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フラッグフットボールやアメフトについてあれこれ書きます。~武器はたゆまぬ K.U.F.U.~

チーム内の相互理解を高める練習「ブラインドウォーク」

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Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)

今回はチーム内の相互理解を高める練習「ブラインドウォーク」について書いていきたいと思います。

 

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チームビルディングの必要性

チームを強くしていくためには、単に技術や戦術を高めるだけでは不十分です。チームメイト同士が必ずしも仲良くなければいけないわけではないですが、どんな性格をしているのか、どんな志向性を持っているのかということを知っておくことはとても重要です。

 

ディフェンスでもどんどん強気にいくのか、無難に我慢していくのか、共通認識として持っていないとうまく守ることができません。そういった共通認識、コンセンサスをどう形成していくかは、それぞれの性格や志向性を把握していたほうがやりやすいはずです。

 

 

試合中のミスでも、技術的なミスのように見えて、それぞれチームメイトへの理解が足りないというケースも多々あります。

 

ブラインドウォーク

チームビルディングの一環で、相互理解を深め、信頼関係の構築を目的としています。

 

やりかたは簡単で、スイカ割りみたいにプレーヤーは目隠しし、そのペアであるナビゲーターは指示を出してあらかじめ決められたコースを歩きます。プレーヤーはそのコースは知らされません。

 

プレーヤーは目隠しで歩くのにビビってしまうので、ナビゲーターは指示を出しつつ、恐怖を取り除けるように声を掛けていきます。

 

コース作り

プレーヤーに目隠しをした後に、指導者はフィールドにコーンを置いてナビゲーターにコースを指示します。ナビゲーターはこのコースを頭に入れてプレーヤーに指示を出していきます。

 

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コースはそこまで難しくなく、それでいて一言では伝えづらいようなものを用意します。平坦なフィールドでもいいですが、起伏のあるようなところでやると効果的です。その場合、指導者は安全に充分に留意します。

 

コミュニケーションの質

ナビゲーターはプレーヤーの恐怖心を取り除くことがまずは重要ですが、その次の段階はいかに指示をうまく伝えるか、です。

 

プレーヤーは目隠しをしているので、ナビゲーターに「真っ直ぐ歩け」と言われても真っ直ぐがどこなのか、どのくらいのスピードで、どこまで歩くのかもわかりません。一歩一歩丁寧に説明していけばできるかもしれませんが、それはあまりにも非効率的です。

 

どれだけプレーヤーを混乱させずにうまく誘導できるかというところに、ナビゲーターの手腕が問われます。

 

自分は普段の話のなかで、抽象的なことを論理展開をスキップしながら話してしまったり、相手が知らない単語を使って話してしまうことが多々あります。そういった普段のクセがナビゲーターをやっていてもでてきます。

 

プレーヤーはそういったナビゲーターのクセを把握しながら理解に務めるだけではなく、わからない指示を指摘したり、終わった後に話し合って改善できるようにします。

 

自分がナビゲーターだったら逐一説明することはせず、まず最初に全体像を把握させてから半分ぐらいまとめて指示しておきます。ここでは2人1組でやっているので逐一の指示でも通用していますが、プレーヤーが3人4人と増えていくことを考えると大きく伝えておいて何かあれば修正というやり方をします。

 

このへんが自分の考え方のクセなので、そういった説明の仕方にプレーヤーに慣れていってもらう必要もありますし、プレーヤーが逐一説明してもらえないと不安だという人であればそれに沿った説明のやり方を考えていくのがナビゲーターの役割です。

 

こういったことを繰り返しておくことで、相互理解が深まっていきます。

 

大事なのはフィードバック

終わった後に話し合って説明の仕方を改善していく、と書きましたが、相互理解の深めていくためにはこのフィードバックの時間が最も重要になります。

 

というのも、この練習は勝敗もなければスコアもないので、練習のなかに評価基準がありません。

 

なので、ナビゲーターの評価はプレーヤーがするしかありません。プレーヤーは、わかりにくい説明がなかったかどうか、何か不安に思ったことはないかを伝え、評価します。人それぞれ不安に思うことは違うので、そういったものも含めてそれぞれのプレーヤーを理解していくことが大切です。

 

自分がプレーヤーであれば、ナビゲーターのときと同じく全体像を把握していない見切り発車が不安に感じてしまうので、先に伝えてもらえないと不安に思ってしまいます。

 

これは自分のクセなので、評価はいい悪いではなく、まだ理解してもらっていないということであり、そういったことをしっかりナビゲーターに伝えられていないとだけのことです。

 

このフィードバックの時間をしっかり行うことが出来れば、普段の練習や試合のなかでもどのように指示を出していけばいいのか、どのように説明していけばいいのかがわかってきます。

 

YouTube動画

この目隠しして歩くというのはいろいろなアクティビティで使われています。

 

この動画では、ナビゲーターは声ではなく紐で先導しています。

www.youtube.com

 

こちらでは、心の緊張を溶くアイスブレイクとして使われています。

www.youtube.com

 

ジャイアントキリング16巻

この「ブラインドウォーク」に似ている練習が「Giant Killing」の16巻に登場します。「スイカ割り風ミニゲーム」として同じポジションの2人がペアを組み、目隠しでサッカーをします。

 

GIANT KILLING(16) (モーニングコミックス)

GIANT KILLING(16) (モーニングコミックス)

 

  

他にも同部屋になった選手の特徴を書かせたり、全員が違うポジションに入って試合したりとひたすらコミュニケーションを取るように求めていきます。その結果が選手同士の相互理解につながっていきます。

 

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引用:「ジャイアントキリング13巻」

 

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引用:「ジャイアントキリング 14巻」

 

プロは毎日のように練習をやっているので、普通に練習をやっているだけでそれとなく相互理解は深まっていきますが、週1しか練習していないようなアマチュアだとそこまでお互いのことはわからないまま試合をしなければいけません。

 

そういったときにこの「ブラインドウォーク」をしてみるのもいいのではないでしょうか。

 

この練習は下の文献を参考にして考えました。基本は小学生、中学生のコーチ向けに書かれています。気になったら読んでみてください。

 

『個』を生かすチームビルディング チームスポーツの組織力を100倍高める勝利のメソッド

『個』を生かすチームビルディング チームスポーツの組織力を100倍高める勝利のメソッド

 

 

ということで、「ブラインドウォーク」でした。

Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)