Written by HOMMURA Kyohei. (@YouTube&@Twitter&@Facebook)
今回は試合に勝つためのゲームプランの考え方について書きたいと思います。
ゲームプラン
「ゲームプラン」というのは試合を大きく捉えてどのように進めていくのか、という戦術戦略のことです。
ざっくり言うなら「インターセプトは覚悟の上で攻めていってハイスコアゲームで勝つ」とか「しっかり守ってロースコアゲームで勝つ」とかそんな感じです。
ここではもう少し詳しくゲームプランをどのように考えていくかについて書いていきます。
ゲームプランの必要性
まずは、そもそもなぜゲームプランが必要なのかについてです。
「できるだけたくさんタッチダウンを取りにいって、できるだけタッチダウンを取らせないようにする」という考え方でもいいと言えばいいですが、タッチダウン取りにいくにも、タッチダウンを防ぎにいくにもリスクがあります。
特にハーフラインの手前、ファーストダウン獲得前のシチュエーションにおいてはそれが大きくなります。
ハーフラインまでそこそこの距離があるなかで無理矢理ファーストダウン、あるいは一気にタッチダウンを取りにいこうとすれば、どうしてもインターセプトの危険性が高まります。このシチュエーションでインターセプトされ、リターンがあれば相手のオフェンスはエンドゾーンに近いところからはじまります。
最悪、そのまま自陣エンドゾーンまでリターンされてインターセプトリターンタッチダウンを決められる可能性もあります。
そうなると、自身のタッチダウンを獲得する機会を損失しただけではなく、相手のタッチダウンになってしまったので「マイナス14点プレー」と言っても過言ではありません。
そういったことにならないように、インターセプトはないけどファーストダウンを獲得する可能性もあまりないプレーを選択するのもありです。
単純にファーストダウンを獲得できずに攻守交代となれば、自身のタッチダウンの機会損失で「マイナス7点プレー」かもしれませんが、「マイナス14点プレー」を回避したと考えれば実質「プラス7点プレー」という捉え方もできます。
ただ、そんなプレーを続けたところで得点はゼロなので、勝つことはできません。
なので、試合のなかで状況を考えながら、リスクを負ってでもタッチダウンを取りにいくのと、リスクを回避してインターセプトだけは避けるのとを判断していきます。
ハイスコアゲームで攻め勝つということであれば前者の割合が大きくなりますし、ロースコアゲームで守り勝つということであれば後者の割合が大きくなります。
どちらか一方だけを選択し続けるというのは愚策のように思います。
例えば、2ポゼッション差(12点とか)で後半残り2分という状況、勝っているチームは無理して攻めにいってインターセプトリターンタッチダウンされて1発逆転の可能性を残してしまうのは明らかに損です。反対に負けているチームであればインターセプトされればほぼ負けですが、タッチダウンを取らなくても負けであることには変わりないので、インターセプトのリスクを負ってでもタッチダウンを取りにいくのがいいように思います。
こういったフィールドポジションや相手チームとの点差、試合の残り時間なども含めてどのように試合を進めていくのかということを事前に組み立てつつ、その時々の展開によって修正しつつ、試合を進めていくのが「ゲームプラン」です。
ゲームプランを立てる上で
まず考えたいのは自チームと敵チームのストロングポイント、ウィークポイント、特徴、キープレーヤーなどについてです。
ストロングポイント、ウィークポイントというと難しく聞こえますが、何が得意なのか、何が苦手なのか、ということです。例えば、オフェンスとディフェンスどちらが得意なのか、背の高いレシーバーがいるとか、サックを量産するラッシャーがいるとか、そんな感じです。
自分の場合であれば、QBとしてスロースターターで後半アジャストしていくのが得意とか、サックやインターセプトが少ないとか、ショートパスが多くて自分で走るプレーは少ないとか、体力がないとか、そんな感じです。チームとしては、ラッシャーが速くてインターセプトを多く奪えるとか、練習してないから試合のなかでいろいろ慣れていくとか、サイドラインが少ないとかでしょうか。
こういったチームの特徴を踏まえた上で、どのように勝つのかを考えます。
ナイナーズであれば、ロースコアゲームで守り勝とうということになります。ただ、相手チームの特徴とのかみ合わせも考えなければいけません。
自分たちよりもディフェンスな強力なチームだったり、止めようのないオフェンスがあるチームであればストロングポイントは相対的にストロングポイントではなくなるので、違うところに活路を見出さなくてはいけなくなります。その結果、リスクを負ってタッチダウンを狙って先制逃げ切りを目指すというゲームプランになることも考えられます。
ただただ闇雲に攻めて、守ってとやっていても格上の相手に勝つのは難しいので、「勝てるとしたらどんな試合展開なのか」というのを考えなければジャイアントキリングを起こすことはできません。
先攻後攻選択
いよいよ試合に入っていきます。セレモニーでの先攻後攻選択についての考え方です。
キャプテン同士でジャンケンして勝った方が、先攻か後攻かを選ぶことができますが、だいたいのチームが先攻を選ぶ印象です。他のチームがどのようなゲームプランで先攻を選ばれているのかわかりませんが、自分はキャプテンに頼んでほとんどのケースにおいて後攻を選んでもらうようにしています。
これは後半にオフェンスの数を増やしたいからです。実際にはそんな単純なことではないですが、オフェンスは両チーム順番にやるので先攻チームは前半が、後攻チームは後半がオフェンスの数が多くなる可能性が高くなります。
相手ディフェンスの情報が少ない前半のオフェンスと、相手チームの情報を多くもっていて何点とればいいのか状況がはっきりしている後半のオフェンス、どちらの機会が多い方がいいかと考えると個人的には後者を選ぶのが自然ではないかと思っています。後半オフェンスからはじまるのであれば、前半ビハインドでもそこまで焦らずに試合を進めることができると思っています
もちろんひっくり返せばディフェンスも同じように言えるので、あくまでオフェンスを重視した場合ということになります。
ただ、負け癖がついてて先攻されるとそのままズルズルいってしまうとか、後半のアジャスト勝負になると厳しいので先制して逃げ切りを図りたいというゲームプランがあるのであれば先攻を選択するのもいいと思います。
ちなみに、フィールド選択についてはあまりどっちが有利とかないとは思いますが、QBからレシーバーの方向に光が射しているとまぶしくてキャッチしにくいのでその向きでのオフェンスが少ないように選択するようにしています。
後攻であれば。前半はキャッチしにくいQBからレシーバーに日が射す攻撃方向になるようにフィールドを選択します。勝負をかけたいオフェンスのときに一番いいコンディションになることを考えます。もちろん時間経過で変わるので、後半になってもまぶしくなるような天気なのかというのも考慮します。
時間帯の考え方
ここからは試合中、時間帯によってどのようなことを考えながらゲームプランを立てて、修正していくのかということについてです。
時間帯についての考え方ですが、自分はざっくり7つに分けられるのではないかと思っています。
- 前半開始から2〜3分(それぞれ2シリーズぐらい)
- 前半ウォータータイムアウトまで
- 前半ウォータータイムアウトから前半終了残り2〜3分まで
- 前半終了残り2〜3分
- 後半開始から2〜3分(それぞれ2シリーズぐらい)
- 後半残り2〜3分まで
- 後半残り2〜3分
前半は4分割、後半は3分割しています。
NFL FLAG南関東大会のレギュレーションだと前後半それぞれ15分、7分から8分あたりにウォータータイムアウトが入ります。
単純に時間で割ってもいいのですが、ウォータータイムアウトが入ると否応なしに一旦試合が小休止するので流れや勢いがリセットする場合があります。なので、自然とそのタイミングが戦略の切り替えになります。
また、ウォータータイムアウト以上にハーフタイムは試合の大きな転機になります。
相手チームがオフェンスとディフェンスのメンバーを全員入れ替えしている場合は少し事情が違いますが、基本的にハーフタイムではじめて落ち着いてハドルして前半でやられたプレーの修正が入るからです。なので、同じプレーを相手チームが同じように反応するとは限りません。
オフェンスにおけるインターセプトのリスクが高くなるので、戦略やプレーコールの仕方も変わります。
ここからは各時間帯について自分が考えていることを書いていきます。
前半開始から2〜3分
2〜3分と書きましたが、感覚的にそれぞれのチームが2シリーズぐらいやったぐらいの時間のイメージです。
この時間帯で何を考えるかというと、相手チームと自チームの情報収集と試合展開の予想です。
相手チームについてはビデオ見ておいたり、過去の対戦の印象などでだいたいどんなチームなのかというのは把握していますが、新戦力がいれば話は一気に変わってきます。
自分が思っているような相手チームなのか、それともなにか相違点があるのか、自分の思い込みはないかを確認します。
ざっくりとしたチェック項目はこんな感じでしょうか。
・どんなディフェンスを敷いてくるのか
→ファーストダウン前と後で変わるのか、ゴール前やトライフォーポイントで変わるのか
→変則的なフォーメーション(ドラゴンフライ、トリップスなど)にどのような対応をするのか
→マンツーマンディフェンスの可能性はあるのか
→ディスガイズの可能性はあるのか
・ラッシャーの動きはどんな動きをするのか
→スピードは速いのか、角度は変えてくるのか
→ハンドオフやランプレーに反応するのかどうか
→サックを狙ってくるのか、ブロックを狙ってくるのか
→スローフェイクでジャンプしてくれるか
→ノーラッシュの可能性はあるのか
・それ以外のディフェンスプレーヤーはどんな動きをするのか
→LBはハンドオフやランプレーに反応するのか
→DBはどのくらいの深さでセットするのか
→ディフラッグへの集まりは早いのか
細かく挙げていくとキリがないですが、こんな感じのことをなんとなく把握していきます。
自チームについても、誰が調子いいのか悪いのか、イメージ通りのコースを走ってくれるのか、体力的に万全なのか、などを把握します。
これらのことがちゃんと把握できていないと勝負所でリスクを負ってタッチダウンを取りにいくことができないので、できるだけリスクを負わずに情報収集していきます。自分の場合、ハイスコアゲームにするつもりはほとんどないですし、そもそもスロースターターなのでタッチダウン取れなくても後々攻めるための情報収集ができればOKだと考えています。
ただ、ここでゲームプランの変更を余儀なくされる場合があります。
2シリーズすればこちらのオフェンスがどの程度攻めることができるのか、ディフェンスはどの程度守ることができるのかというのが見えてきます。
いくら後半勝負で前半はリスクを冒さなくていいと考えていても、この2シリーズでこちらのディフェンスが簡単にタッチダウンを取られてしまう、もしくは今後そのような展開が予想されるようであればゲームプランを変更しなければいけません。
我慢できる最大限のポイントが2ポゼッションということと、情報収集のために必要な時間ということで、最初の区切るポイントをそれぞれ2シリーズずつの時間帯ということにしました。
実際には厳密に区切っているわけではなく、イメージとしてです。
ちなみに、この時間帯では後ろを向いたハンドオフなどのプレーコールはしないようにしています。筑波エクスプレスと一緒に試合をしたときに直接アドバイスさせていただいたのですが、後ろ向きでハンドオフフェイクして振り向きざまに投げるようなプレーだとその過程での相手の反応や動きがさっぱりわからなくなってしまいます。
ハンドオフは後ろ向きにしたほうが相手から見づらく効果的ですが、序盤にそのようなプレーをすると肝心の情報収集ができなくなってしまいます。
なので、序盤でハンドオフをするときは前で相手ディフェンスの様子を見ながらするようにしています。
また、必ずしもそのランプレーでゲインしてファーストダウン、あるいはタッチダウンを獲得しなければいけないとも限らないので、ディフェンスの反応や様子を確認しておきたいと思えば、全くゲインできないだろうとわかっていても、オプションからランプレーを選ぶこともあります。
相手ディフェンスがランを止めに強く反応するようであれば、どこかのタイミングでランプレーフェイクのパスをすれば大きくゲインできるだろうなというのを考えておきます。
序盤は情報がないだけにコール負けのケースもあると思います。そんなときにどんなことを考えるかというのは下記の記事に書きました。
前半ウォータータイムアウトまで
この時間帯については、それまでの情報収集をもとにタッチダウンを取りにいきます。
もっと勝負を後延ばしにすることもありかもしれませんが、いくら守り勝つつもりでも試合の4分の1を終えた時点で無得点だとディフェンスにプレッシャーがかかるからです。ビハインドでも焦らずに守ってくれればいいのですが、オフェンスが無得点ということで焦ってインターセプトなどを狙いにいって不用意にタッチダウンを奪われてしまっては本末転倒です。
なので、うまくここでタッチダウンが奪えるように攻めます。
ただ、気をつけたいのがこちらの得意なプレー、あるいは相手との兼ね合いで大きくゲインできそうなプレーを使いすぎないことです。
タッチダウンを取るためにここで得意なプレーを連発してしまうとその後、ウォータータイムアウトやハーフタイムでのハドルでアジャストされてさっぱりゲインできなくなってしまう可能性があるからです。なので、ほどほどにしつつタッチダウン取りにいきます。めちゃくちゃ抽象的でわかりにくいですが。
前半ウォータータイムアウトから前半終了残り2〜3分まで
前半のこの時間帯が頑張りどころであり、勝負所だと思っています。
ウォータータイムアウトが過ぎたのでハーフタイムで修正される可能性はあるのの、攻めにいけるタイミングです。
負けていて後半勝負するには分が悪いと思えばリスクを負ってでもタッチダウンを取りにいかなければいけないですし、勝っていて後半も大丈夫だと思えばここで一気に差をつけて後半を省エネで戦う選択肢もあります。もし失敗してインターセプトして差が縮まっても後半で全然修正が利きます。
この時間帯で意識するのは、前半をどんな感じで終わらせたいかということです。
その判断材料として先攻後攻というのが重要になります。後攻であれば後半で先にオフェンスできるのでもうざっくりと「同点ならほぼリードしている状況と一緒」という捉え方もできます。先攻でビハインドであれば後半が相当厳しくなるから無理してでも攻めなくてはいけない、となるかもしれません。
後半どんな感じになるのかというのを踏まえた上で前半どうなるといいのかというのを考えて攻めます。
仮にここで責めていってインターセプトを食らって、結果的に大差で負けてしまったとします。そういったときは、点差は小さくなってもここで責めなければ勝つ可能性はないので、リスク回避してもそれは無駄に延命しているだけと自分なら捉えます。
むしろ、後から振り返ってみると、「後半劣勢になってどうにもならなくなってしまったから、本当は前半でしっかり勝負しにいかなければいけなかった」と反省することが多いです。なので、ここでの後半の展開予想を踏まえた状況判断というのは非常に重要だと思います。
前半終了残り2〜3分
この時間帯ではその前の状況判断とそれを踏まえた上での結果を考えて、思い切って攻めにいくのか、何事もなく終わらせるのか、のだいたい2択だと思います。
それまでの時間帯でうまくいっていなければオフェンスもディフェンスも攻めていかないといけないですし、ゲームプラン通りであればランプレーなどを使いつつインターセプトを避けて時間を消費させて前半を終わらせます。
気をつけたいのが、前半最後にビッグプレーがでると後半の流れが一気に変わる可能性があることです。
リードしているときにインターセプト・リターン・タッチダウンやQBサックでのセーフティ、ロングパスでのタッチダウンを奪われるなどがあるとハーフタイムを気持ちよく過ごせないので、それだけはないようにします。
逆にリードが奪われている場合はそれらのプレーを狙っていきます。
あとは、タイムアウトをここで使うのかどうか考えます。NFL FLAGではタイムアウトは前後半通じて2回しかないので、前半で使ってしまうと後半の最終盤になったときに1回しか使えないことになります。そうなるとかなり厳しいようにも思えますが、そもそもそれは終盤まで試合がもつれてしまった場合の話なので、前半でタイムアウトの使いどころを逃してズルズルやられて、後半も差を詰められずに終わっていくことになれば完全に判断ミスになります。
例えば、「7点ビハインド、先攻、残り1分でファーストダウン獲得」という状況であればタイムアウト1回使って前半のうちに同点にしておこうという戦略も考えられます。前半の最後にしっかりと決めることができれば気持ちよくハーフタイムを迎えられます。
後半開始から2〜3分
この時間帯についてはいろいろなやり方があると思います。
流れが来ていると思えば一気に攻めていってもいいですし、リードして慎重に試合を進めたいと思えば前半同様に情報収集をするのもありです。特にハーフタイムを歴て相手ディフェンスは修正をしているはずなので、どのようにアジャストしてくるのかというのを確認するのは重要になります。
むしろ、ハーフタイムに修正しているのにそれに気がつかずに終盤に温存しておいていざ使ってみたらアジャストされて全然ゲインできず、勝負所を逃すというパターンもあるので、前半にたくさん使ってゲインできたプレーがあるのであれば先に使っておいてまだ通用するのかどうかというのを確認しておいたほうがいいです。
もし「後攻なので前半は同点、あるいは7点ビハインドでOK」としたのであれば、ここでタッチダウンを奪わないと後攻であるアドバンテージが無駄になってしまいます。なので、積極的に攻めていきます。もちろん相手のアジャストには細心の注意を払います。
このとき相手に「前半と同じようなパターンの攻めだから大丈夫」と思われてしまうと余裕を持ってディフェンスされてしまうので、相手ディフェンスを攻略するためにいろいろと変えてきたと思わせるようなオフェンスを展開したいです。そうなると追いつかれてしまうかもしれない、逆転されてしまうかもしれないという思わせることができれば、焦りからの隙というのが生まれると思います。
逆に、同じような攻めだから大丈夫、と油断させておいてということもありです。
後半残り2〜3分まで
前半はウォータータイムアウトで区切りましたが、後半については特に区切りません。
この時間帯になれば試合の大勢というか何をしたらいいかというのは明確になっているのが多く、前半のように情報収集とか得意プレーを使いすぎないとか言っている場合ではないからです。負けていて攻めなければいけないのであれば全力で攻める、リードしているのであればとにかくインターセプトだけは避ける、といったことになると思います。
この時間帯で攻めにいくときに意識することは、ここまでやっていないプレーをやってみるということです。
序盤に情報収集としていろいろなプレーを試してみることをしていますが、網羅的にやっているわけではなく、最初からこれはダメだろうなと思い込んでやっていないプレーがあったりします。もし劣勢で手詰まりだと感じているときにそういったプレーをしてみると、ダメだと思っていたのは見当違いで案外使える可能性もあります。
仮に負けてしまってもどのプレーもトライしてみて、その結果ダメだったと思えれば悔いは比較的残りません。
なんとなく抜けがちなのが、内側にいるレシーバーやセンターが縦に走るパターンとか、左右どちらかにロールして投げるパターンとか、レシーバーがダブルムーブを使うパターンとかでしょうか。
右ストロングを左ストロングにしたり、レシーバーの内側と外側を入れ替えてやってみたりすると案外スムースに進むことがあります。
後半残り2〜3分
この時間帯になると考えることは限られます。負けていれば攻める、勝っていれば時間を使う、ぐらいです。
考慮することとしたらタイムアウトのタイミングです。
負けているようであれば時間が経過しないようにタイムアウトを使うわけですが、なるべく攻守交代のときに取ります。これは単純に攻守交代のときの審判が一番時間がかかるからです。もちろん相手オフェンスが15秒ギリギリまで待ってからプレーされるのは嫌ですが、それ以上に審判の準備待ちになるのを避けたいです。
空気を読んでいろいろと急いでくれる審判もいます。ですが、個人的に、そういうときだけ急ぐ、急がせるというのは不公平感がありますし、ミスジャッジの原因となりかねないので試合を通じて同じぐらいのスピードでやったほうがいいと考えています。
なので、審判は急いでくれないという前提のもとタイムアウトを使うタイミングを考えたほうがいいと思っています。様子を観察しながら急いでくれる審判だとわかればまた別の判断をするかもしれません。
勝っている場合においても、タイムアウトを使うことは考えておきます。
例えば、これを決めることができればほぼ逆転される可能性がないと思われるときとか、ディフェンスしてなんとなく流れが悪そうなときとか、疲れていて集中力が低下しているときとか、相手オフェンスがそれまでに見せたことのないフォーメーションなどしてきたときとか、です。
オフェンスでタイムアウトを取るのであればセットして14秒まで待ってから、ディフェンスであればスナップする直前に取ります。なるべく時間を経過させたいからというのと、プレーが開始されると相手チームに思わせてからタイムアウトを取ることで多少の集中力を削ぎたいからです。「ここでタッチダウンすれば勝ち」と気合い入れてセットしていざプレーがはじまるというときにタイムアウト取れると何となく嫌な感じがすると思います。
よくNFLでフィールドゴールの直前にディフェンスチームがタイムアウト取りますが、似た感じで相手オフェンスがタイムアウト取ってきたら、それに重ねて解除後にタイムアウト取るのも有効かもしれません。
人によっては嫌がらせの範疇だと思われるかもしれませんが、ルールの上で勝つために全力を尽くすのもスポーツマンシップであると思っているので持っている権利は最大限に有効活用するというのも一つの考え方かなと思っています。
まとめ
以上が自分が考えているゲームプランと時間帯別において意識していることです。
冒頭にも書きましたが、基本的にディフェンス偏重のチームという前提として考えているので、それぞれのチーム状況によっていろいろと違うと思います。
ただ、自分がなかなか勝ちきれないチームの試合を見ていると、そのときそのときのプレーに注力しすぎていて試合全体をどうやって進めていくのかという視点が見えてこないように思います。おそらく試合経験が少なかったり、勝ち試合があまりないので先の展開が見えていないのではないかなと。
なので、よければ少しでも自分が考えていることを参考にしていただき、ゲームプランを念頭において試合に臨んでいただければと思っています。
ちなみに、自分はゲームプランをあまり考える必要のない試合がすごく苦手です。練習試合とかだと勝敗はどうでもいいので基本的には目一杯攻めるという方針になりますし、練習試合で情報収集してもしょうがないだろって感じになるので、プレー方針がうまく明確にできずに不用意なインターセプトを連発してしまいます。
いろいろ前置きがないとプレーできないというのは弱点なのかもしれませんが、それだけゲームプランありきでプレーしています。
めちゃくちゃ長い記事になりましたが、参考にしてもらえればうれしいです。
ということで、ゲームプランについてでした。