Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回は「作戦」と「戦術」と「戦略」の違いについて書いていこうと思います。
引用:プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術:新任マネジャーは「戦略」「作戦」「戦術」の違いを図解で理解しよう (1/2) - ITmedia エンタープライズ
正しい意味とは
このブログのなかでは「戦術」や「戦略」の2つの言葉はほとんど使ってきませんでした。
それはこれらの言葉の意味はひとそれぞれの解釈の仕方によって大きく違ってしまうからです。なので、いちばん馴染みのある「作戦」という言葉だけを使っています。
正しい意味としての「作戦」と「戦術」と「戦略」はきっとあるのかもしれませんが、それを追求してくことにはあまり意味のないことだと思うのでここでは自分なりの解釈を書いていきます。
基本的には抽象度の違い
「作戦」と「戦術」と「戦略」という言葉の違いは抽象度の違いだと思っています。
「戦術」は抽象度が低く、具体性が高いもの。
「戦略」は抽象度が高く、中朝期間にわたるもの。
「作戦」は戦術と戦略を包括するもの。
というように解釈しています。上にある画像には3つが同軸に並んでいますが、個人的には戦術も戦略もすべてまとめて作戦という使い方が一般的だと思います。
フラッグフットボールにおける戦術戦略
戦術も戦略もすべては目的のために設定していきます。試合の目的は基本的には勝つことなので、勝つためにどうするか、ということを逆算して戦術、戦略を決めていきます。
戦略とは
戦略とは前述の通り、抽象度が高く、中長期にわたすものを指します。
中長期というのは一つの大会、リーグ戦やそのシーズンなどのことです。一つひとつ細かく考えていくのではなく、大きなつながりのなかでどのように戦っていくのか、というのが戦略です。
例えば、NFL FLAGの南関東大会であれば16チームでのトーナメント戦が多いですが、それに優勝するまでの4試合についてどう戦うかを考えていきます。
1日で4試合に勝つというのは体力的になかなか厳しいことなので、対戦相手などを予想しながらどこで誰を休ませるかを考えなければいけませんし、対戦相手は当然それまでの自分たちの試合を見ているはずなので準決勝決勝で使っていきたいようなプレーは使わないようにしなければいけません。
上記で戦略は目的のために設定する、と書きましたが、目的が変われば当然戦略も変わります。
リーグ戦で優勝するために設定される戦略と、3位でもOKとして設定される戦略は異なって当然ですし、この違いをしっかりと認識せずに戦うことは無謀だと思います。
戦術とは
戦術とは戦略から逆算した具体的なものを指します。
戦略はいくつかの試合のつながりで考えていたので、戦術はおのずと試合ごとに考えていきます。
上の例で言えば、「上の試合のために体力を温存するために1回戦をエースQBとエースレシーバーを出さない」というような戦略を立てたのであれば、そのプレーヤーなしでどのように戦っていくのか戦術です。
オフェンス力が下がってしまう分、ディフェンスにはキープレーヤーを投入し、ロースコアゲームに持ち込む。後半14点差までは我慢するけど、それ以上点差が開いてしまうようであれば温存していたQBとWRを投入して逆転を狙う。みたいなことが戦術です。
こういったことは「ゲームプラン」とも呼ばれ、QBなどのチームの中心選手はその試合をどのように戦うのか、というのは必ず把握していなければいけません。
体力を温存して戦うつもりだったのに調子に乗って35点差とかつけにいって疲れて負けてしまうなんてことをしたらせっかくの戦術も戦略も台無しなので、中心選手はゲームプランをもとに調整していきます。
作戦とは
作戦は戦術と戦略を包括する、と書きましたが、一番具体的で短期間のものはプレーコールであり、狭義的に作戦と呼ばれます。
広義的には戦術も戦略も作戦であり、それぞれを補完したり調整することも作戦と呼べると思います。適当な図ではありますが、こんな感じです。
ロースコアに持ち込むような戦術であれば、失敗すれば試合時間が数秒しか消費されないパスプレーよりもランプレーを中心にしたほうがいいので、ランプレーとプレーアクションパスを中心に攻めるのであればこういったプレーをしていこう、とか、エースレシーバーを温存するのであれば、セカンドレシーバーがプレーの中心になるので、得意なこのプレーしていいこう、という感じで考えていきます。
まとめ
ざっと書いてみましたが、どういうのが戦術でどういうのが戦略と細かく定義していくのは難しいので、とりあえずは戦略は大局的な考え方で、戦術は局地的な考え方ぐらいに捉えておくぐらいがいいと思います。
重要なのは、目的→戦略→戦術といった逆算的な考えのプロセスです。