今回は前回に続いて「2ポイント・コンバージョン」について書きたいと思います。
NFLは今シーズンからトライフォーポイントのルールが変更となり、「2ポイント・コンバージョン」の機会が増えています。
これまであまりされることのなかった「2ポイント・コンバージョン」が増えたことで各チーム、どのような戦略を立てるのか、成功率はどのくらいになるのか、注目です。
フラッグの「2ポイント・コンバージョン」をするシチュエーションとして、前回は「残り時間がほぼなく、2点差で負けている」というのを紹介しました。
雲水と阿含がサムネイルになっているのは当然、イケイケな阿含に対して冷静に勝ちを進める雲水の判断でFGを選ぶあのシーンを意識してます。
しっかり点差を考えて不要なリスクを負うことなく勝ち進めるためにどうするのかを合理的に考えるのがアメフトでありフラッグの特徴だと思います。
他の「2ポイント・コンバージョン」が有効なシチュエーションとして挙げられるのが、4点差の場合です。
・残り時間がそこそこあって、4点差で勝っている
残り時間がそこそこある、というのはイメージとして2分間+αぐらいです。2分間ちょっとあれば相手のオフェンスがあって、もう1回攻撃があるのが予想できます。
【18-20】の2点差で負けていて、タッチダウンを決めて【24-20】の4点差にしたとします。
このとき、1点を決めて【25-20】にしても、2点を狙って失敗して【24-20】でも、次の相手の攻撃でタッチダウンを決められれば逆転されることには変わりありません。
逆転された後に再逆転を狙うとき、相手が【25-26】か【25-27】、もしくは【24-26】か【24-27】で1~3点差なので、タッチダウンが必要なことには変わりません。
一応、【25-26】か【25-27】であればセーフティの2点で逆転あるいは同点の可能性もありますが、ディフェンスの機会が来る前に時間がなくなってしまいます。
一方、「2ポイント・コンバージョン」に成功して【26-20】となれば、次の相手のオフェンスでタッチダウンが取られても【26-26】の同点止まりです。
トライフォーポイントで1点取られてしまえば【26-27】で逆転を許してしまいますが、もしも止めることができれば【26-26】で残り時間わずかながらオフェンスができます。
「タッチダウン取られてしまえば逆転確定で、その後、逆転にはタッチダウンが必要」と「タッチダウンを取られてもトラポンを抑えればまだ同点で、最後のオフェンスは無理せずに引き分けでもOK」とでは相当状況が違います。
少し細かいでずが、図にするとこのようになります。
4点差から5点差になっても逆転されてしまえばどうされようと勝つためにはタッチダウンが必要であることに変わりがないことがわかると思います。
残り時間がそこそこある場合としましたが、相手のオフェンスで試合が終わりそうな残り1分間となっても状況は一緒です。
抑えれば勝ち、タッチダウンを取られてもトラポンを抑えれば同点というシチュエーションを作るためには「2ポイント・コンバージョン」が必要となります。
フラッグフットボールは5点差と6点差では大きな違いが出るので、試合終盤では要注意です。
・残り時間がそこそこあって、4点差で負けている
もう一つ要注意なのが、8点差と9点差です。
8点差であれば「2ポイント・コンバージョン」で同点に追いつく可能性が残りますが、9点差は追いつくためには2回の攻撃が要るので残り時間が少ないと即敗戦となります。
【20-30】から【26-30】と4点差まで追いついてきてのトライフォーポイントです。
このシチュエーションだと以下のようになります。
4点差を2点差にしておけば、相手に追加点を入れられたとしても最後に「2ポイント・コンバージョン」まで成功できれば同点へと持ち込むことができます。
4点差を3点差にしたところで、次に追加点を入れられてしまえば敗戦確実です。
ということで、TD取った後に勝っていても負けていても4点差の場合は「2ポイント・コンバージョン」のことは考えた方がいいです。
やるかやらないかについては残り時間との相談です。
残り時間が5分間ぐらい残っているようであれば、確実に1点を取りに行って流れや勢いを大事にするというのも手です。
他のシチュエーションについてはまた書きたいと思います。
ということで、「2ポイント・コンバージョン」についてでした。
Kyohei