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フラッグフットボールやアメフトについてあれこれ書きます。~武器はたゆまぬ K.U.F.U.~

NFL FLAGオンラインルールテスト解説(Q21~Q30)

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Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)

今回はNFL FLAG大会規則の解説の続き、最後です。

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Q21.ディフェンスプレーヤーがレシーバーの後ろからボールをたたき落とし、その後にレシーバーに覆い被さるように接触した。

 

  1. パス失敗とし、プレビアスから次の攻撃
  2. ディフェンスの反則とし、プレビアスから10ヤード罰退してオートマチックファーストダウン

 

A22.ディフェンスの反則とし、プレビアスから10ヤード罰退してオートマチックファーストダウン

 

この判定については判断が分かれる可能性がありますが、基本的にはフラッグフットボールは接触のないスポーツとしているため、パスカット前でもパスカット後でも接触はしてはならないというのが原則です。大会規則には下記のような記述があります。

 

page8[ディフェンス]

 

選手は相手と接触をしないように努めねばならず、接触行為並びに接触につながる行為をしてはならない。

 

7 守備側選手がパスプレーを防ぐために、他の選手に接触してはならない。

 

ここには行為と接触の前後については言及がありません。なので、パスカットした後に接触してしまうことも「接触につながる行為」として見なすことができます。よって、行為後に接触する可能性が高いと予見される場合、その行為は反則となります。

 

正答率は90%でした。

 

Q22.ラッシャーが投げたあとにQBと接触した。パスは成功し、12ヤードゲインした(ハーフ前)。(1stダウン)

 

  1. 12ヤード地点から次の攻撃(2ndダウン)
  2. 接触した時点でホイッスルを鳴らし10ヤード罰退してオートマチックファーストダウン
  3. 10ヤード罰退してオートマチックファーストダウンか12ヤード地点から次の攻撃かを選択する

 

A23.10ヤード罰退してオートマチックファーストダウンか12ヤード地点から次の攻撃かを選択する

 

Q22と同様に行為後に接触があった場合でも反則になります。このケースではプレーを続行し、反則を辞退するか適用するかを攻撃側チームが選択できます。ラッシャーが止まりきれずにQBにぶつかっているケースは多く見ます。自分も何度か足踏まれていたり、ぶつかったりしています。

 

つい「全力でプレーしているからしょうがない」という感じになってしまいますが、他人を傷つけるようなプレーは全力プレーでもフェアプレーでもありません。QBにぶつからないように避けたり、止まれたりできないのであれば全力疾走でラッシュはしないでください。

 

正答率は80%でした。

 

Q23.ラッシャーがセンターを走るコースに合わせるように迂回してラッシュし、センターと接触した。

 

  1. オフェンスの反則とし、10ヤード罰退して次の攻撃
  2. ディフェンスの反則とし、10ヤード罰退してオートマチックファーストダウン

 

A23.ディフェンスの反則とし、10ヤード罰退してオートマチックファーストダウン

 

ラッシャーはQBに向かって最短距離で向かわないと進路の優先権はなくなります。2017年版には、「すみやかに」という文言が追加されました。

 

page8[ディフェンス]

 

1 プレー開始後、守備側選手がスクリメージラインを越えて、ボールキャリアのフラッグを取りに行く場合は、すみやかにボールキャリアに向かわなければならない。

 

攻撃側チームはラッシャーがどこに走ってくるかを予想して、それを避けるようにパスルートを走ります。その予想を容易にするために2016年からは挙手のルールが加わりました。しかし、ラッシャーがQBに真っ直ぐ向かっていなかったり、最初にアンダーゾーンカバーのフェイクを入れてから向かってきたりすると、攻撃側チームは予想ができません。なので、ラッシュはQBに真っ直ぐに(ロールした場合には最短距離で)向かっていなければ優先権は確保されません。

 

下図はセット位置からQBに向かって最短距離で向かっているのでOKです。

 

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下図ではQBがロールしています。この場合でも優先権の確保は継続です。右は途中で曲がっていますが、QBの動きに反応して最短距離で向かっているのでOKです。

 

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下図のようなQBに向かって最短距離にラッシュしていないので優先権はありません。

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左は一方のサイドにロールさせないようなラッシュとして実際にもありそうですが、前述のように攻撃チーム側が、ズレたところからナナメに来るのか真っ直ぐくるのかが予見できないため回避できません。審判は大変ですがより注意深くラッシャーの動きに注目してジャッジをしてください。

 

正答率は80%でした。

 

ラッシャーが挙手せずにラッシュを行い、センターはそのラッシャーを避けてルートに出てパスキャッチをした。

 

これについては回答を保留していました。というのも、なかなか難しいケースであるからです。

 

このケースではラッシャーは挙手をしていないので進路の確保の必要はありません。なので、ラッシャーはセンターとぶつかりそうになった場合は避けなければいけません。接触すればラッシャーが避けなかったということでディフェンスの反則となります。

 

ただ、このケースではオフェンスが回避しています。これを「接触していないので反則ではない」としてしまうと、攻撃側チームとすれば「避けずに接触して反則をもらったほうが得」ということになってしまいます。

 

よく試合でも「避けなくてもいい、ぶつかれば向こうの反則になる」みたいな声が聞こえることがあります。審判としても接触がないと反則がなかなか取れないというのが実状です。

 

ルールのなかに「避けると損」があると、それは接触を勧めているのと大差がないように感じています。あくまで私の個人的な見解です。

 

これを是正するためには「避けるべき人が避けずに、避けなくてもいい人が避けて接触がしなかったケース」に対しても反則を適用するのがよいと考えています。拡大解釈になってしまうかもしれませんが、「避けるべき人が避けない」というのは前述の「接触につながる行為」です。

 

反対にラッシャーが挙手したのにセンターが避けてくれず、仕方なくラッシャーが回避して接触しなかった場合についても、接触はしていませんが避けるべきセンターが避けなかったというのは「接触につながる行為」なので反則を適用します。

 

あくまで、個人的な解釈からの南関東地区での適用ですので、詳しくは各地区の実行委員に聞いてください。

 

Q24.QBからハンドオフを受けたオフェンスプレーヤーがスクリメージライン手前で7秒以上保持した。

 

  1. 問題ないとしてプレー続行
  2. バイオレーションとして、プレビアスから次の攻撃
  3. 反則として5ヤード罰退して次の攻撃

 

A25.バイオレーションとして、プレビアスから次の攻撃

 

7秒以上の保持についてのルールについては下記のようにQBに限定してのものではないので、ハンドオフプレーヤーが保持していてもバイオレーションの適用になります。正確に言えば、センターがスナップしてから7秒間で、ハンドオフするとカウントがリセットするわけではありません。

 

page11[バイオレーション]

[その他の反則][オフェンス]

 

攻撃側選手がプレー開始後7秒以上、スクリメージライン後方でボールを確保し続けた。

 

正答率は50%弱でした。

 

Q25.QBからハンドオフを受けたオフェンスプレーヤーがパスを投げるときに足がスクリメージラインを越えていた。

 

  1. バイオレーションとしてプレビアスから次の攻撃
  2. 反則としてプレビアスから5ヤード罰退して次の攻撃か、ボールデッド地点から次の攻撃するかを守備側チームが選択

 

A25.反則としてプレビアスから5ヤード罰退して次の攻撃か、ボールデッド地点から次の攻撃するかを守備側チームが選択

 

ややこしいですが、QBがスクリメージラインを越えてパスしてもバイオレーションでパスは無効、それ以外のプレーヤーがスクリメージラインを越えてパスしたらライブボールファウルの反則でパスは有効(インターセプトすれば反則の辞退もあり)です。

 

正答率は55%でした。

 

Q26.ロングパスをディフェンスプレーヤーが明らかにわざとレシーバーの邪魔をしてパス失敗となった(邪魔がなければタッチダウン)

 

  1. ディフェンスの反則としてプレビアスから10ヤード罰退してオートマチックファーストダウン
  2. やり得なルールを利用した意図的な妨害と判断してアンスポーツマンライクコンダクトとし、プレビアスから10ヤード罰退、または悪質と思われる場合には得点を与えるなどの判断する処置を行う

 

A26.やり得なルールを利用した意図的な妨害と判断してアンスポーツマンライクコンダクトとし、プレビアスから10ヤード罰退、または悪質と思われる場合には得点を与えるなどの判断する処置を行う

 

基本的にはディフェンスの反則で10ヤード罰退でオートマチックファーストダウンですが、これまでの解説にもあったようにアンスポーツマンライクコンダクトを適用してよいケースです。わざとの反則ではなくても、審判団の判断として「卑怯な行為」と見なされればアンスポーツマンライクコンダクトとなります。

 

正答率は71%でした。

 

Q27.4回目の攻撃なのに審判団が勘違いをし3回目の攻撃としてコールを行い、その攻撃でタッチダウン。エキストラポイントも成功し、攻守交代して最初のプレーがはじまったあとに4回目の攻撃が行われたことに気がついた。

 

  1. 得点を認める
  2. 得点を認めない

 

A27.得点を認める

 

これは前回のハドルボウルで実際に起こったケースです。判断は難しいですが、基本的には判定を戻って覆すことができません。このケースについては、4回目の攻撃が開始されたときにフィールドキャプテンが主審に確認して、それが認められれば攻守交代になります。

 

ただ、実際のハドルボウルではタッチダウンが決まった後に、ミスジャッジとして取り消しになったそうです。このへんは審判団と大会責任者および実行委員の判断に委ねられます。

 

正答率は71%でした。

 

Q28.センターが股の下を通さずにスナップを行った

 

  1. 問題ないとしてプレー続行
  2. 反則として5ヤード罰退

 

A28.反則として5ヤード罰退

 

下記のような記述があるので股の下を通さないスナップは反則になります。

 

page7[オフェンス][1 プレー全般]

 

プレーは必ず、攻撃側選手(センター)による、両足の下を通すスナップで開始される。

 

これについては2016年版では反則にスナップに対する記述がありませんでした。なので、ハドルボウル決勝で起きたときには両キャプテンを呼んでロスオブダウンという暫定的な判定をしました。2017年版には5ヤード罰退の記述が追加されたので、5ヤード罰退になります。フォルススタートなどと同じくスナップした時点でボールデッドとなります。

 

ちなみに、Fリーグなどで適用されているIFAFルールではスナップは股下からやる必要はありません。このへんの違いがめんどくささを生んでしまっているのが現状です。

 

正答率は75%でした。

 

Q29.センターがすぐ後ろにいるQBの股の下を通して、5ヤード後ろにセットしたオフェンスプレーヤーにスナップを行った

 

  1. 問題ないとしてプレー続行
  2. QB以外が直接手渡しでスナップを受けられる位置にいたとし、反則で5ヤード罰退する

 

A29.QB以外が直接手渡しでスナップを受けられる位置にいたとし、反則で5ヤード罰退する

 

これについては過去にもこのブログで詳しく解説しました。

 

 

簡単に説明すると、後ろにセットしたプレーヤーにスナップがいくと、このプレーヤーがQBとなります。そうなったとき、すぐ後ろにいるプレーヤーは「QB以外」になります。このとき、下記の記述があるので反則となります。

 

page7[オフェンス][1 プレー全般]

3 スナップを受ける選手を『クォーターバック』とし、クォーターバックのみが直接手渡しでスナップを受けられる位置にいることができる。

 

罰退の記述もあり5ヤード罰退です。

 

正答率は43%でした。

 

Q30.レシーバーのフラッグがズレておりパスキャッチしたあとにディフェンスがフラッグを取れなかった

 

  1. 問題ないとしてプレー続行
  2. フラッグがズレていなかったらフラッグは取れたとして、その地点でボールデッド
  3. フラッグがズレている状態をフラッグが取れている状態と見なし、パスキャッチした地点でボールデッド

 

A30.フラッグがズレている状態をフラッグが取れている状態と見なし、パスキャッチした地点でボールデッド

 

よくあるケースですが、ズレている状態はフラッグが着いていない状態と判断します。なので、その状態でキャッチした時点でボールデッドとなります。

 

得点分布

今回のルールテストはよりルール遵守を意識してもらおうということなので、受講した時点で何点取れているのかというのはそこまで重要ではないと思っています。自分自身、試合と同じように即決が求められる状況だと満点取ることはできないと思います。

 

ただ、ルールは自分と相手の安全を守るためのあるものなので、それぞれが遵守の意識をもってこれからも競技に取り組んでいただければと思っています。

 

参考までに平均点は170点、最高点は290点でした。

是非、再度受講いただいて最高点を超えてから大会に臨んでいただけるとうれしいです。

 

 

molten(モルテン) フラッグフットボール ミニ Q3C2500-QB

molten(モルテン) フラッグフットボール ミニ Q3C2500-QB

 

 

ということで、オンラインテストの解説でした。 

Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)