Written by HOMMURA Kyohei. (@YouTube&@Twitter&@Facebook)
今回は回転を掛けずに投げる「デッドボールスナップ」について書きたいと思います。
コーチング動画
今回はこの動画について解説します。
風が強く、声が聞き取りにくくてすみません。
参考動画
今回、回転を掛けずに投げるスナップを知ったキッカケになったのは下の動画です。
OLのことについていろいろと動画をアップされている方で、参考にさせていただきました。
回転を掛けずに投げるスナップというのはよく知らなかったのですが、言われてみればカレッジフットボールでピストルフォーメーションなどの短めのショットガンのときによくやっていることに気がつきました。もしかしたら、こっちのほうがQBやセンターにとっていいのかもしれないと思い、自分で練習して動画を撮影しました。
Dead Ball Snap
「デッドボールスナップ」というのは同じようにスナップについて解説している動画がないかと思いYouTubeを探していたら出てきました。
回転を掛けずに投げるスナップのことを本当に「デッドボールスナップ(Dead Ball Snap)」と呼ぶのか正確なことはわかりませんが、とりあえず名前をつけないと使いづらいので勝手にそういうことにして進めていきたいと思います。
ポイント
動画のなかでも説明していますが、デッドボールスナップをやるためのポイントを挙げていきます。
回転をかけない
普通のロングスナップはパスを投げるとの同じようにスパイラルを掛けて投げます。そうすることで距離が長くなっても軌道が安定し、QBがキャッチしやすくなります。
一方、デッドボールスナップでは回転を掛けません。スパイラルもなければ、縦回転、横回転もありません。回転がないことでQBはキャッチしやすくなります。軌道としてはラグビーの横パスに似ているかもしれません。
ボールの握り方
では、どのようにして回転を掛けないのか。
まずは、ボールの握り方です。通常のスナップはボールの先端を持ち、手首側にレースがくるように握ります。
一方、デッドボールスナップでは反対にボールの末端を持ち、指先側にレースがくるようにします。レースを挟んで親指と人差し指で握るイメージです。ボールの大きさや手の大きさによっては人差し指と中指の間において手の平全体で握るやり方でもいいと思います。
地面につける角度
ボールの握る位置が通常のスナップと反対なので、ボールを地面につける角度も反対になります。
引用:How the "dead snap" is revolutionizing the quarterback-center exchange
引用:https://m.lagrangenews.com/2015/11/04/lagrange-linemen-paving-the-way/
通常のスナップはボールの末端が地面につくのに対して、デッドボールスナップでは先端が地面につきます。下は通常のスナップです。
引用:Coach Speak: Center Snap - YouTube
手首を使わない
スナップをするときは手首を使わずに、そのままQB側に押し込むイメージで投げます。手首を使ったり、指を引っかけたりすると回転が掛かりやすくなってしまいます。
手首を使わずに押し込むように投げるためには通常よりもカラダがボールに近づけた方がやりやすいと思います。ボールとカラダの距離が遠くなるとスナップ動作の弧が大きくなってしまうため不安定になります。
NFL FLAGの場合、センターは足がスクリメージラインを出ていなければ大丈夫なので、ボールの真上に顔があるぐらいでもいいかもしれません。
メリット
デッドボールスナップを採用するメリットはいくつか考えられます。
比較的簡単
まず、比較的簡単に習得できるということです。スナップでスパイラルを掛けるのはなかなか難しく、QBで上から投げればスナップを投げられる自分もスナップではスパイラルは掛けることができません。
恐らく体勢的に無理があるので、スパイラルを掛ける動作にごまかしが利かないのだと思います。
一方、デッドボールスナップはそこまで特別なスキルを必要としてない気がします。一度感覚さえ掴めば安定してできると思います。
ホームランしにくい
スナップがQBを越えてしまう所謂「ホームラン」がなりにくいです。
動画でも説明していますが、思いっきり投げても勢いが出にくいので滅多にQBを越えてしまうようなスナップにはなりません。また、短めのスナップでも使えるので汎用性も高いように思います。
QBが捕りやすい
回転が掛かっておらず、そこまでスピードのあるスナップが来るわけではないのでQBとしては捕りやすく、安心してパスに集中できます。
また、ボールが空中にあるときにレースを見ることができるので、素早く指をレースに掛けることが可能です。
デメリット
メリットもある一方でデメリットもあります。
グラウンドコンディションに要注意
投げ方としてグラウンドコンディションに左右される可能性があるので、気をつけてスナップする必要があります。
また、雨でボールが滑りやすくなっていると通常のスナップよりも影響がでる気がします。
風に弱い
ボールが空中にあるときに回転が掛かっていないので、風が強いときにはモロに影響がでてしまいます。
野球のナックルのような状態になるので、風が強い日は避けた方が無難です。
握力を消費する
今回の動画で見本になるようにデッドボールスナップを何度もやりましたが、回数をこなしていくと握力がキツくなっていきました。
試合のようにある程度インターバルを空いた状況であれば特に問題ないかもしれませんが、それでも繰り返しやっていると影響が出てしまうかもしれません。フラッグフットボールだとセンターであってもパスキャッチをするので、この点は結構気をつけなければいけないかもしれません。
また、手が小さいとなかなか片手でボールを握って、というのは難しいかもしれません。今度は両手でうまくできる方法がないか考えたいと思っています。
スナップの伸びしろ
もし自分のチームのQBがラッシュに苦しんでいるようであればアサイメントによってそれを軽減させることはできますが、もしかしたらスナップに原因があるかもしれません。
QBがしっくりくるところでボールを渡せていなかったり、レースがうまく握れないような渡し方をしていたり、ロングスナップが不安定でスムースに次の動作に以降できていなかったり、とスナップにも伸びしろがあるかもしれません。
もしロングスナップに伸びしろを感じているようでしたら今回の「デッドボールスナップ」を試して、練習して、実践してみることをオススメします。
ということで、デッドボールスナップについてでした。