたいと思います。
引用:ISLANDS-basketball team-:ゾーンディフェンスについて
「ゾーンディフェンス禁止」とするタスクフォース
ざっくりとした話としては以下のような話です。
バスケの競技力向上のために育成機関の小学生や中学生の試合は「ゾーンディフェンス」を禁止するという案があるそうです。
タスクフォースのホームページにあるは会議のプレスリリースがあったので引用します。
・JBA強化に関する最終のご提案
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JBA の過去(現状):
• 12歳以下のチームの90%以上がゾーンディフェンスのみをプレーしている。
• 中学校の約70%がゾーンディフェンスを中心としている。
その結果により:
• 1対1の基礎的トレーニングおよびマンツーマンディフェンスの経験不足により、1対1の技術レベルが低い。
• 日本国内のすべてのバスケットボールのレベルにおいてディフェンス力が低下している。
• 創造力不足 – 1対1の経験がない。
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解決策: 中学校およびミニバスケットボールでのゾーンディフェンスを違反とする。
実行のための要望事項:
• 新ルール: ミニバス(U12)および中学校(U15)でのゾーンディフェンス禁止は必須!
• 新ルールは地方大会を含むすべての大会で適用。
• ローカルルールの採用は認められない。
• 高校以上でのゾーンディフェンスは承認。
• ミニバス:2015年6月以降に適用
• 中学校:2016年4月以降に適用
• マンツーマンディフェンスのルールブック策定(製本およびオンライン)
• ルール解釈のためのDVD作成
• ルール違反の罰則を発信
例)1回目:警告
以降の違反:ベンチに対するテクニカルファウル
(引用元)
http://www.japan2024.jp/pdf/taskforce_20150602.pdf
育成のためにルールを変える、というのはなかなか大きな話な印象を受けますが、そもそも小学生のバスケ、「ミニバス」は少しルールが違います。
違う点は以下のようなものです。
・コートは縦28m〜22m、横15m〜12m、ボールは中学生より一回り小さい5号球を使用、リングの高さは一般の高さより45cm低い2m60cm。
・スリーポイントシュートがなく、通常時のショット(フィールドゴール)は全て2点、また、ファウルによって行われるフリースローによる得点は1点である。
・ショットクロックは30秒。継続はない。
・ボールをバック・コートに返すヴァイオレイションや8秒ルールが適用されない。
4クォーター制。・第1クォーターから第3クォーターまでに、10人以上の選手が1クォーター以上、2クォーターを超えない時間ゲームに出場しなければならない。また、選手交代はやむをえない場合以外はクォーター・タイム、ハーフ・タイム、第4クォーター・延長時限のチャージド・タイムアウトのみ行うことができる。
(引用元)
ボールやコートのサイズや時間が違うのは他の競技にも共通しているものですが、3ポイントシュートがないことや、交替に制限があることはミニバスをやっている人しか知らない戦術的な制約だと思います。
FIBAの場合はどうなのか
FIBA(国際バスケットボール連盟)のミニバスのルールでは「ゾーンディフェンス禁止」の項目はあるみたいです。
http://www.fiba.com/downloads/Rules/2005_mini_bask_rule.pdf
これの「Art.7 Coach」の項目の最後に
Zone defence is forbidden in Mini-Basketball.
という記述がありました。
ただ、一時期のNBAのようにゾーンディフェンスしたときに取られるイリーガルディフェンスの記述がないので、実際に反則になるのかどうかはわかりません。
(参考)
とりあえず、現状把握でした。
ゾーンディフェンス攻略法―バスケットボール (日本文化出版ムック 月刊バスケットボール「SKILL BOOK」シリー)
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次回から「ゾーンディフェンス禁止」についての私見を書いていきたいと思います。
<追記>
続きを書きました。