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フラッグフットボールやアメフトについてあれこれ書きます。~武器はたゆまぬ K.U.F.U.~

アメフト日本一決定戦「ライスボウル2017」の観戦記と不要論

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Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)

今回は1月3日に行われたライスボウルについて書いていきたいと思います。

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ライスボウルとは

社会人リーグであるXリーグの優勝決定戦を「ジャパンXボウル」、大学リーグの優勝を決める試合を「甲子園ボウル」、この試合の勝者が対決するのが「ライスボウル」です。

 

ricebowl.americanfootball.jp

 

社会人優勝チームと大学生優勝チームが対戦するアメフト日本一決定戦が「ライスボウル」です。

 

qboekendorp.hatenablog.com

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今回のライスボウルのカードは、社会人代表の富士通フロンフィアーズと、大学生代表の関西学院大学になりました。

 

富士通フロンフィアーズは2年ぶり2度目の出場、関西学院大学は2年ぶり11回目の出場で、2年前の対戦では富士通フロンフィアーズが勝利して初優勝をしています。

 

最近7年は社会人代表チームが勝っており、地力としては劣勢と思われる大学生チームがどこまで迫れるかというのが注目ポイントになっています。

 

ricebowl.americanfootball.jp

 

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試合展開とプレー動画

JBXに続いて今回もTwitterにアップしたプレー動画をまとめました。

 

 

キックだけ見ると富士通のほうが距離も正確性も上だったように思いますが、関学は距離は出してなくてもキックカバーがよく富士通にほとんどリターンさせていませんでした。

 

また、リターナー2人いて、ポールをキャッチした選手がもう一方に投げるフェイクを入れたり、ボールを持ってない方のリターナーが転けて相手の動揺を誘ったりというスペシャルプレーが見られました。

 

ただ、どれもそれほど大きな戦果をあげることなく終わってしまいました。弱者の戦略としてスペシャルプレーで主導権を握っていくというのはありだとは思いますが、なんとなく小手先だけでやりくりしてる感は否めませんでした。

 

 

 

関学ディフェンスは、そこまで富士通QBキャメロンにプレッシャーをかけることはできていませんでしたが、パスカバーは悪くなかったと思います。

 

ロングパスでTDを取られていますが、FGにおさえたシリーズもありますし、単純な1対1とキャメロンの格の差で負けてしまっていましたが、チームとしては点差ほど劣っていたわけではないと思います。

 

ただ、オフェンスやキッキングでスペシャルプレーする割にはディフェンスで攻めたプレーコールがなかったのが残念でした。

 

 

 

 

関学オフェンスは、RBに渡してからQBに返す「フリーフリッカー」と呼ばれるスペシャルプレーなどを披露しましたが、サードダウンロングやフォースダウンギャンブルというシチュエーションで出している時点でかなり苦しいです。

 

素人の自分でもそういったシチュエーションを読んでスペシャルプレーを撮影できているので、おおかた想定内のプレーになってしまったんじゃないかなと推測してます。

 

 

 

ただ、関学オフェンスの、ピストル体型からのプレーアクションやドロープレーを中心としたプレースタイルはかなりかっこよかったです。

 

富士通相手でもきれいにドロープレーが決まっていたので、大学生相手ならなかなか止められないんだろうな、と思いながら見ていました。

 

 

富士通オフェンスは後半リードしている展開にも関わらずどんどんパスプレーをやっていました。QBキャメロンへの信頼度の高さだと思います。

 

ラインが崩れた状態でもレシーバーとのタイミングがぴったりのポイントに投げ込んでいたり、きっちりディフェンスのいない側のカラダのほうに通していたりと抜群の安定感でした。

 

隣の席で観ている人が「走っちゃえばいいのにね」なんて言っていましたが、リードしていてわざわざタックル食らいにいく必要がどこにあるんだろう?って思ってました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前半の感じだと50-0ぐらいのゲームになる可能性があったものの最後に関学が意地を観ててくれて、30-13という結果でした。

 

関学がスペシャルプレーに依存せずに我慢のゲームを続けていたらもう少し違う結果になったかもしれません。だとしても、富士通は大学生が勝てる相手ではなかった気がします。

 

www3.nhk.or.jp

 

試合演出

JXBで散々不評だった「キスカム」がなくなり、リプレイがスクリーンに出るのはよかったと思います。

 

序盤は富士通がノーハドルでオフェンスを進めるため客席映している間にプレーがはじまることがあってかなり不安になりましたが、概ね悪くなかったように思います。

 

場内アナウンスなどについては、申し訳ないですが前述の隣の席の人のコメントにイライラしてしまって2Qあたりからはイヤホンで音楽聴きながら観戦したので全然わかりません。今度からは指定席で観ようかと思います。

 

ハーフタイムショーも変わり映えのしないマーチングバンドなのでとくに興味を惹くことはなかったです。変わり映えのしない正月の風物詩のして機能しているならいいですが、毎年+αがないとただの時間潰しにしかならない気がします。

 

あとは、演出とは関係ありませんが、富士通側の観客に配られた赤のビブス。これは帰りに不要であれば出口で回収されるにも関わらずJXBではたくさん捨てられていました。今回も出口で回収してくれるという案内があるだけで、ゴミ箱には書いておらずまた捨てられていました。

 

なんか工夫できなかったのかなと不思議に思いました。

 

ライスボウルの見直しの必要性

今回、外国人QBが活躍したためいろいろと物議がわき上がっています。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

このところ社会人代表チームが勝ち続けていることで、社会人代表と大学生代表で対戦することに意味、意義はあるのかという話が出てきています。

 

また、対戦するにしても外国人選手の出場を制限しないと勝負にならないんじゃないかという意見もでています。

 

この問題の大きなポイントは、何だかんだ言って3万3521人の観客を集める国内最大級のアメフトの試合だというところです。普段アメフトを見なくても見るという人は多いでしょうし、毎年必ずテレビ放映があるのはこのライスボウルぐらいです。

 

これが1万人も入らないような状況であれば、単に試合の意義だけを問えばいいと思うのですが、「多くの人に見てもらえる数少ないアメフトの試合」という興行的な側面が常について回ります。

 

ここからは個人的な勝手な意見です。

 

まず外国人選手の制限についてですが、戦力を落として試合を均衡にもっていくようなルールは結果的にプレーの質を落としかねないのであんまりしないほうがいいと思っています。今回のQBキャメロンのプレーは関学を応援している人以外にはすごく魅力的に映ったはずです。

 

仮に外国人選手の出場を制限されてQBキャメロンが出場しなかったとして、関学がライスボウル制覇していたとしても、なんとなく釈然としない思いだけが残ってしまう気がします。

 

ただ、「社会人vs大学生」という構図がおもしろくて観客が集まっている可能性はなくはないかもしれません。そうなのであればエキシビションとして、アメフトの普及活動としてライスボウルの継続は一つの手かもしれません。

 

個人的な肌感覚では、そんな構図などはあまり関係なく、「1月3日@東京ドーム」がウケているだけの気がします。だとしたら、そこで一番レベルが高く、どちらが勝つかわからない試合として「ジャパンXボウル」をするのが自然だと思います。

 

そうなるとアメフト界としては収入源が一つ減ってしまうことになるので、そのへんは考えどころです。

 

関学の鳥内監督のコメントを上の記事から引用すると、

「あくまでも個人的意見やけど、ライスボウルなんていらんねん。やる意味ないでえ」

 「あのキャメロンの3発のロングパス。ディフェンスがかわいそうになった。作戦うんぬんのレベルでなく1対1で勝負できるようなタレントが揃わないと、とても勝負にならない。アメリカのNCAAディビジョン3あたりの優勝チームを呼んできて日本の学生王者がどれくらい通じるかの試合をやったほうがええんとちゃう?」

とかなりぶっちゃけています。

 

アメリカのカレッジと学生王者が対戦するのはかなり見てみたいですが、このカードをお正月にして人が集まるとは思えません。これはこれとして別の機会に実施するのがベストだと思います。

 

ラグビーも大学生チームと社会人チームの対戦を減らす方向性になってきていますし、これからはこの構図ではないライスボウルを模索していく必要があると思います。

 

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ということで、ライスボウルについてでした。

 

Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)