Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回はNFL FLAG大会規則が2016年度版から変更になった点について解説していきたいと思います。
参照元
2016年度のNFL FLAG大会規則は下記のホームページよりダウンロードすることができます。
大会ルール・用具規定|NFL FLAG|日本フラッグフットボール協会
下記は新旧対照表の直リンクです。
https://www.japanflag.org/nfl/pdf/nflrule_c_201604.pdf
変更点
今回はノーランニングゾーンについて2点変更がありました。
ハーフライン手前のノーランニングゾーンがなくなる
2015年度版では、
page2 フィールド
>8 各ゴールラインの手前とハーフラインの手前に5ヤードのノーランニングゾーンを設ける。
とありました。
2016年度版では、
>8 各ゴールラインの手前に5ヤードのノーランニングゾーンを設ける。
という記述に変更されています。
これによりハーフライン手前のノーランニングゾーンがなくなりました。
中学生の試合では、このノーランニングゾーンのせいでなかなかファーストダウンが取れずに試合を終えてしまうというケースが散見されたので、この変更でそれが少し解消されるかもしれません。
ゴールライン手前と違ってハーフライン手前はまだフィールドに奥行きがあって危険度がそこまで高くない、という判断だと思いますが、密集地帯に無理矢理ランプレーでファーストダウンを取りに行くのは変わらず危険ですので気をつけてください。
ボールキャリアは守備側選手を避ける義務があります。接触があった場合にはオフェンスが反則を取られる可能性が高いです。
ノーランニングゾーンでのプレーへの制限が変わる
2015年度版では、
page7 オフェンス
>6 ノーランニングゾーンでプレーが開始される時は、ランニングプレーを行ってはならない。
とありました。
2016年度版では、
page7 オフェンス
>6 ノーランニングゾーンでプレーが開始される時は、ボールを保持したまま、スクリメージラインを越えてはいけない。
という記述に変わりました。
これによって下記のようなプレーが出来なくなりました。
いままでは「ランプレーを行ってはならない」とあったので「パスプレー」を行えばOKでした。
「パスプレー」は「前方向にパスを投げるプレー」と定義されていたので、上図のようにパスターゲットがスクリメージラインの手前でも前方向にさえパスしていればパスプレーと見なされ、ノーランニングゾーンでプレーすることができました。
しかし、今回の変更によって「ボールを持ってスクリメージラインを越えてはならない」という記述になったので、スクリメージライン手前で前方向のパスをもらってもスクリメージラインを越えることができなくなりました。
仮にスクリメージライン手前で前方向のパスを受けてしまった場合、
1.ボールを持ってスクリメージラインを越える。
→ロスオブダウンで同じ地点から次の攻撃。
2.スクリメージライン手前でフラッグを取られる。サイドラインを踏む。
→ボールデッドになった地点から次の攻撃。
3.横や後ろ方向にパスを行う。
→プレーは続行され、ボールを落とせばその時点から次の攻撃。
ということになります。
まとめ
個人的にはハーフライン手前のノーランニングゾーンがなくなったのはプレー選択に大きな影響を与えると思います。
ハーフライン手前にノーランニングゾーンがあった場合には、なるべく「ハーフラインまで残り6ヤード」という状況を作ることを考えていました。ドロープレーなどの選択肢を残すことでファーストダウン後のフィールドポジションをよくしようと考えていました。
しかし、ハーフライン手前のノーランニングゾーンがなくなったことで、いきなり10ヤードぐらいのミドルパスを選択して、「ハーフラインまで2ヤード」といった状況を作っても特にデメリットはなくなりました。ファーストプレーの選択肢が広がって格段に攻めやすくなったと思います。
ノーランニングゾーンでのプレー制限については、あまり引っかかるプレーを持っていないのであまり影響ありませんが、トリックプレーがしにくくなったので正攻法やるしかないな、という感じでしょうか。他のチームは今回の変更をどう捉えているのか気になるところです。
ということで、2016年度版NFL FLAG大会規則についてでした。