Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回はディフェンスの優先順位について書きたいと思います。
引用:NFL Preview: Awards, Hype, Prediction Edition | FortOnSports
ディフェンスの優先順位とは
まずは、一言で「ディフェンスの優先順位」といってもわかりにくいので、サッカーを例に下記の動画を紹介します。
この動画のなかでは以下のようにディフェンス行為について優先順位がつけられています。
1 インターセプト
2 トラップ際を狙う
3 前を向かせない
4 ディレイ(遅らせる)
5 外へ追い込む
6 スライディング
ただ、これを「前を向かせない」よりも「インターセプト」が優先されると解釈すると「前を向かせないだけで充分な局面でもインターセプトを狙え」ということになりかねません。
正確にいうのであれば、「判断プロセスにおいて優先される順番」ぐらいが妥当だと思います。
つまり、どんなディフェンス行為をしようかと判断するときに何から考えていけばいいのか、ということです。
インターセプトできるかどうか、またはインターセプトしにいっていい状況かをまずは判断し、ダメなら次、それもダメなら次というプロセスを踏みます。
こういった判断プロセスがないと、とにかくインターセプトを狙うような大味なディフェンスになったり、ずるずると敵の侵入を許してしまう緩いディフェンスになってしまいます。
フラッグフットボールにおける判断プロセス
フラッグはサッカーと違ってパスが通ったあとの展開はほぼないので少しだけ判断プロセスが異なります。
1 インターセプト
2 パスカット
3 キャッチ後、即ディフラッグを狙う
4 キャッチ後、外に出す or 外を切る
5 キャッチ後、寄せて相手のスピードを落とす
6 追走
この判断のプロセスを図にしてみました。細かいので拡大して見てください。
赤になっているのが判断事項で、青が事象です。
プロセスの解説
まずは、インターセプトができるかどうかを判断します。あまり機会が多くはありませんが、できそうだと判断すればレシーバーの前に入ってインターセプトを試みます。成功すればいいですが、失敗してしまうとフラッグを取れるチャンスなく抜かれてしまう可能性があるので、できそうかできなさそうかを正確に判断する必要があります。
インターセプトが厳しい場合にはパスカットを狙います。パスカットの場合はインターセプトと違って必ずしもレシーバーの前に入らなくてもボールに触れられればいいので、リスクが軽減されます。
インターセプトやパスカットができなかった場合は相手にパスを通されることになります。そうなれば、当たり前ですがどのようにフラッグを取るかに注力します。
どのようにフラッグを取りに行くかはパスキャッチをしたレシーバーとの距離によって変わってきます。
しっかりとレシーバーをカバーしていて距離が近いのであればキャッチした瞬間にディフラッグ(フラッグを取ること)を狙います。キャッチする瞬間は誰でもスピードが落ちるのでそこを狙います。
このときに片手ですれ違いざまにディフラッグするようにフラッグを取りに行くと早いのですが、そのタイミングでカットを切られると一気に抜かれてしまうので注意が必要です。
すぐにフラッグを取ることができなければ、進路をうまく誘導してサイドラインへ出すか、中に追い込んで複数人でフラッグを取りに行きます。
このやりかたについては下記の記事に詳しく書いてあります。
ボールキャリアとの距離が遠い場合には進路誘導ができないので、とりあえず距離を詰めて少しでも相手のスピードを落とすことに専念します。近くに味方がいなかったり、ゴールライン間近であればスピード落とさせても味方の援護が期待できないので、イチかバチかで単体でフラッグを取りに行くしかありません。
抜かれてしまえば全力で追走するしかありません。
判断プロセスが異なる場合
前述の判断プロセスは状況によって変わります。
特徴的なのは、エンドゾーン内にパスが投げられた場合です。
エンドゾーン内にいるレシーバーに向かってパスを投げられた場合には<< パスを通される >>以後のプロセスしかないので、インターセプトかパスカットを狙うしかありません。
他にも、例えば前後半のラストプレーの場合にはインターセプトする必要がないので、その判断は省かれることになります。
ディフェンスのハドルでは作戦だけではなく、こういった状況による判断プロセスを確認することも重要になります。
ということで、ディフェンスの優先順位でした。