Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回は目のトレーニングについて書きたいと思います。
突然ですが、下の写真は自分が高校のときに野球をやっていたときのものです。
イチローのルーティーン
これは言わずもがなイチローの真似です。
このイチローのルーティーンは有名でたくさんの野球選手が真似していると思うのですが、この動作でイチローは何をしているのかはご存知でしょうか。
目の準備運動
バットを回す動作はもともとは元中日の田尾選手の真似らしいですが、このバットを立てる動作は「目の準備運動」を行っているそうです。
この本のなかにこのようなことが書いてあります。
あの、バットを立てている時、実際は何を見ているのか。
あれは、スコアボードに出ている「イチロー」という自分の名前にバットを重ねて見ていたのだと言う。ただしこれは、日本の球場でプレーしていた時の話だ。つまり、打席に入った後、イチローの視線は、遠くのスコアボードを見て、それに重ねてバットを立てていたのである。
「あれは理屈にかなっているんですよ。彼は利き目が右目なんですね。だからあのボーズを取った時に、右目を使っているんです。右目が『主』で、左目が『従』になって、ものを見ているんです。『これから右目を使うぞ』という準備運動になっているんですね。人によっては、その場その場で利き目が変わってしまう人もいるんですよ。でも右目が『主』で記憶している身体運動を、左目主体でやろうとすると、できなくなるんです。動きがずれてくるんですね」と田村代表は言う。
この話のなかでポイントになってくるのが「利き目」です。
利き手や利き足と同じように目にもどちらをメインに使うかという癖があり、それによってパフォーマンスに大きく影響する可能性があります。
利き目は簡単に調べることができます。
一番手っ取り早いのがカメラのファインダーを覗く目が利き目です。
自分の場合は左目が利き目なのですが、疲れてくるのは必ず左目からです。手や足とは違ってどちらがメインで使っているのか意識しにくいので、その日のコンディションによって知らず知らずのうちに利き目ではないほうをメインで使ってしまっている可能性があります。
スポーツにおいて左目で見た映像と右目からと映像とのズレは致命的になります。
イチローは毎回同じ仕草で、同じ目の使い方を習慣化することで、利き目を固定することでパフォーマンスを安定させようとしています。
ピントの動き
また、この動作にはもう1つポイントがあります。
同じく本から抜粋すると、
もう一つ重要なのは、イチローが「遠くのスコアボード」を見てから「近くのバット」を見て、それから構えに入っている、ということろだ。
「人によっていろいろですが、一般には、視点を動かす時『近くから遠く』へ動かす方が、速く動かせる人が多いんです。『遠くから近く』に動かす方が遅い。つまり不得意なわけです。ですから、目の準備運動としては、最初に遠くを見ておいて、次に近くに持ってくる―不得意な方を先に一度やっておくことが、目の準備運動になるんですね。そして最後に(視点は)ピッチャーに行く。ここが大事ですね」
とあるように、ピントの動きもポイントになります。
この中に出てくる不得意な方「遠くから近く」のピントの動きがどんどんできなくなってくるのが老眼です。
すごく極端な例ですが、ずっとスマホとかで近く見てていきなり試合に入ると、うまく目が遠くを見ることに慣れていないために結果的に集中力を欠くということもありえます。
ビジュアルトレーニングとまではいかないまでも、フラッグフットボールやその他のスポーツをやるときに「利き目」と「ピントの動き」に意識してやるといいのではないかと思います。