Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回は、5月5日(木)に行われた審判講習会と5月8日(日)に行われた大会1日目を踏まえた審判の注意事項について書いていきたいと思います。
審判にやって欲しいこと
審判に求められていることは、反則より厳密に取ることではなく、試合を円滑に進めることと、プレーヤーの安全を確保することの2点のみです。
しっかりルールを把握し、反則があればちゃんとファウルマーカーを投げて、罰退を施行することも重要です。しかし、プレーを開始するための準備をし、ボールデッドになったらホイッスルを吹いてプレーを終わらせる、ということがグダグダになってしまえば、試合全体がグダグダになってしまいます。
・試合を円滑に進めること
・プレーヤーの安全を確保すること
この2点を行うためには、審判は以下のことを必ず行ってください。
・ボールデッドになったらホイッスルを吹いてプレー終了を知らせる。
→4人全員です。プレーが続行していると勘違いしているプレーヤーがいると危険です。
・ボールデッド地点を確保する。
→7ヤードマーカーの位置もそうですが、これができないと試合が進行できません。
・接触や暴言などに対して厳しく対処する。
→両チームと審判の3者が楽しく安全にプレーできるように。
大会1日目を見ていると、主審だけがホイッスルを吹いていたり、軽く吹いているだけでプレーヤーに伝わっていなかったり、というケースがありました。審判を担当する人はどのポジションであろうと必ずしっかりとホイッスルを吹いてください。
極端な話、主審がボールデッドでホイッスルを吹いたのを聞いてから吹いても構いません。ルールがわからなくてもそのくらいはできると思いますので、プレーヤーの安全を確保するという自覚をもってやってください。
審判のポジショニング
ボールデッド地点を確保するためには、審判の4人が正しいポジションにいる必要があります。正しいポジションは以下のようなものです。
主審(R)はフィールドジャッジ(FJ)のサイドに、バックジャッジ(BJ)はラインズマン(L)のサイドにいるようにしてください。
(上図では主審がサイドラインに寄り過ぎているかもしれません。QBの斜め後ろぐらいにいるようにしてください)
主審とラインズマンが手前のゾーンを、バックジャッジとフィールドジャッジが奥のゾーンをしっかりと見える位置にいてください。主審がQBのスグ近くにいたり、バックジャッジがディフェンスプレーヤーよりも前にいる人がいます。
プレーの邪魔になりますので、プレー前、プレー中に関わらず、必ず10人全員が見えるところにポジショニングしてください。
より明確な試合進行を行うために
大会1日目で見られたのが、外から見ていて何が起きたのかさっぱりわからない試合進行をしてしまっているケースです。
パス成功なのか、失敗なのか。
反則なのか、取り消しなのか。
タイムアウトが取られたのかどうか。
こういった進行や判定については両チームに聞こえるように大きな声で言ってください。見ていると、いつの間にか反則を取っていて黙って罰退している人がいました。
反則が起きた場合には、両チームのキャプテンを呼んで反則の説明を行ってください。接触があった反則の場合には次は気をつけるように注意喚起を行ってください。
微妙な判定の場合は、審判4人で集まって協議して判定を決めてください。場合によってはキャプテンを集めて相談しても構いません。ルールについてわからないことがあればそこで聞いても構いません。
判定などに対する抗議について
試合をしていれば判定について納得がいかないケースが出てくると思います。そういったときは、チームキャプテンのみが判定の確認などを行うことができます。
サイドラインからわーわー言う状況は最悪ですので、プレーヤーは慎むようにしてください。審判はそのような状況が見られれば、アンスポーツマンライク・コンダクトを適用し10ヤードの罰退を施行してください。
酷い場合には退場処分や相手チームに得点を入れてたり、没収試合にしても構いません。
関連して、残り時間を聞くことができるのもチームキャプテンのみです。
これはサイドラインなど四方八方から聞かれてしまうと試合進行の妨げになるからです。仮にサイドラインから残り時間を聞かれた場合、審判は無視しても構いません。
プレーヤーが審判を育てる
審判の注意事項ではありませんが、NFL FLAG南関東大会ではプレーヤーの方々に審判をしていただいています。本当は専門の審判団がいればいいのかもしれませんが、残念ながらフラッグフットボールはそのような環境にはありません。
発展途上のマイナースポーツの大会は参加者が主体的に大会を動かしていかなければいけません。
そのため、はじめて大会に参加されるチームでも審判を担当しなければいけない状況も出てきます。プレーヤーの方々はそういったことを踏まえて、最大限に許容いただきたいです。
不慣れな進行や不手際があっても強く指摘するようなことはしないようにしてください。うまく指導しながら審判を育てていただけますようお願いいたします。
5月8日に関しましては、プレーオフ進出が決まる重要な試合で初出場チームを割り振ってしまったことは自分の不手際です。以降の大会からは、審判の割り振りのやり方を変更します。
そのため、多少複雑になってしまったり、少し待機時間が増えてしまう可能性がありますが、ご了承ください。
ということで、審判の注意事項でした。