Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回はブレイディのプレッシャースローについて書きたいと思います。
引用:Tom Brady Broke Another NFL Record for Patriots Against Bills
第52回スーパーボウル
2018年2月5日に行われた第52回スーパーボウルでは、トム・ブレイディ率いるペイトリオッツは負けてしまったのですが、ブレイディの個人スタッツを見てみると圧倒的な数字を残しています。
パス成功:28/48
パス獲得ヤード:505ヤード
TDパス:3
被インターセプト:0
パス獲得500ヤード以上で負けたのはスーパーボウル初どころかプレーオフ初だそうです。
そんなトップパフォーマンスを見せたトム・ブレイディのなかでも今回注目したいのは「プレッシャースロー」です。
用語として正しいのかどうかわかりませんが、一応プレッシャーが強く掛かった状況でパスを投げることのことを指しています。トム・ブレイディのプレーを見るときは、このプレッシャースローに毎回注目して見ています。
トム・ブレイディのフォーム
NFLのQBを見ていると、それぞれ様々なフォームで投げており、それがプレースタイルに反映されています。
ドロップバックについても1歩目が右足なのか左足なのか、という話を以前書きました。
フィリップ・リバースは比較的横から投げていますし、キャム・ニュートンはかなり後ろ重心で投げている気がします。マシュー・スタッフォードは状況によって横から投げたりと柔軟な印象です。
これらのQBからするとトム・ブレイディのフォームはかなりオーソドックスだと思います。
そのなかで特徴的であり、理想的だと自分が感じるのが足の使い方です。ドロップバックの1歩目の着き方が上手いというのは以前書きました。
そのあとドロップバックの右足の使い方がお手本にしたいです。ちょっと前重心で常に右足で前にトルクが加わるように動いているので、いつでも強いパスが投げられます。
また、投げる瞬間に左膝を伸ばすようにロックしているので壁ができ、スムースに投げるための力強い回転ができるようになっています。この動作一つひとつがどのQBよりも非常にスマートに見えます。
プレッシャースロー
そんなブレイディのフォームですが、プレッシャーを受けるとどうなるかというと、こんな感じになります。
どれも第52回スーパーボウルでのシーンです。
どうなっているかというと、普段は左膝を伸ばしてロックしているのを、プレッシャー受けたときは左足を引いて小さくジャンプしながらその場で回るように投げています。
フラッグフットボールでもそうなんですが、ラッシュにプレッシャーを受けてカラダを回せないときはつい腕だけで投げてしまいがちです。そうなるとスパイラルがうまく掛からなかったり、チカラが伝わらずにヘロヘロになってしまうことがあります。
トム・ブレイディのようにその場でくるっと回って投げることができれば、カラダ全身で投げることができるので比較的強いパスを投げることができますし、踏ん張って投げない分リリースを早くすることができます。
イメージとしては、普段は左足を中心に回転していて、プレッシャースローのときには右足を中心にする感じでしょうか。
フラッグフットボールのQBはプレッシャーを受けずに投げることはほぼないので、うまく感覚が掴むことができれば一気にパフォーマンスを向上させることができると思います。
ということで、トム・ブレイディのプレッシャースローについてでした。