RED ZONE

RED ZONE

フラッグフットボールやアメフトについてあれこれ書きます。~武器はたゆまぬ K.U.F.U.~

フラッグフットボールの授業で何を教えるか

Sponsored Link

f:id:boekendorp:20180528223723j:plain

Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)

今回は久々の寄稿記事です。

 

寄稿者はKuriさんとチームメイトのTakuroさんです。自分やKuriさんとは違ってアメフト好きでのフラッグという感じではないので、違う視点で書いていただけると思います。

 

Written by Takuro.

Takuroです。学校の体育授業を勉強・研究しており、4月から茨城県つくば市にある、筑波大学という大学の院生になります。

 

f:id:boekendorp:20160324034119g:plain

 


週1くらいで練習するフラッグフットボールチームを作りたいと思っています。
筑波大学の学生さん、つくば市近郊に住んでいらっしゃる方、一緒にフラッグフットボールをプレイしませんか。


初心者も経験者も一緒にわいわいやれたらいいなと思っています。

連絡先はこちらです。

Mail:okutaku1993@gmail.com

 

以前、Kyoheiさんはフラッグフットボールが学習指導要領解説ではどのような立ち位置なのかを記事にされました。

 

今回はそのKyoheiさんの記事に少し補足をします。

qboekendorp.hatenablog.com

 

球技スポーツの分類

学習指導要領解説において、フラッグフットボールは「ゴール型(侵入系)」と呼ばれる球技の一つとして例示されています。

 

ちなみに、他にはネット型(ネット・壁系)とベースボール型(打球・フィーリング系)、ターゲット型(ターゲット系)が存在します。

 

ゴール型には、サッカー、バスケットボール、ハンドボール、タグラグビー、フラッグフットボールなどがあります。これらはすべてゴールにボールを入れる競技です。

 

タグラグビーやフラッグフットボールには物体としてのゴールはありませんが、ゴールゾーン全体をゴールと見立てると納得できると思います。ゴール型は攻守入り乱れ型と言われており、OFプレイヤーとDFプレイヤーがフィールド上に入り乱れることが特徴です。

 

f:id:boekendorp:20160324034119g:plain

引用:筑波大学 スポーツストリーミングシステム -フラッグフットボール-

 

指導要領は国が教育内容を示しているものです。学校の授業は指導要領に則って進める必要があります。

 

現在の指導要領では、サッカーをやりなさい、バスケットボールをやりなさいとは書いてありません。「ゴール型」を教えるなら、サッカーでも、タグラグビーでも、フラッグフットボールをやっても構いません。ただし、子どもがこのような動きができるような指導をしてください、という示し方です。

 

ゴール型でどのような動きを教えるのか

では、ゴール型で子どもにどのような動きを教えるのでしょうか。

指導要領では身につける動きが2つに分類されています。

 

・ボール操作

・ボールを持たないときの動き

 

ボール操作は、パスやシュートやドリブルなどの動きです。

ボールを持たないときの動きは、フリーの位置へのポジショニング、ゴール前への動き出し、ゴールを守るなどの動きです。


ボール操作が重要であるように思えますが、体育の授業ではボールを持たないときの動きの方が重要です。


なぜなら、ボールを持たないときの動きは、他のゴール型の競技を行った際にも学んだ動きが発揮できるためです。これを「転移」といいます。フラッグフットボールを学ぶことでバスケットボールが上手くなることもありますし、逆もまた真なりです。 

【バスケットボールにも転移する!?】「パスを受けることのできる位置へ移動する動き」はとても大事と昨日ご紹介しました。このようなボールを持たない動き方を習得していくにはどうしたらいいでしょうか。プレーが流動的なスポーツでは、...

フラッグフットボールさんの投稿 2015年6月25日

 

ここで、Kyoheiさんが体育授業でスナップは必要ない、とする説をさらに強化することができます。スナップを学んでも他に活かしづらい、つまり転移しづらいからです。

qboekendorp.hatenablog.com

 

フラッグフットボールの授業の意義 

フラッグフットボール界やアメフト界のために体育授業があるわけではありません。私も小学生からフラッグフットボールをやっており、フラッグフットボールは面白いスポーツだと思います。また、授業をきっかけに子どもたちがフラッグフットボールをプレイしてもらえたら、それは幸せなことでとても嬉しく思います。

 

しかし体育の授業は豊かなスポーツライフを送るための基礎を養う場であり、フラッグフットボールやアメフトを宣伝する場ではありません。フラッグフットボールの原型から離れたものになったとしても、ゴール型で身につける動きができるようになるための指導をすべきです。

 

もちろん、楕円形の物珍しさなどの「フットボールっぽさ」で興味を引き付けることを否定はしませんが、授業で教えることが「フットボールっぽさ」だけではだめということです。

 

以上、フラッグフットボールの授業で何を教えるか、でした。

Written by Takuro.