Written by HOMMURA Kyohei. (@YouTube&@Twitter&@Facebook)
今回は前回に引き続きNFLのスタッツをもとにしたレーダーチャートを分析していきたいと思います。
AFC編
前回はAFCについては分析とプレーオフ進出チームを予想しました。リンク先をご参照ください。
スタッツと勝敗について
レーダーチャートを作ったスタッツについてはWeek13終了時のものを使用しており、Week14の試合は反映されていません。
ただ、既にWeek14の試合が消化してしまったので、各地区の勝敗や順位などについてはWeek14の結果を反映したもので書いていきます。
NFC EAST
この地区はカウボーイズ、イーグルスと比較的上位にくると予想されたチームが大きく負け越しており、ワシントン、ジャイアンツが負け越しながらも地区優勝を争っているという感じです。
Washington Football Team
昨年から先発QBに据えていたドウェイン・ハスキンズ(Dwayne Haskins Jr.)がHCからの信頼を失い、控えに降格、代わって入ったカイル・アレン(Kyle Allen)が負傷離脱で、まさかのアレックス・スミス(Alex Smith)が大怪我からの復活出場しています。
オフェンスのスタッツはリーグ平均以下、地区平均よりも少しいいぐらいで、ランオフェンスだけ平均以上となっています。パスオフェンスはパスプロが弱いのでかなり厳しく、ランオフェンスはアレックス・スミスのプレースタイルと噛み合って序盤より向上しているように見えます。
ディフェンスはリーグ平均以上で、レッドゾーンの強さだけではなく、ファーストダウンの取られなさも高いスタッツになっています。EPAはそれほどでもないですが、DLが強いので勝負強いというのが特徴と言えるかもしれません。
スペシャルチームはリターンに少しウィークポイントがあるように見えます。ディフェンスでうまく勝っていくチームにおいてスペシャルチームはかなり重要になるので、地区優勝するためにはもう少し奮起が必要かもしれません。
個人的に注目している選手はもちろんアレックス・スミスですが、それ以外だとTEのローガン・トーマス(Logan Thomas)です。Week1の試合を見たときに非常にいい動きをしていたのが印象に残っていて、YouTubeでも注目の選手に挙げています。QB出身の選手なので、起死回生のスペシャルプレーなどにも期待しています。
引用:Logan Thomas: a sneaky great Week 11 start - Fantasy Columns
New York Giants
ジャイアンツは初戦でエースRBのセイクオン・バークリー(Saquon Barkley)が負傷離脱の影響もあって開幕5連敗ながら4連勝で地区優勝が見えている位置につけています。しかし、オフェンスのスタッツはどれもリーグ平均を大きく下回っており、低迷する地区の平均とほぼ同じぐらいになっています。Week13にはQBのダニエル・ジョーンズ(Daniel Jones)が負傷欠場しているのが気がかりです。
ディフェンスはバランスよくほぼリーグ平均以上のスタッツになっています。ローガン・ライアン(Logan Ryan)がCBながら3個のファンブルフォースを記録しています。ワシントンと比較しても全体的に上回っている感じなので、地区優勝に向けてディフェンスはアドバンテージになるかもしれません。
スペシャルチームはFGの成功率が高く、パントでのIN 20が多くなっています。他のスタッツも悪くないのでオフェンスをうまくカバーできるような働きが期待できそうです。
注目選手は、エバン・エングラム(Evan Engram)です。2017年に1巡目全体23位で指名され、40yを4.42秒で走るWR並のスピードを持ったレシービングTEなんですが、そこそこ活躍はするけど勝負弱いというか、なんだかパッとしない感じという印象を持っています。なので、今後ここ一番での活躍が見たいです。
Philadelphia Eagles
スタッツでわかる通りかなりのサック率になっています。先発QBのカーソン・ウェンツ(Carson Wentz)のサック数はリーグ1位の50個で2位に10個差もつけています。ウェンツは強いOLのもとでこそ力を発揮できるポケットパッサーだと思うので、これは戦いようがないかなという感じです。Week14では新人QBのジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)が先発に回り、今後を見据える起用になっています。
ディフェンスはTakeawaysとレッドゾーンのスタッツが低いですが、それ以外は悪くない数字になっています。オフェンスがあまりよくないので、ディフェンスでモメンタムを掴んでいきたいところですが、インターセプトを複数回記録している選手がおらず、なかなか厳しい状況です。
スペシャルチームは悪くないですが、FGとエクストラポイントの成功率が低いので競り合いに競り合いにあまり期待できないスタッツになっています。
注目選手は先述のジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)です。個人的にいまいち特徴が掴めていませんが、いきなり先発してセインツに勝利するという金星を挙げています。他の新人QBがなかなか勝てずに苦しんでいるなか、今後活躍するのが意外にも2巡指名QBなのかもしれません。
引用:Jalen Hurts might be making Carson Wentz's seat hot with Eagles
Dallas Cowboys
カウボーイズはエースQBのダッグ・プレスコット(Dak Prescott)の負傷離脱が大きく低迷に影響した印象ですが、プレスコットが先発した試合でも2勝3敗なので、その他の選手の離脱も大きかったのかもしれません。スタッツはパスが壊滅的で、代わって入ったアンディ・ダルトン(ANdy Dalton)がなんとか試合を壊さないように踏ん張っている感じです。
ディフェンスはすべてのスタッツでリーグ平均以下になっています。同地区のチームはオフェンスは不調だけどランオフェンスはまだマシという状況なので、ランディフェンスが悪いというのは地区優勝争いをしていく上でかなり致命的になってしまったかもしれません。
スペシャルチームはキックリターン、キックカバーのスタッツがリーグ平均を大きく上回っています。リターナーは2年目のRBのトニー・ポラード(Tony Pollard)が担当しています。
注目の選手としては、シーディー・ラム(Ceedee Lamb)でしょうか。1巡目全体17位で指名された期待の新人WRで、そこそこ活躍していますが、まだまだ真価を発揮していない印象なので、これからに期待したいです。
引用:http://www.fanduel.com/theduel/unsupported
地区優勝予想
残り3試合を残して1位がワシントン(6-7)、2位がジャイアンツ(5-8)の一騎打ちという感じですが、一応カウボーイズ(4-8-1)もイーグルス(4-9)も可能性はゼロではないです。ただ、チーム状況を考えるとないかなという感じです。ワシントンとジャイアンツは似たようなチームカラーなので、どちらがアドバンテージあるかは微妙ですが、個人的にはアレックス・スミスが好きなのでワシントンにプレーオフに進出して欲しいです。ワシントンはRBのアントニオ・ギブソン(Antonio Gibson)、ジャイアンツはQBのダニエル・ジョーズ、それぞれの怪我の状況次第という感じでしょうか。
NFC NORTH
この地区はパッカーズが盤石でプレーオフ進出、バイキングス、ベアーズが負け越しながらも今後次第ではプレーオフに進めるかもしれないというような感じです。
Green Bay Packers
昨シーズンはパスターゲットが足りず、RBのアーロン・ジョーンズ(Aaron Jones)を中心としたランオフェンスも展開されていましたが、今シーズンはQBのアーロン・ロジャース(Aaron Rodgers)とエースWRのダバンテ・アダムズ(Davante Adams)のホットラインを中心としたパスオフェンスが復活しています。なかでもTEのロバート・トーニャン(Robert Tonyan)の活躍がかなり印象に残っています。 スタッツもランオフェンス以外はリーグ平均以上になっており、ウィークポイントが見当たらないオフェンスになっています。
ディフェンスはいくつか低いスタッツにはなっているものの全体のEPAは優秀なので、そこまで悪くない感じです。ザデリアス・スミス(Za'Darius Smith)が10.5個のサックを記録し、リーグ3位タイになっています。
スペシャルチームについてはメイソン・クロスビー(Mason Crosby)が成功率100%と優秀なスタッツになっていますが、その他は少し苦戦しているようです。
注目選手は断然ダバンテ・アダムズです。ルートランがうまくて、ミドルパスやロングパスをバシバシ決めるレシーバーで、個人的に一番好きな選手のひとりです。このまま怪我せずに無双して欲しいです。
引用:Will Packers' Davante Adams receive some WR help?
Minnesota Vikings
開幕3連敗、序盤6試合で5勝1敗と完全にスタートダッシュに失敗し、今シーズンのQBのカーク・カズンズ(Kirk Cousins)はイマイチかなと思っていたのですが、続く7試合で5勝2敗とどうにか踏ん張っています。RBにダルビン・クック(Dalvin Cook)、WRにアダム・シーレン(Adam Thielen)とジャスティン・ジェファーソン(Justin Jefferson)とタレントは揃っており、スタッツ的にはパス、ランともにリーグ平均程度となっていますが、着実にファーストダウンを獲得し、レッドゾーンまで進めば高確率でTDを取れるオフェンスなので今後にも期待できそうです。
ディフェンスは全体的に悪くなく、レッドゾーンとサードダウン・コンバージョンのスタッツがよく、粘り強いディフェンスと言えるのではないでしょうか。
スペシャルチームのスタッツは全体的によくありません。キッカーのダン・ベイリー(Dan Bailey)は50y以上のFGは2/5、全体は12/18と苦戦しています。
個人的な注目選手はWRのアダム・シーレンです。こちらもルートランがうまく、アダムズよりもミドルターゲットになるような選手だと思います。もう一人の一番好きな選手です。
引用:Adam Thielen’s DII football college career: What you need to know | NCAA.com
Chicago Bears
開幕3連勝でスタートしたものの、オフェンスはかなり苦戦しており、QBはニック・フォールズ(Nick Foles)とミッチェル・トゥルビスキー(Mitchell Trubisky)がどちらも起用されています。一度先発の座を降ろされてしまったトゥルビスキーがWeek14で3TD、パス成功率72.7%を記録しており、今後爆発すればプレーオフ進出に絡める可能性が高くなると思います。
ディフェンスのスタッツは総じて優秀ですが、Takeawaysは平均以下になっています。ターンオーバーは奪えないまでも堅実に止めていくディフェンスという感じでしょうか。LBのロクアン・スミス(Roquan Smith)がリーグ1位の85個のタックルを記録しています。
スペシャルチームはパント In 20のスタッツがよく、パット・オドネル(Pat O'Donnell)がリーグ1位タイの25個を記録しています。
今後注目したいのはWRのアレン・ロビンソン(Allen Robinson II)です。チームのパス獲得ヤード数の約1/3がロビンソンによるものとなっており、孤軍奮闘しています。ファンタジーフットボールでは狙い目の選手です。
Detroit Lions
オフェンスは全体的に平均的ですが、ランオフェンスはかなり悪いスタッツになっています。シーズン途中からエースRBに据えられた新人のデアンドレ・スイフト(D'Andre Swift)がいい動きを見せるものの、怪我気味で35歳になるエイドリアン・ピーターソン(Adrian Peterson)に頼らなければいけない状況になっています。往年のようなロングゲインは期待できないものの、ゴール前での強さは健在という印象です。
ディフェンスは完全に残念な感じになっています。低迷の原因というわけではないですが、かなり期待されて獲得したジェフ・オクダー(Jeff Okudah)がそこまでのプレーができず、怪我で離脱してしまったのは残念です。
スペシャルチームは全体的には悪くないですが、キッカーのマット・プレイター(Matt Prater)によるFGの成功率が73.1%、40y以上だと8/15で53.3%と低迷しているのが気になります。
個人的に注目しているのはQBのマシュー・スタフォード(Matthew Stafford)です。毎年シーズンの注目したいQBに挙げているのですが、なかなか苦戦のシーズンが続いている印象です。今シーズンはウィニング・ドライブを決めるなど光るところも見せていますが、Week14で怪我してしまったので今後どうなるかはわかりません。
引用:Watch: Matthew Stafford airs it out for the early touchdown
順位予想
この地区はパッカーズの優勝で決まってしまいました。バイキングスとベアーズのどちらかがプレーオフに進むのであればバイキングスだと思います。ディフェンスの差はあると思いますが、バイキングスのオフェンスの爆発力に期待したいです。
NFC SOUTH
バッカニアーズにトム・ブレイディ(Tom Brady)など有力選手が加入し、ここ数年安定して好成績を残しているセインツと一騎打ち、ファルコンズとパンサーズは大きく負け越しという感じです。
New Orleans Saints
オフェンスはリーグ平均、地区平均を大きく上回り、順調に見えますが、エースQBのドリュー・ブリーズ(Drew Brees)が負傷で離脱しており、これまでジョーカー的な使われ方をされていたテイサム・ヒル(Taysom HIll)が先発QBに、エースWRのマイケル・トーマス(Michael Thomas)も負傷しており本調子ではないというのが気になります。
ディフェンスについてはも概ねリーグ平均、地区平均を上回っています。特にランディフェンスが優秀なスタッツになっています。DEのトレイ・ヘンドリクソン(Trey Hendrickson)がリーグ3位タイの10.5サックを記録しています。レッドゾーンで粘ることができていないのと、数値にはしてないですが、パスインターフェアが多く、かなりのヤード数を喪失しているので、そのあたりが改善されていけばプレーオフも難なく勝ち進むのではないかと思っています。
スペチャルチームも平均以上で、特にキックカバーの良さが目立ちます。あと、とエキストラポイントの成功率は非常に優秀で、ウィル・ルッツ(Will Lutz)が100%を記録しています。
個人的に注目なのは、QBのドリュー・ブリーズです。現在は負傷で欠場していますが、プレーオフには確実に出られると思います。来シーズン以降のセインツのサラリーキャップは厳しく、年齢的にも引退は近いと思うので、今年に懸ける気持ちはかなり強いのではないかと思います。
引用:Saints quarterback Drew Brees proves why the intangibles set him apart - Canal Street Chronicles
Tampa Bay Buccaneers
昨シーズン終了後に大型補強をして地区優勝の最有力候補という感じでしたが、イマイチ調子に乗れていない感じがあります。スタッツ的にはすべてリーグ平均以上で、パスプロテクションが優秀です。OLは補強ポイントであったものの、ドラフト1巡目全体13位で獲得したトリスタン・ワーフス(Tristan Wirfs)が新人トップレベルの活躍を見せています。トム・ブレイディのロングパスの精度がなかなか厳しいところがあるみたいですが、うまくレシーバーを使い分けてオフェンスを進められているという印象です。
ディフェンスはランオフェンスがかなりよく、LBのデビン・ホワイト(Devin White)がリーグ3位の77個のタックルを記録しています。また、ダンカム・スー(Ndamukong Suh)、シャキール・バレット(Shaquil Barrett)、ジェイソン・ピエール・ポール(Jason Pierre-Paul)などフロント7が優秀なのが印象的です。
スペシャルチームについては、FGやエキストラポイントについては平均以上ですが、それ以外については地区以下のスタッツになっています。
個人的に注目しているのは、TEのロブ・グロンコウスキ(Rob Gronkowski)です。まさかの現役復帰して、トム・ブレイディとのホットラインが復活しましたが、そこそこの成績にとどまっています。ブランクのことを考えるとフルパフォーマンスかなとも思いますが、レッドゾーンでの活躍を期待したいです。
Atlanta Falcons
今シーズンは新たにRBにトッド・ガーリー(Todd Gurley II)を獲得し、ハイパーオフェンスの復活かと思われましたが、そこまででもなく、エースWRのフリオ・ジョーンズも怪我がちで本領を発揮できず、スタッツ的にもパスオフェンスが少しだけリーグ平均よりもいいぐらいになっています。ジョーンズの代わりにWRのカルビン・リドリー(Calvin Ridley)が2試合欠場したものの獲得ヤード数1029yでリーグ8位とかなりの活躍をしています。
ディフェンスについては、パスディフェンスは平均的ですが、ランディフェンスがよく、レッドゾーンの弱さを除けばだいたいは平均的なスタッツになっています。プレッシャーが掛けられず、パスディフェンスで劣勢でインターセプトが奪えないという感じでしょうか。
スペシャルチームはFGの成功率はよいですが、エキストラポイントの成功率が低いスタッツになっています。
個人的にな注目ポイントはキッカーのク・ヨンフェ(Younghoe Koo)です。韓国出身の選手で、日本人NFL選手の誕生を応援したい意味でも頑張って欲しい選手です。
引用:Falcons K Younghoe Koo expected to miss time due to groin injury
順位予想
セインツが10勝3敗、バッカニアーズが8勝5敗なので、セインツが3連敗、バッカニアーズが3連勝すれば逆転の可能性はありますが、後者はありえても前者はかなり考えにくいので、地区優勝はセインツになると思います。あとは、バッカニアーズがプレーオフに進めるかどうかですが、残りの試合がファルコンズ、ライオンズ、ファルコンズなので2勝はできるかなという感じです。プレーオフのボーダーはだいたい5割くらいになりそうなので、ほぼほぼ進めるんじゃないかなと思っています。
NFC WEST
この地区はハイレベルな争いが予想されましたが、49ersが怪我人続出で低迷、ラムズ、シーホークス、カーディナルスの3チームが混戦という感じです。
Los Angeles Rams
オフェンスはランオフェンスは強く、パスディフェンスは平均以下、全体的には平均的というスタッツになっています。サードダウンコンバージョンに強く、サックはされにくいですが、Giveawaysの多さが足を引っ張っているのかもしれません。試合を見た印象だと、QBのジャレッド・ゴフ(Jared Goff)が「なんで?」ってインターセプトのされ方をしているので、個人的には今後あんまり期待できない感じです。
ディフェンスはかなり優秀なスタッツになっています。特にパスディフェンスが強いですが、これはDTのアーロン・ドナルド(Aaron Donald)の活躍が大きいように思います。リーグ1位の12.5サックを記録しており、だいたいのプレーでOLに押し勝っているように見えます。CBのダリウス・ウィリアムズ(Darious Williams)がインターセプト4個を記録をしていますが、エースCBのジャレン・ラムジー(Jalen Ramsey)を相手が避けて勝負している結果なのかもしれません。
スペチャルチームはパンターのジョニー・ヘッカー(Johnny Hekker)がリーグ1位タイの25個のIN 20を記録しています。他のスタッツはよくないだけにパントで優位なフィールドポジションを獲得して、ディフェンスでモメンタムを掴んでいきたいところです。
個人的に注目なのは、WRのクーパー・カップ(Cooper Kupp)です。スタッツ的には突出した感じではないですが、ルートラン、クイックネス、ランアフターキャッチと非常にバランスが取れたレシーバーでアダムズ、シーレンと並んで好きなレシーバーです。
引用:Los Angeles Rams: Can Cooper Kupp keep up production?
Seattle Seahawks
QBのラッセル・ウィルソン(Russell Wilson)によるパスオフェンスが非常に印象的ですが、スタッツとしてはリーグ平均よりも少し高いぐらいになっており、苦戦しているように見えたランオフェンスは結構いいという結果になっています。被サック率が高く、ウィルソンはリーグ2位の40個のサックを食らっています。スタッツ上には表れていませんが、インターセプトも12個でリーグ3位タイとらしかならぬ不安定なオフェンスになってしまっているみたいです。
ディフェンスはリーグ平均より少し悪いくらいですが、地区平均ではかなり低くなっています。このへんは地区優勝を争うのに不利になるかもしれません。SFのジャマール・アダムズ(Jamal Adams)を補強し、DBではトップの8.5サックを記録しています。
スペシャルチームはキッカーのジェイソン・マイヤーズ(Jason Myers)がFGをすべて成功させています。その他のスタッツもだいたいリーグ平均以上になっています。
個人的には、DKメットカーフ(D.K. Metcalf)とタイラー・ロケット(Tyler Lockett)の両WRです。この2人のロングパス頼みのオフェンスになっている感もあるので、どんどんスーパーキャッチを見せてもらいたいです。
引用:Big Games By Tyler Lockett & DK Metcalf Help Seahawks To 40-34 Win Over Buccaneers
Arizona Cardinals
テキサンズのエースレシーバーのデアンドレ・ホプキンス(DeAndre Hopkins)をトレードで獲得し、躍進が期待されましたが、Week14まで8勝7敗、スタッツもEPAは平均よりもほんの少しだけ高いぐらいと微妙な感じになっています。序盤はQBのカイラー・マレー(Kyler Murray)がホプキンスに投げまくっていい感じに見えましたが、中盤以降はオフェンスがワンパターンになって苦戦しているように見えます。
ディフェンスはレッドゾーンには強いですが、それ以外は平均以下となっています。縦横無尽に動き回るSFのブッダ・ベイカー(Budda Baker)の活躍が印象に残っています。
スペシャルチームは全体的にはあまりよくないスタッツになっています。FGの成功率が20/26で76.9%と苦戦気味なので接戦に不安が残る感じです。
個人的に注目しているのは、新人LBのアイザイア・シモンズ(Isaiah Simmons)です。1巡目全体8位で指名され、シーズン終盤になってきてそこそこ起用されるようになってきたのですが、期待したほどのインパクトのあつ活躍はあまり見られていないというか、あまり特徴が出ていないという印象なので、ここからに期待したいです。
引用:Cardinals Figure Out Safety Starters As Isaiah Simmons Waits
San Francisco 49ers
シーズン開幕前までは混戦の地区において有力な優勝候補でしたが、怪我人が多く出てしまったため、かなり苦しい戦いを強いられています。QBのギミー・ガロポロ(Jimmy Garoppolo)が負傷離脱したことでパスオフェンスに苦戦していると思いきや、ランオフェンスのスタッツのほうが低く、ラヒーム・モスタート(Raheem Mostert)、ジェリック・マッキノン(Jerick McKinnon)が負傷して出られたり出られなかったりするのが影響しているのかもしれません。
ディフェンスはランディフェンスがよく、全体としてもリーグ平均以上、地区平均並となっています。サック率が低いのと、パスディフェンスが引くのはDEのニック・ボサ(Nick Bosa)の負傷離脱が大きかったよに思います。ベテランCBのリチャード・シャーマン(Richard Sherman)も昨シーズンはかなり復活した感じでしたが、怪我もありますし年齢的にトップパフォーマンスは厳しくなるのかもしれません。
スペシャルチームはFGとエキストラポイントの成功率が少し高い感じです。
個人的に注目しているのは、新人WRのブランドン・アイユーク(Brandon Aiyuk)です。1巡目全体25位で指名され、チームではトップのパス獲得ヤード660yを記録しています。シーズン序盤で見せたハードルはかなり印象に残っています。今シーズンはあまり見せどころはないかもしれませんが、来シーズン爆発を期待したいです。
引用:WATCH: 49ers receiver Brandon Aiyuk hurdles Eagles defender for crazy touchdown
優勝予想
現状ではラムズとシーホークスが9勝4敗で並んでおり、カーディナルスが7勝6敗と追っている状況です。Week16にラムズとシーホークスの直接対決があり、それに勝った方が地区優勝、負けた方がワイルドカードでプレーオフ進出となる感じでしょうか。カーディナルスはイーグルス、49ers、ラムズと続くので、最初2試合勝てればワイルドカードになると思います。ラムズとシーホークスは個人的にはゴフの不安定さが気になるので、シーホークスになると予想します。
プレーオフ進出予想
最後にプレーオフ進出チームの予想をしていきます。
まず各地区の優勝予想チームは、ここまで書いてきたようにワシントン、パッカーズ、セインツ、シーホークスです。
ワイルドカードの3チームの候補は、ラムズ(9-4)、バッカニアーズ(8-5)、カーディナルス(7-6)、バイキングス(6-7)、ベアーズ(6-7)となっていますが、とりあえずラムズとバッカニアーズは3連敗しなければ大丈夫という感じなので確定的だと思います。あと1チームは見てみたいということでカーディナルスを予想してみます。
ちょっと決め手に欠ける感じではありますが、ここからうまく修正してきて、プレーオフで躍動するマレーが見てみたいです。
ちなみに、ESPNのパワーインデックスでは、地区優勝を含めたプレーオフ進出の確率予想はワシントン(70%)、カーディナルス(56.8%)、ジャイアンツ(23.5%)、バイキングス(20.6%)、ベアーズ(15.3%)、49ers(10.4%)、イーグルス(6.7%)となっています。
なんにしてもアレックス・スミスがプレーオフで見られる可能性があるというだけで個人的にかなりうれしいシーズンです。
ということで、スタッツ分析、NFC編でした。