Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回は、軽いタイトルをつけてみましたが、よくあまり馴れてないQBに「ちゃんとディフェンス見えてる?」なんて言うことありますが、見えているけど見えてないってあるあるだよね、という話を動画解説と一緒にしたいと思います。
そもそも見えているってどんな状態?
以前「相手を騙すこと」について書きましたが、視界に入っているだけでは認知しているとは言えません。
この記事内でも紹介していますが、白チームがいくつパスをしたかを数えているとその他の重大な情報を見落としてしまう可能性があります。
ちょっと余談になるのですが、ビブスなしでプレーするということは何をするにしても情報を認知する精度を高めないといけないので、処理スピードが極端に落ちてしまう可能性があります。
情報を認知するときには、どこに誰がいる、というだけではなく、どんなスピードなのか、どこに向かって走っているのか、どんな体勢なのか、ディフェンスとの位置関係はどうなのか、そういった様々なものをしっかりと把握しなければいけません。ただ見ているだけでは認知しているとは言えません。
Super BowlでのPayton Manningならではのインターセプト
第50回のスーパーボウルでマニングが勝ちましたが、彼自身のパフォーマンスが決して高いものではありませんでした。そのなかで印象に残ったのが、解説の方が「マニングならではのインターセプト」です。
Peyton Manning Interception Super Bowl 50 - YouTube
このプレーは「ゾーンブリッツ」といって、本来スクリメージラインを超えてQBにブリッツにいくプレーヤーが下がってゾーンカバーを行っています。
マニングはこのプレーヤーがブリッツしにくるからこのレシーバーがフリーになるものだと思って簡単に投げてしまっています。ディスガイズの一種なのですが、それに見事にハマってしまっています。
プレスナップリードと呼ばれる、スナップの前に相手ディフェンスがどう来るかを読みを正確に行うことでオフェンスを展開するマニングが、読み違えたことによって起きたインターセプトでした。
こういった視界に入っていて見えているつもりでも見ていないというのはQBは結構あるあるです。
フラッグでの自分のプレーを解説
たびたび記事を書いている枚方リンクス戦で、同じようなミスを自分もしていました。
シチュエーションは後半3回目のシリーズ、ファーストダウンまでの残り15ヤードの2ndダウンです。
心情的にはミドルパスを通して、3rdダウンでファーストダウンを取るのに有利なフィールドポジションを確保したいという狙いがありました。作戦はこんな感じです。
ノーラッシュだったのが少し想定違いだったのと、左にいるLBが中央にとどまったままというのがあまり考えていませんでした。
センターに一瞬引っ張られたのでそのまま行けるかなと思ったら、思いっきりディフェンスプレーヤーに向けて投げてしまいました。
まさかセンターをここまでフリーにするはずがない、と思い込んでいたのが間違いでしたが、QBが少し動いたことでセンターへのパスへの警戒を自ら緩め、中央への警戒を強めてしまったのかもしれません。
事前にしっかりノーブリッツを把握して、中央でボールを持って右を一度見ればLBがセンターのカバーに動いてくれてうまく通ったかもしれません。
これも見えていても見えていないかのようなプレーだと思います。こういったプレーを減らすことがQBにとって課題ではあるものの、短い時間でより正確に情報を認知することは難しいことなので、レシーバー陣は多少は許してあげてもいいのかな、と思います。
ということで、QBの認知ミスあるあるでした。