Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回はゾーンディフェンスの割り方について書きたいと思います。
どのように担当区域を分けて守るのか
以前、ゾーンディフェンスについて書きましたが、「1-3 ZONE」や「2-2 ZONE」などの個別の作戦について細かく書いていなかったので書いていきたいと思っています。
ゾーンディフェンスではフィールドを担当区域に分けて守ります。
ラッシャーを除く4人がゾーンカバーするのであれば4分割、ノーラッシュで5人であれば5分割というのが一般的かもしれませんが、人数分で等分する必要はないように思います。
なぜなら、以前の記事にあるようにフラッグフットボールは左右非対称だからです。
左右非対称性
ディフェンスにおける左右非対称性を簡単に挙げると、
・QBのロールの方向が左右で投げやすさが変わる。
・ターゲットの左右で投げるタイミングが変わる。
・ストロングサイドとウィークサイドがあるので、左右のサイドでレシーバーの数が変わる。
この3点です。
この左右非対称性があるので、手厚くカバーするゾーンと手薄にしてもある程度大丈夫なゾーンが出てきます。担当区域が広ければレシーバーが2枚走り込んでくる可能性が高まりますし、狭ければよりレシーバーに近い状態でカバーすることができます。
例えば、4人でゾーンカバーをする場合でも5分割すれば1人あたりの担当区域が狭くなるのでより手厚くカバーすることができます。
こういった4等分を、5等分にすると
というフィールドの分割の仕方が考えられます。
左のアンダーゾーンのカバーが誰もいないので、そこに投げられれば確実にパスを通されてしまいますが、その分右サイドのアンダーゾーンの担当区域は狭くなったので効果的にカバーすることができます。
具体的に言うと、右の内側のレシーバーのフックなどに紫ゾーンをカバーしているLBが対応できるようになります。
4分割であれば右のレシーバーの2人とものフックに対応しなくてはいけなかったものが、5分割であればある程度外側の集中することができます。
また、この空白のスペースにパスを投げにくくするためにラッシュをQBから見て左から入れるという方法もあります。
ディスガイズ
「2-2 ZONE」の場合、内側のレシーバーのカバーが難しく、QBは狙い所でもあるので、通常の4分割の「2-2 ZONE」と見せかけて5分割の「2-2 ZONE」にするだけで充分なディスガイズになります。
最初から紫のディフェンスが真ん中にいるとQBにカバーが違うのがバレてしまうので、センターのちょい左ぐらいにセットしておいて、プレーがはじまると真ん中に移動して内側にセットするレシーバーに対応できるようにします。
これがうまくいくと、「2-2 ZONE」の弱点を突いて内側のレシーバーに素早くトスするようなプレーを一気にインターセプトすることも可能です。
応用
これを少し応用して、「2-2 ZONE」の弱点である真ん中のゾーンを手厚くすることもできます。
これを「2-2 ZONE」と言っていいのかはよく分かりませんが、単に人数分に等分するゾーンディフェンスだと限界があるので、こういった分割の仕方も効果的です。
これをすると例えば、内側のレシーバーが奥に走って、外側のレシーバーが中央に走り込むようなプレーを防ぐことができます。QBは自分の左側にいるディフェンスの動きは見えにくいので右サイドのディフェンスが通常通りに「2-2 ZONE」の動きをしておくとQBは見誤る可能性があります。
ゾーンディフェンスでフィールドは何分割すべきか
以前まではゾーンカバーを円で表現していましたが、細かいところが表現しきれないことがあったので、今回は縦に4分割、横に6分割してみました。
実際プレーコールを出すときには使いにくいかもしれませんが、作戦を作っていくときにこの24分割でグラデーションも使うとわかりやすく表現できるように思います。
タイトルにある、「ゾーンディフェンスでフィールドは何分割すべきか」ということについてはケースバイケースとしか言えませんが、少なくとも人数分の等分割である必要はない、という話でした。