今回から数回に分けてオフェンスの作戦の作り方について書いていきたいと思います。
まずは作戦の前提になる話についてです。
今回はフォーメーションについてです。
以前も書きましたが、オフェンスのポジションは大きく分けて3つあります。
QBとRBとWRの3つです。
QBはパスを投げる役割を、
RBはランプレーの中心に、
WR(レシーバー)はパスプレーの中心になります。
オフェンスのフォーメーションは、5人のプレーヤーをこの3つのポジションをどれに当てはめるのか、どのようにフィールド上に配置するのか、で分類されます。
アメフト経験者で勘違いしがちなのは、アメフトではスクリメージライン(攻撃が開始されるスタートライン)上に7人がいなければいけないというルールがあるのですが、フラッグにはそのようなルールはありません。
スナップをするセンター以外の4人はどこにいても構わないので、意味あるかは置いておいて、全員が縦一列で並んでいてもいいですし、全員がロングスナップ(センターが投げてQBにボールを渡すこと)を受けられる場所にいても構いません。
ですが、基本的にはセンターとQBは中央に、残りの3人を全員レシーバーにして左右どちらに配置するのか、3人のうち1人をRBとしてQBの後ろに置くのか、という話になります。
上記は3人をレシーバーにし、右に2人、左に1人配置したフォーメーションです。
これを「右ツイン ノーバック」と呼んでいます。(チームによって呼称は異なります)
呼び方はアメフトをもとにしています。
「右か左か人数の多い方のサイド」+「多い方のサイドの人数」+「RB(バック)の人数」
の組み合わせになります。
この場合、右の人数が多く、そのサイドに2人いて、RBがいないので「右ツイン ノーバック」と分類します。
右に1人、左に2人になれば「左ツイン ノーバック」と呼びますし、下図のようにRBが1人いれば「右ツイン ワンバック」となります。
右に3人が配置されれば、「右トリップス」(レシーバーが3人になると、RBは自動的にいないためバックの数は言う必要がありません)
RBが1人いて、左右にレシーバーがいると「ワンバック バランス」
RBが2人いる場合は「ツーバック右」
(アメフト的に言うなら、横に並べば「ヴィア(Veer) フォーメーション」、縦に並べば「アイ(I) フォーメーション」です。)
QBが2人いるときは「ドラゴンフライ 右ツイン」
といった感じで分類します。
ちなみに、「ドラゴンフライ」は「dragonfly」はトンボのことで、龍ではないのでご注意を。
こうやって書いてきましたが、名前はあまり重要ではなく、チーム内でAと言えばコレ、Bと言えばコレ、と全員が共通認識さえ持っていれば問題ありません。
こういったフォーメーションをどう使っていくのか、というのは人によりますが、重要なのはオフェンスのフォーメーションによってディフェンスも動くということを前提に置いて考える、ということです。
例えば、右の3人のレシーバーを置いた「右トリップス」のフォーメーションを使って、数的優位を作ろうと考えたとしても、ディフェンスは当然それを見越して数的不利にならないように作戦を変えてきます。
ディフェンスはそのままで、オフェンスだけいろいろ動かしてプレーを考えてしまうというのは初心者にありがちなミスだと思います。
こういうプレーがしたいからこのフォーメーションを使う、というやり方だけではなく、ディフェンスをこう動かしておきたいからこのフォーメーションを使う、というやり方もあります。
次回からはそれぞれのフォーメーションの考え方について書いていきたいと思います。
Kyohei