今回はKuriさんからの2回目の寄稿記事です。
Written by Kuri.
今回はギャップについての記事です。
単純なフック、ストレート、といったパスコースだけでは運動神経が勝る相手に対してコンスタントにパスを通すことは難しくなります。
そんなときにギャップをうまく使って、いかにレシーバーがより楽にパスを取る状況を作り出すかが重要になります。
ディフェンダーを挟む
ギャップとは簡単にいうと「ディフェンダーを挟む」ということです。
ギャップには大きく分けて2つ、縦ギャップ、横ギャップがあります。
最初に縦ギャップ。主に1-3、3-1のゾーンで使用します。
ディフェンスを奥に下げさせることで、他のレシーバーがキャッチしやすい状況を作ります。縦ばさみといったほうがなじみがあるでしょうか。縦ばさみという意味以外にも時間差の性質を持っています。
ストレート&アウト
こういうパスコンビネーションを展開することで縦に広く守っているDBのゾーンではどちらかがフリーになることが予想されます。
このパスコースのターゲットの優先度はストレート>アウトとなります。
このコンビネーションを組むときは、以下のことに気を付けましょう。
ストレート(外レシーバー)
・対面ディフェンダーの外肩とサイドラインの間を走る。
→ディフェンスはレシーバーをみて下がるかQBを見て下がるかの二択になる。(どちらかから目を切らないといけない)*1
・チェンジオブペースを意識して、ディフェンスと肩を並べる少し手前でギアを入れて100%で縦を走りきる。
アウト(内レシーバー)
・アンダーゾーンを守っているディフェンダーから距離を取ってパスをレシーブしたいので、角を付けて曲がる。
・ボールをキャッチするのはサイドライン際ではなく、外にスペースを保ったところでレシーブする。
→縦には敵はいないはずなのでサイドライン際を走り抜ける。
次に横ギャップ。
主にアンダーゾーンを守るディフェンスを挟みます。ディフェンスをフリーズさせることが目的です。こちらは横ばさみといったほうがいいですかね。こちらは縦ばさみと違って、同時でないと意味がありません。
フック&フック
このパスコースを展開するときは、短いヤードを確実に取りたい時、アンダーゾーンを4分割よりも広くディフェンスが守っているときです。
このコンビネーションを組むときは以下のことに気を付けましょう。
・ディフェンスがより遠いサイドにいるほうから振り向く。
・QBはブリッツの入っていないサイド、かつ近いレシーバーのほうが優先度は高い。
・ディフェンスの正面にセットされた場合、自分と1対1でそのディフェンスを相殺する。(無理にオープンになろうと動かない)
この2つのギャップの意味と使うタイミングがわかれば、QBとの意思疎通も簡単になるはずです。
ただ。ギャップの作り方はシチュエーションによっても変わります。
次は、そんな話ができたらいいなと思っています。
Written by Kuri.
*1:レシーバーが対面ディフェンダーの内側を走ると、レシーバーとQBが同時に見ることが出来ます。
黒丸がレシーバー、青丸はディフェンス、
青の線はディフェンスの視界で、
黒の線はレシーバーの走るルートで、
オレンジの線はディフェンスの下がるルートです。
一方、外肩とサイドラインの間を走ると、対面ディフェンダーはQBとレシーバーを同時に見ることはできず、どちらか一方を見ることになってしまいます。