今回はスポーツのコツについて書きたいと思います。
以前、武井壮の話を引用して運動能力を簡単にあげるコツついて書きました。
要約するとそのスポーツの技術練習よりもまずは自分のカラダを自分の思っているように自由に操る練習をするべきだ、という話でした。
そして最終的には「考えるヤツは強い」でした。
この話であまり具体的なことが出てこなかったので、自分がスポーツをするときに意識していることについて書こうと思います。
下の動画で金子千尋投手が8:22のところで言っているのですが、「その投げ方をしたらその場所にいくっていう感覚」というのがスポーツをするなかで非常に重要になります。
この感覚がなぜ大事かと言うと、その感覚がないと動きの「再現性」がないからです。
再現性というのは、同じことをすれば同じ結果が得られることです。
その日その時にテキトーに動いてみてどうするか、と考えていてはパフォーマンスは安定しません。「こういう動きをすれば、こういうイメージで動けば、結果はこうなるはず」というものを持っていることが重要になります。
では、どのようにしたら再現性を得られるのか。
それは自分なりに動きの基準を設けることです。
基準があれば、同じ動きを再現することができますし、ズレている場合や調整が必要なときにも基準からを考えていけばいいのでゼロからその場で作り上げていくよりもずっとラクです。
基準とは具体的に言うと、ボウリングのスパットのようなものです。
その動作を行うのに、目標物を見なければいけないという理由はありません。それよりもアドレス開始前にどこに立って、どのへんで腕を振って、どのあたりでリリースしてどのスパットに通すのか、ということを考えていたほうが確実だと思います。
ボールを投げるにしろ、転がすにしろ、目標物をよく見て投げればそこに届くって理論はよくわかりません。
よく見ろというのも特定のものを見ることで目線が安定するという効果はあると思うので、これを基準にするというのもありですが、それによって動きが規定されていくわけではないのでそこまで効果的ではないように思います。
ボウリングのスパットのように動きが規定されやすい基準を設けることで、「厚ければ左に移動、薄ければ右に移動」みたいなことを調節しやすくなります。
似たようなスポーツで言うと、ダーツも似ているように思います。
同じ位置から同じようなイメージで違う点数を狙いに行くことはなかなか難しいです。自分で基準になるフォームを作っておいて、あとは狙いによって左右に移動したり、気持ち肘を上げたり下げたりするだけです。
一度「20のダブルに向かって投げればブルに行く」となれば、それがいつでも投げられるようにさえなっていれば後はいくらでも応用が利くわけです。
では、フラッグでどのように応用してくのか。
QBであればボールの握り方、視線の置き方、腕の振り方、リリースの感覚などを自分のなかで基準を作っていきます。
このへんがテキトーにやっていてしまうと、調子が悪いときに立ち返る場所を失ってしまいます。調子がいいときに、なぜうまく投げられているのか、ということを分析しておいて、それをもとに後日試してみるというプロセスを繰り返していきます。
このとき気にしたいのが、キャッチボールでの立ち位置です。
何の気なしにキャッチボールしていると、動きながら投げているので毎回投げるときの立ち位置が変わってしまいます。
基準とするための感覚を掴んでいくには、うまくいった1球目とうまくいかなかった2球目との違いを探していかなければいけません。
そうなったときに毎回違うところに立って投げていると、その違いがわかりにくくなってしまいます。なるべく試しているもの以外の条件を同じにするというのは科学の再現性と同じです。
感覚を探していったり、コンディションを確かめたりするためにはルーティーンを作るのが一番わかりやすいかもしれません。
イチローの話を以前書きましたが、同じストレッチを繰り返すストレッチは自身のコンディションを確かめる効果があります。
スローイングの感覚ですが、自分でパスを投げていながらなぜ距離を合わせることができるのか不思議に思っています。
野球でもそうですが、なぜ遠くにいる人に向かってちょうど落ちてくるようなボールを投げることが出来るのか、どのようにして動きを調節しているのかわかりません。
ただ、ひとつだけ意識しているのは放物線の頂点の距離と高さです。
山なりのパスを投げるときにはターゲットを見ずに、空中に向かって投げています。よく考えれば当たり前で、山なりのパスを投げるのにターゲットを見ていたら、顔の角度どカラダの角度が違ってしまうので強くて確実なパスが投げることができません。
あのへんの空中に向かって投げればあのへんに落ちるはず、という感覚でやっています。
プロ野球でコントロールに定評があった小宮山悟はが「例えば、おしぼりを1m先のゴミ箱に入れられるだろう。2mでも入る。それが18mになっただけだ」という語っていますが、ボールをリリースする地点から狙ったところに線を引いてそれに沿って投げるだけらしいです。
逆になぜ2m先のゴミ箱に入れることは簡単なのか、どうやって人は着弾地点を予測できるのか、ということを考えていけば18mも簡単になるのではと思い、いろいろなイメージを持ってゴミを投げるようにしてます。
こんな感じで練習をしながら基準になるようなイメージを探しながらすることが自分なりのスポーツのコツです。
Kyohei