Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回はNFL最強のコーナーバックとも言われているリチャード・シャーマンが語るパスディフェンスのコツを紹介したいと思います。
Richard Sherman
リチャード・シャーマンはシアトル・シーホークスに所属しているコーナーバックの選手で、NFL最強というのは乱暴かもしれませんが、少なくともトップレベルの実力を持っています。
以前の記事に書きましたが、コーナーバックは比較的地味でありつつも非常に支配力を発揮できるポジションです。
地味なポジションのはずですが、過激な言動もあって、彼はNFLで一番目立つコーナーバックであることは確かだと思います。見ていても非常にしつこいというか、こんなやつについていかれたら面倒なんだろうな、という印象です。
マッチアップ動画
下はリーグを代表するワイドレシーバー、ダラス・カウボーイズのデズ・ブライアントとのマッチアップ動画です。
こっちは同じくピッツバーグ・スティーラーズのアントニオ・ブラウンとのマッチアップです。
ディフェンスのコツ
さて、そんなシャーマンが語るディフェンスのコツですが、このサイトで語られていました。
シャーマンの解説は3分28秒ごろからです。当然英語で語っています。翻訳は下記の通りです。
プレスカバレッジでプレーする上での鍵は焦らないことだ。あれをしゃきゃ、これをしなきゃと頭の中がいっぱいになるが、落ち着くことだ。カバーする選手の体のどこかに焦点を決める。腰でもいい。自分はジャージの背番号に焦点を定めている。その番号が動き始めた時に、自分も動き始める。
動き始めたらカバーだ。焦点を背番号から腰へ移す。腰の動きを読むのが大事だ。それで全てが分かるからだ。レシーバーの腰の位置が下がったら、これから止まるという合図だ。腰を下げながら走る選手はいない。腰の位置が上がれば、ジャンプしてボールをキャッチする合図だ。そこで自分もジャンプする。ジャンプする前にボールとレシーバーの位置を見る。
ジャンプする瞬間へたどり着く前に、レシーバーの動きをコントロールできる状態を作るのが重要だ。自分が邪魔になり、レシーバーが追い越せないような状況だ。自分が走るスピードを落とせば、レシーバーは自分の背中にぶつからざるを得ない。そこから、ボールの方を振り返って見る。レシーバーがキャッチできるようなパスなら、自分にもキャッチできる状態になる。
焦点を固定する
いろいろと書いてありますが、ポイントは「焦点を固定する」というところだと思います。アメフトにしてもフラッグにしても、優秀なディフェンスプレーヤーは優先順位を明確につけてプレーしている印象があります。
このシチュエーションでやられてはいけないのはコレで狙いたいのがコレ、という感じです。
あれこれ考えながらレシーバーの顔見たり、足見たり、他のレシーバーやQBを凝視したりすると相手に攻める隙を作ってしまいます。
まずはマッチアップの相手の腰の位置を見ることに集中する、という1つだけでも固定できる焦点を持つだけでディフェンスは変わってきます。
上のシャーマンの解説は主にマンツーマンでの話だと思いますが、ゾーンでも相手の動きをしっかりと把握してから追うのか誰かに任せるのかという判断をしなくてはいけないので、基本は一緒です。
所詮誰もがいつかミスする
シャーマンの解説とは関係ないですが、もう一つ個人的にディフェンスのコツとして挙げておきたいのが、「所詮誰もがいつかはミスする」ということです。 大事なのはどこでどんなミスをするか、いかにミスを繰り返さないか、ということで全部が全部成功させようと思っているとキリがありません。
いくら完璧にカバー出来ていてもタッチダウンパスを通されることもありますし、大ポカしててもレシーバーが落球してくれることもあります。そういったそういった打算と偶然のなかで冷静に自分をコントロールさえできればディフェンスは安定するのではないかと思います。
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ということで、シャーマンが語るCBのコツについてでした。