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フラッグフットボールやアメフトについてあれこれ書きます。~武器はたゆまぬ K.U.F.U.~

ゴールの見えないグダグダな日大フェニックス前監督&コーチの会見を見て思ったこと

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Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)

今回は昨晩開かれた日大フェニックスの監督とコーチによる記者会見を見て思ったことを書こうと思います。

 

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引用:http://ricebowl.americanfootball.jp/archives/1166

 

加害者の名前

もうすっかり被害者扱いにされている当該プレーヤーについてですが、真偽のほどはわかっておらず、あまり考えにくいでしょうが、当該プレーヤーが自分の意思で犯則行為を行い、本当に監督やコーチが関与するものではなかった可能性があります。

 

そういったことを考えると、当該プレーヤーは「加害者」としてまずは扱われなければいけないと思います。そして加害者が未成年である場合にとりわけ個人情報というのは慎重に扱われなければいけません。

 

先の本人による記者会見でも、下記のような注意事項が述べられました。

 

氏名についてもあえて秘匿をするまでもないということを仰っています。しかし、私どもとしては、代理人としては、長い将来のある若者です。この先どのような不測の事態があるとも限りませんし、被害が被らないとも限りません。

 

そういうことに是非ご配慮いただいて、できればずっとアップに撮るようなこと避けていただいて、格別のご配慮をいただければと、冒頭にこれを申し上げておきたいと思います。

 

 

この注意事項があったにも関わらず顔のアップを映し続けたテレビ局がいくつもあったのは前回の記事にて書きましたが、今回の会見ではこの話がなかったかのように普通に名前が呼ばれています。

 

前回の本人の会見でもわざわざ名前を言うことを避けていたにも関わらず、です。このへんのデリカシーのなさに疑問を感じます。

 

少し余談ですが、前回の会見の終了後の退場のさいに名前を呼んでいる記者がいたみたいです。

 

 

控えめに言って最悪です。

 

公開されている書面に名前が載っているので、注意事項で仰っているようにわざわざ秘匿する必要はないのかもしれませんが、やはりそのへんは慮るのがモラルではないのかなと感じました。

 

文章なしの質疑応答

日大側は無能なのか、なんなのかわかりませんが文章での説明もなく、何かしら主張したいことを発することもなく、質疑応答になりました。

 

www.youtube.com

 

前回の当該プレーヤーの記者会見を見ればわかりますが、真相を知りたい人とエモーショナルな言質を取りたい人、糾弾できる先を見つけて正義感にかかっている人が混在しているわけで、いきなり質疑応答からはじめてしまうと話があちこちに言って論点がわからなくなる可能性があります。

 

むしろ、そちらのほうが都合いいと考えたのかもしれませんが、下手くそ過ぎて印象の悪さを残してしまう結果になっています。

 

アメフトを知っている人にとってみれば、言いたいことは一つだと思います。

 

とにかく有馬さんが全部やってくれ!

 

前回の会見で賛否両論あった質問をした有馬さんですが、プレーヤーとして核心を突く質問を1つだけに留めかなり株を上げたように思います。

 

エモーショナルな話でグダグダする前に専門知識のある有馬さんからちゃんと事実確認をして欲しかったです。

 

そもそも誰なの?

今回、内田前監督と井上コーチが会見に出席したわけですが、まずはお2人がチーム内においてどのような役割を担っている人物なのかを明確にする必要があると思います。

 

アメフトでは、まず一番上にヘッドコーチ(HC)がいて、その下にオフェンスコーディネーター(OC)、ディフェンスコーディネーター(DC)がいて、その下にポジションごとにQBコーチ、DLコーチ、またその下にそれぞれアシスタントコーチという構成になっています。(NFLでの知識なので、もしかしたら日大フェニックスは違うかもしれませんが。)

 

それぞれのコーチの権力というのが決められており、分業していきます。日本における野球の監督以下のコーチの分業は結構あやふやになっていますし、サッカーは監督がすべてみたいなところがありますので、一般的に想起される監督やコーチとは少し違うかもしれません。

 

おそらく内田前監督はHCであり、井上コーチはDCだとは思いますが、もしかしたらナンバーワンは他にいるかもしれません。井上コーチの担当はDL担当なだけでコーディネーターは別にいるかもしれません。

 

HCがオフェンス、あるいはディフェンスのプレーコールを出すケースもよくあるので、内田前監督がHC兼ディフェンスプレーコーラーで、井上コーチはあまり権限がない可能性がありますし、逆に傀儡HCの可能性もあります。

 

会見の中盤過ぎぐらいに内田前監督の「全体ミーティングや練習に出ていない」「(試合のビデオは見ておらず)9日(試合から3日後)にネットで例のプレーを見た」という発言がありましたが、普段どんな仕事をされているのかわかりませんが、HCがそんな感じで務まるのか単純に疑問に思いました。

 

春だからそんな感じなのかもしれませんが、そういう状態なのに選手の選定や指導方針を語れるというのは驚きでした。

 

とにかく、チームにおいてどのような役割を担う人物が、どのような権限において、どのような発言がなされたのか、ということを順番に明確にしていかないとわかるものもわからなくなってしまうような気がします。

 

やっぱり記者が気持ち悪い

今回の会見で司会を担当された方が話題になりましたが、やっぱり記者が気持ち悪いです。

 

「司会者のあなたの発言で日大のブランドが落ちてしまうかもしれないんですよ」という発言、ちょっと正義感に酔っている感じがしてすごく嫌いです。

 

そもそもラストって言われているのにいつまでも質問する感じは見ていて耐えられなかったし、どうしてもさせて欲しいと無理矢理入れ込んだ質問もどうでもいい内容で何かしら見出しになる言質を取りたいだけにしか思えませんでした。

 

だいたい、前回の当該プレーヤーのときには最初に「このような会見を設けていただいてありがとうございます」という感謝の意を述べてから質問しているのに、なぜ今回は誰も言わないのか。

 

再三司会の方が会見を終わると言っているのに、なんかよくわからない展開で監督が続行をしてくれたのであれば何かしら述べてもいいと思うのですが、一言もありませんでした。

 

もう最初から叩くつもりで質問しているというのが嫌でした。

 

時間設定があったのがどうかはわかりませんが、またルールを守れない人が守れなかったと思われる人を叩く図式になっている気がします。

 

内容について

何言ってるいるのかわからないというのが正直なところで、内田前監督の去年の4年生のどうでもいい話とか、井上コーチの「自分は言った覚えはないが、彼は嘘をついていない」という禅問答のような話を真剣に検証する気にはなりません。

 

有馬さんがどこかで語ってくれることを期待しています。

 

トップニュースにすること?

ちゃんと確認していないのですが、どのテレビ局もこの件をトップニュースにもってきているみたいです。

 

誰もアメフトには興味がないくせに騒げる対象を見つけたから面白がっているだけかなという認識でしたが、映画評論家の町山さんがこのような指摘をされています。

 

 

この一連の話は日本のダメなところの縮図のように思えるから盛り上がっているのだと指摘でした。

 

そうかもしれないし、そうじゃないかもしれませんが、だったら本丸である森友や加計や働かせ方改革のほうで騒げよと思わなくもないです。

 

 

関東学生アメリカンフットボール連盟

ついでですが、関東学生アメリカンフットボール連盟のホームページにて臨時理事会の招集と記者会見についてリリースがありました。

 

 

日大がいろいろとやらかしているおかげで、関東学生アメリカンフットボール連盟も日本アメリカンフットボール協会も矢面に立たずに済んでいるという状況ですが、ほぼ何も対応できていないというのが実際のところだと思います。

 

初期対応で「指導者を厳重注意」としてしまったのがそもそもの悪手だったのも忘れられていて助かっています。

 

ボロを出さないようしっかりとした対応を考えておいてもらいたいです。

 

悪魔は細部に宿る 危機管理の落とし穴(祥伝社新書)

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ということで、日大フェニックス監督とコーチの記者会見についてでした。

Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)