Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回はスポーツにおける制裁金について書きたいと思います。
野球賭博の問題でジャイアンツに1000万円の制裁金が課せられたみたいです。
タイトルの「重すぎる制裁金」というのはこの1000万円のことではありません。
ジャイアンツの編成予算からからすれば1000万円は大した額ではないように思います。当初は1選手だけという話だったのにあとで発覚したり、トランプや麻雀でも賭け行為があったことを考えれば球団全体に大きな問題があったとして、大きな制裁を食らってもおかしくなかったはずです。
統括リーグの制裁金や罰金はそのリーグ全体の価値を保ち、よりよくブランディングしてくという意味がありますが、その額はどのくらいが妥当なのかはよくわかりません。
NFLの話をすると、個人対象ですがシアトル・シーホークスのマーション・リンチは取材拒否で10万ドルの罰金を食らっています。
かたや野球賭博で球団に1000万円、かたや取材拒否で個人に1200万円。
と言っても、マーション・リンチの年俸は広島カープの総年俸ほどあるので、金額的な感覚としては一緒なのかもしれません。
チーム対象の罰金であれば、昨シーズンに空気圧を誤魔化していた疑いのあるニューイングランド・ペイトリオッツに対しては100万ドルが課せられています。
罰金1億円というと大きい気がしますが、チーム総年俸が約100億円ほどなので、約1億円の罰金でスーパーボウル制覇できたのなら安い、というのがおおかたの見方だと思います。
この2例はあくまでNFLのなかで罰せられるべき行為なので、ジャイアンツの例とは少し違うかもしれません。
より近い例であれば、マイケル・ヴィックの闘犬賭博でしょう。
ヴィック本人には刑罰として罰金や禁固刑などが課せられ、リーグからは期限内の出場停止などがありましたが、リーグからチームへの罰金などに関しては記事が見つかりませんでした。
ヴィックのほかにも、エイドリアン・ピーターソンやレイ・ライスの家庭内暴力の件やアーロン・ヘルナンデスの銃殺の件なども調べましたがリーグからチームへの罰金を言及した記事は見つかりませんでした。
いずれの例についても個人の話なので、もしかしたらチームへの罰金はないのかもしれませんし、ただ言及されていないだけかもしれません。
そして、最後にやっと重すぎる制裁金の話です。
その額は6000万ドルです。
ペンシルバニア州立大学のアシスタントコーチが幼児への性的虐待を行っており、隠蔽行為も行っていたことで、以下のような処分が下されています。
1.大学に6000万ドル(約48億円)の罰金
2.事件が起こったとされる1998年から2011年までにあげた勝利(112勝)を全て無効にすること
3. 今シーズンから4年間のポストシーズンゲームの出場禁止
4.スカラシップの大幅な削減(25人→11人)及び、現在在籍している選手の他校への転籍をNCAAのペナルティーなしで行える
罰金だけではなく、勝ち星がなかったことになるという処分はかなり重いと言えます。
プロリーグではないカレッジフットボールを比較対象とするのは違うかもしれません。
ただ、アメリカはいかにリーグ全体の価値を高めていくのかに常に注力している印象を受けますが、日本のプロ野球はブランディングどころかそもそも球団をコントロールできていない感じがします。
野球賭博の問題はここで終わるとは思えないので、今後リーグがどのように動いていくのか注目です。
ということで、制裁金についてでした。