Written by HOMMURA Kyohei. (@YouTube&@Twitter&@Facebook)
今回は2021年のNFLオフシーズンのWRマーケットについて書いていきたいと思います。
引用:Chicago Bears WR Allen Robinson II spent offseason becoming more dangerous downfield threat
参考ページ
今回の記事はPFFの特集があったので、それをもとに書いていきたいと思います。
注目のフリーエージェント
2021年オフのフリーエージェントの注目選手トップ50はこちらにリストアップされています。
WRはこのなかでも多くが上位にランクインしています。
注目選手を挙げていくと、次のような感じです。
- クリス・ゴッドウィン(Chris Godwin) / バッカニアーズ
- アレン・ロビンソン(Allen Robinson Ⅱ)/ ベアーズ
- ケニー・ゴラデイ(Kenny Golladay) / ライオンズ
- ウィル・フラー(Will Fuller Ⅴ) / テキサンズ
- ジュジュ・スミス・シェスター(Juju Smith-Schuster) / スティーラーズ
- コーリー・デービス(Corey Davis) / タイタンズ
- マービン・ジョーンズ(Marvin Jones) / ライオンズ
これにトップ50には入っていませんが、下記の選手もフリーエージェントです。
- TY ヒルトン(T.Y. Hilton) / コルツ
- AJ グリーン(A.J. Green) / ベンガルズ
- ラリー・フィッツジェラルド(Larry Fitzgerald) / カーディナルス
- サミー・ワトキンス(Sammy Watkins) / チーフス
- ブレッシャド・ペリマン(Breshad Perriman) / ジェッツ
- ケンドリック・ボーン(Kendrick Bourne) / 49ers
WRを必要としているチーム
上記の記事内ではパスレシーブのグレードが低いチームとして下記のチームが挙げられています。
- イーグルス
- レイダース
- スティーラーズ
- コルツ
- レイブンズ
イーグルスは明らかにWRだった感じは否めませんが、クレイプールなどのWRが活躍している印象があるスティーラーズが挙げられているのは少し意外です。パス偏重というだけで、試合を見ると意外とドロップがあるので、改善ポイントなのかもしれません。
各チームのオフシーズンのニーズについての記事を見てみると、レイブンズ、ライオンズ、セインツがワイドレシーバー・ニーズと書かれています。
契約動向
ここからは上記の選手のなかから何人かピックアップしていきます。
Chris Godwin
引用:Tampa Bay Buccaneers WR Chris Godwin has pins removed from finger
まず一番注目されているのはクリス・ゴッドウィンです。
昨シーズンは獲得ヤード1333y、9TDレシーブとトップクラスの成績を残しましたが、今シーズンは指の怪我もあって、そこまでトップパフォーマンスは発揮できていないように見えます。QBのトム・ブレイディ(Tom Brady)が2年契約でおそらく来シーズンがラストイヤーになることを考えると、再契約で残留してもらって、マイク・エバンス(Mike Evans)や、こちらも契約がどうなるかわかりませんがアントニオ・ブラウン(Antonio Brown)、TEのロブ・グロンコウスキ(Rob Gronkowski)らとしっかり準備をして勝負に臨めるのが一番かなと思います。
ただ、記事には再契約なら5年110Mドルと書かれています。さすがにここまでの大型はリスクが大きすぎると思うので、フランチャイズタグになると思います。
Allen Robinson Ⅱ
引用:Chicago Bears WR Allen Robinson II spent offseason becoming more dangerous downfield threat
アレン・ロビンソンは2年連続でパス獲得ヤード1000y以上を記録しており、安定した活躍を見せています。spotracに載っているマーケット・バリューは約20MドルでFAになるWRのなかでトップの数字になっています。
ベアーズは来シーズンのキャップは厳しく、QBのミッチェル・トゥルビスキーとの契約がどうなるかというのが優先事項になっている感もあります。ロビンソンはもっといいQBのいるチームでのプレーを望む気がします。記事ではドルフィンズが4年80Mドルの契約をするのではないかと予想されています。ゴッドウィンとは違って、こっちは納得感がある気がします。
Kenny Golladay
引用:Lions downplay Kenny Golladay injury but fantasy owners take notice
ライオンズはケニー・ゴラディ、マービン・ジョーンズ、ダニー・アメンドーラ(Danny Amendola)、モハメッド・サヌー(Mohamed Sanu)と多くのWRがFAになります。ただ、ゴラディ以外は30歳以上なので、ゴラディを最優先として、ジョーンズとどちらかを残すという感じになるんじゃないかなと思います。
正直、ライオンズのいまの立ち位置がどんな感じなのかわかりかねるので、自分にはよくわかりませんが、記事によると最もフランチャイズタグになりそうな選手のひとりらしいです。ジャイアンツへトレード移籍の噂もあったらしく、移籍するならジャイアンツと4年85Mドルと書かれています。
2018年、2019年と2年連続で1000yレシーブ以上を記録している優秀なレシーバーであり、年々NFL全体の契約額が高騰しているとは言え、現役WRトップ5の契約になるのかなというのは少し疑問です。
Juju Smith-Schuster
引用:JuJu Smith-Schuster doesn’t foresee any rust with the Steelers’ offense - Behind the Steel Curtain
今シーズンのスティーラーズは2年目のディオンテ・ジョンソン(Diontae Johnson)、1年目のチェイス・クレイプール(Chase Claypool)が台頭してきたこと、来シーズンのサラリーキャップが厳しいことを考えると、再契約とはならない気がします。
マーケット・バリューは15.5Mドルで、記事ではジェッツが4年68Mドルの契約が予想されています。一時期、テキサンズのJJワットとのトレードが噂されていたので、テキサンズが獲得に動いたらおもしろいかなとも思いますが、たぶんこの額だとキャップスペース的に無理ですね。
Will Fuller V
引用:How The Texans Will Move Forward Without Will Fuller and Bradley Roby - Battle Red Blog
トレードで移籍してしまったエースWRのデアンドレ・ホプキンス(DeAndre Hopkins)に代わってウィル・フラーがエースWRになると思っていましたが、そこそこの成績で、しかも薬物検査に引っかかって出場停止で、なかなか期待を裏切られました。
ドラフト1巡目指名権を出してまで獲得したWRのケニー・スティルス(Kenny Stills)をリリースしたことで、ウィル・フラーの契約延長もあるかなと思っていましたが、サスペンデッドになったことで可能性は低くなったのではないかなと思っています。とは言え、テキサンズの来シーズンはケケ・キューティー(Keke Coutee)を積極的に起用していくというのも微妙な気はしています。
記事ではパッカーズが5年87.5Mドルで契約するのではないかと書かれています。パッカーズはキャップスペースはテキサンズよりも厳しく、WRなら同じくFAになるアレン・ラザード(Allen Lazard)との再契約で事足りるように思います。もしかしたら物足りなさを感じているのかもしれませんが、怪我の多いWRをリスク負ってまで獲得するのはあんまり効果的じゃないような気がします。
T.Y. Hilton
引用:Colts’ T.Y. Hilton: ‘A healthy 13 is a different 13′ | Fox 59
今シーズンというか、ここ3年は怪我で欠場することもあってそこまでの成績は残せず、31歳ということで契約延長は厳しいかなと思っていました。ですが、ここ3試合で合計パス獲得ヤード300y、4TDレシーブと活躍したことでわからなくなった感があります。
コルツのキャップスペースはそこそこありますが、今シーズン終了後にはQBのジャコビー・ブリセット(Jacoby Brissett)、フィリップ・リバース(Phillip Rivers)、DEのジャスティン・ヒューストン(Justin Houston)、SFのマリク・フッカー(Malik Hooker)、CBのザビエル・ローズ(Xavier Rhodes)と多くの選手がFAになるので、かなり取捨選択に迫られると思います。
マーケット・バリューは11.6Mドルということなので、セインツのエマニュエル・サンダース(Emmanuel Sanders)と同程度の2年24Mドルぐらいで延長するんじゃないかと予想します。
契約がうまくいかず10Mドル/年ぐらいでテキサンズが獲得とかしたらおもしろそうです。ワトソンに声掛けにいったのが伏線になる、みたいなことないですかね。
A.J. Green
引用:Bengals news: A.J. Green and Dre Kirkpatrick downgraded to doubtful vs. Browns - Cincy Jungle
昨シーズンは怪我で全試合を欠場、移籍も噂されるなかで18Mドルのフランチャイズタグで残留するも今シーズンインターセプトを防ごうとしない、追わない動きを指摘されるなどあまりポジティブな要素が見当たらない印象です。
ベンガルズのWRには4年目のテイラー・ボイド(Tyler Boyd)、新人のティー・ヒギンズ(Tee Higgins)が活躍しているので、必ずしもAJグリーンが必要という感じではないと思いますが、マーケット・バリューは5.5Mドルとなっており、8Mドル/年ぐらいであれば新人QBのジョー・バロウ(Joe Burrow)にベテランWRが必要とチームが判断する可能性はある気がします。
終わりに
よく考えたらバッカニアーズのアントニオ・ブラウン(Antonio Brown)もFAになるみたいです。
32歳でふつうに考えたらパフォーマンスは下り坂の問題児をどこが獲るのか、さすがに今シーズンのように1.6Mドルということはないと思うので、そのあたりも注目したいと思います。
今後はQBなどの他のポジションのマーケットや新人選手などについても書いていきたいと思います。
ということで、2021年オフのWRマーケットについてでした。