今回は作戦の作り方の続きを書きたいと思います。
前回はフラッグ初心者向けの作戦の作り方について書きました。
テキトーに作ってみる。
見直す。
修正する。
という、 とくかく出てきたものを肯定的に捉えて、トライアンドエラーで作っていくというやり方でした。
これはまずはオフェンスの作戦ありきで、その使い所を探していくというやり方です。
ただ、この使い所を見つけたとしてもそれが限定的であったり、あまり考えられない状況だったりする可能性もあります。
なので、もう少し精度を上げるために今度はディフェンスありきの作戦を作っていきます。
例えば、「マンツーマン・ディフェンス」や「3-1 ZONE」といった感じです。
それぞれのディフェンスには弱点がありその攻略方法はこれまで書いてきました。
これらの対策のなかからまずは一つを選んで作ってみるのがいいと思います。
例えば、「相手はマンツーマン、右ツイン ノーバックからクロスルートを使った作戦を作ってみよう」といった感じです。
単純に考えれば上図のように右2人と左2人がクロスするルートを走らせる、ということになりますが、それだけだと相手も対策を打ってくる可能性があるので、なるべくバリエーションを考えていきます。
例えば、真ん中の2人が奥で、外側の2人が手前でクロスしてみよう、という感じです。
この作戦が有効なのかどうかわかりませんが、とりあえずクロス使ってマンツーマン・ディフェンスを打破しようとする意思が見えると思います。
こうやって作ってみて、次にタイミングとか、QBとレシーバーの位置とか、レシーバー同士の間隔とかを考えていきます。
このやり方も、ディフェンスありきになっただけで前回同様にトライアンドエラーで作ってみて、修正する、というプロセスを踏んでいきます。
ただ、このやり方でもう一つ大事にしたいのが、「同じ設定でとにかくたくさん出す」ということです。
いいアイディアを出すには「質より量」です、と言い切るには語弊がありますが、「マンツーマン・ディフェンス対策で右ツイン ノーバックからクロスルート」という設定でたくさん作っていくことでいいアイディアが出てくるかもしれないことに期待したい、ということです。
1ついい感じのできたからOK!と思わずに、「こういう感じだったらおもしろいかな」みたいな遊び心込みで作っていけると作戦作りがおもしろくなると思います。
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いろんな作戦を作っていると当然試合中で使える作戦の幅は広がりますし、普段からたくさん作戦を作っていると試合中にパッと思いつくこともできます。
自分は作戦を書くノートが4コマなので、「この設定で8コ作戦考えついたら寝よう」という感じで作っています。
ここに書いた作戦は試合で使うためというよりも訓練に近いイメージです。
普段からすぐにいろいろなアイディアを出せるようにしておくことで、試合中困ったときに即興で有効な作戦を作ることができます。
こういった作戦の作り方に慣れてくると、「マンツーマン・ディフェンス」とか「1-3 ZONE」とか大雑把なディフェンス設定ではなく、もっと細かく決めていくといいです。
例えば、「マンツーマン・ディフェンスで左サイドにはリチャード・シャーマン」とか。
現実離れした設定ですが、「左サイドのCBが超強力だったらどうするのか」ということで、試合中にそんな状況になることは充分に考えられます。
そんな状況になってから考え出すよりも、事前に、彼との勝負を避けて別のところで勝負するとか、あえてパスではなく彼にランで勝負を挑むとか、調子に乗っている感じを逆手にとって反則をもらいにいくとか、いろんなアイディアを考えて作戦を作ってみておきます。
作ってみるというプロセスを踏んでいるだけで、実際にプレーブックには入れてなくても、ゼロから考えるよりかはアイディアは出てくるはずです。
細かいところまで設定した上で作戦を考えてみる、という練習に一番いいのが、自分のチームのディフェンスを相手にすることです。
自分のチームのディフェンスであればどんな作戦があるのか多少は知っているはずですし、個々人の癖などもわかります。
「LBのあいつはフラッグを取るのが苦手なのでそこを狙っていこう」とか「CBのあいつはフェイクに引っかかりやすいので、そのサイドにプレーアクションパスで攻めていこう」という感じです。
そういう視点で練習のときもチームのディフェンスを見てみるというのも作戦を作る上で非常に重要なことだと思います。
ということで、今回はディフェンスから考える作戦の作り方でした。
Kyohei