Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回はパスの距離について書きたいと思います。
前回の記事の最後に、いかに効率的にボールを投げることができるかが大切、ということを書きました。
遠くまでパスを正確に投げられるというのはQBにとってかなりのアドバンテージとなりますし、パスの距離に制限があればそれだけでかなりのジスアドバンテージになってしまいます。
QBに必要なのはスローイング技術よりも判断力、ということも書きましたが、では、最低どのくらいの技術が必要なのでしょうか。
外側のレシーバーがフィールド中央から10ヤードのところにセットして、5ヤードのパスを受けるとします。
QBは3ヤード後ろにドロップバックするとします。
このときパスは何ヤード投げなければいけないでしょうか。
急に数学の話になりましたが、2辺が8ヤードと10ヤードの直角三角形として、「三平方の定理」で求まります。
この答えは「12.8ヤード」です。
レシーバーのセットの位置をフィールド中央から8ヤードに変更すると「11.3ヤード」です。
とりあえず、この距離を投げられないとなかなか厳しいように思います。
単に15ヤードくらい投げることは多少球技をやっていればできると思いますが、この距離を半径1mぐらいの精度で投げなければパスは成功しません。
外側にセットしたレシーバーに5ヤードのショートパスを通すためにはなんやかんやで15ヤードを正確に投げるスローイング技術が必要、というはQBにもレシーバーにも持っていて欲しい認識だと思います。
ミドルパスであればこんな感じです。
さすがにショートパスだけで試合を進めることは厳しいので、このくらいは投げられるようになっておきたいところです。
キャッチボールをするときにレシーバーとの距離で10ヤードと考えてしまいがちですが、ホントに求められている距離はスクリメージラインからの距離ではなく、上図のような斜めの直線距離であることを意識する必要があります。
また、以前に左右非対称性という話をしましたが、右にいるレシーバーに投げるのと、左にいるレシーバーに投げるのでは遠投力は微妙に異なります。
ドロップバックしてからスグに投げる場合と、1歩前に出ながら投げる場合と、ロールアウトして充分に助走をつけて投げる場合とでも当然異なります。
同じキャッチボールをするにしても、QBを目指していくのであればこのあたりを意識できるかどうかが大切になります。
ということで、パスの距離についてでした。