RED ZONE

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フラッグフットボールやアメフトについてあれこれ書きます。~武器はたゆまぬ K.U.F.U.~

日大フェニックスの新監督に応募した元NFLプレーヤーはクリス・ナオール(Chris Naeole)甥のアンスポによって相応しいかどうかを問えるのか

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Written by HOMMURA Kyohei. (@YouTube&@Twitter&@Facebook)

今回は日大フェニックスの監督選考について書きたいと思います。

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引用:MyCapture - Jacksonville, FL - The Florida Times-Union

 

新監督の公募

一時期はかなりの炎上を見せた日大フェニックスの一件についてですが、かなりほとぼりが冷めたように思います。記者会見など毎回追っていくのもしんどいので「RED ZONE」では記事にしていませんでした。

 

 

この一件によってアメフトにどのような影響を与えたのかというのはわかりませんが、とりあえずはワイドショーなどで取り上げられることが減り、少しずつ落ち着いて解決に向かっているように思います。

 

その大きな動きとして、日大フェニックスの新監督の公募とその選考です。

 

 

この公募には69人の応募があったそうです。そのなかにはNFLで10年以上プレーした外国人もいるという情報があり、NFLクラスタのなかでは誰なのか話題になっていました。

 

Chris Naeole

その人物は「クリス・ナオール(Chris Naeole)」という方らしいです。

 

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引用:MyCapture - Jacksonville, FL - The Florida Times-Union

 

 

自分は知らないプレーヤーなのですが、Wikipediaによると、1997年のドラフトにおいて1巡10位指名でニューオリオンズ・セインツに入団し、2002年からはジャクソンビル・ジャガーズで2009年までプレーしています。

 

 

NFLでの出場は154試合で、スターティングメンバーで150試合出場しています。引退後はハワイ大のOLコーチ、1年だけヘッドコーチを務めています。

 

www.youtube.com

 

近年ではアメリカのカレッジで実績のあるプレーヤーがXリーグでプレーするこということはありますが、これほどNFLでの実績がある人物が日本のアメフトチームの指導に興味を持ったというのは珍しいケースであるように思います。

 

日本とのつながり

このクリス・ナオールと日本とのつながりについては先ほど載せた記事に書かれています。

 

 実はナオールは日本アメフト界と日大アメフト部とも繋がりを持っている。

 

 6月29日に東京ドームで行われたXリーグの春季東日本社会人選手権「パールボウル」で優勝したオービック・シーガルズのバイロン・ビューティー・ジュニアとブロンソン・ビューティー兄弟の叔父がナオール。

 

 バイロンはナオールと同じくカフク高校からコロラド大学の道を辿っているし、ブロンソンは内田前監督の下、日大でプレーして、昨年の甲子園ボウル優勝にも大きく貢献している。

 

引用:日大アメフト部新監督候補はNFL11年プレーした元ドラフト1巡目選手(三尾圭) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

ここで日大フェニックスとつながっているというところから今回の応募となったのかもしれません。

 

パールボウルでのアンスポ

ということで、あとは選考委員会の意思決定を待つだけ、となればよかったのですが、この記事には気になることが書いてあります。

 

というのも、ナオールからは甥にあたるバイロン・ビューティー・ジュニアのパールボウルでの行為によって彼が監督になることは不適切であるかもしれない、ということです。

 

パールボウルでの行為というのは、プレー中にスポーツマンらしくない行為(おそらくラフプレー)があったとしてスポーツマンライクコンダクトの反則が取られ、その判定に対して抗議した(もしくは暴言を吐いた)として2回目のアンスポが適用され、退場となりました。

 

そこまでであればまだよかったのに、退場処分になってフィールドから去るさいに観客に向かってアピールを行いました。

 

 

 

自分のこの試合を見ていましたが、最初になぜ反則を取られてしまったのかがわからず、アピールについては見ていませんでしたので、観戦記に書くのは敢えて避けました。

 

この件については、なにもわからない状況でいろいろと言うには難しいですが、少なくとも不適切な行為であり、これまで以上にフェアプレーを求められている日本のアメフトにおいてチームやリーグからの説明は不可欠であると感じます。

 

シーガルズのホームページを見ると、バイロン・ビューティー・ジュニア選手がディフェンスMVPとなっていますが、反則によるヤード喪失や退場処分は評価に関係なのか疑問です。

 

 

最初のアンスポが不適切なものであったというならまぁしょうがないのかもしれませんが、日大フェニックスの件では「アンスポやってしまったのにサイドラインでもお咎めなしというのはおかしい」なんて話になっていたのになんだかおかしな感じがします。

 

監督として相応しくないのか?

ということで、記事にある記述に戻ります。

 

記事には最後にこのようなことが書いてあります。

 

 アメフト界全体でフェアプレーを浸透させようと努力しているときに、空気を読まないプレーで退場を宣言され、ファンをも挑発したバイロン。その彼の叔父であるナオールは選手としての実績は文句の付けようがないほどに素晴らしく、指導者としてもアメリカの大学界で結果を残してきたが、果たして彼は日大再建に相応しい人物なのだろうか?

 

 新監督選考委員会がどのような判断を下すのかが注目される。

 

引用:日大アメフト部新監督候補はNFL11年プレーした元ドラフト1巡目選手(三尾圭) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

「彼の甥が問題ある行動を起こしたので、日大再建に向けての新監督には相応しくない」ということですよね?

 

これは完全にポリティカル・コレクトネスに接触するものであると思います。

 

なぜ親戚の行動によって監督の資質が問われることになるのかわかりません。もともと日大フェニックスとつながりがある人物を連れてきての出来レースなのかもしれない、というならまだしも、これは身内に犯罪者がいるから信用できない言っているのとそこまで変わらない話です。

 

いまは就職の面接で両親の職業や家族構成などを聞くことはNGとされている時代です。

 

そんななか「サッカー日本代表監督は日本人がいいのか外国人がいいのか」みたいなアホみたいな話もしていますが、国籍や血筋をもって監督としての資質を問うというのは極めて愚かであると思います。

 

 

日大フェニックスの新監督についての話とパールボウルのアンスポの話は全くの無関係です。仮にバイロン・ビューティー・ジュニアが過去にクリス・ナオールの指導を受けていたとしても、今回の件について明確な因果関係があると言えない限り、日大フェニックスの新監督に相応しくない人物であるとは言えません。

 

差別的であり、人間としてフェアネスに欠けた意見であり、それはフィールド上のアンスポよりもずっと重いものであると思います。

 

新監督選考委員会が正しい判断を下すことを期待します。

  

 

ということで、日大フェニックスの新監督選考についてでした。

Written by HOMMURA Kyohei. (@YouTube&@Twitter&@Facebook)