Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回はラグビーの背番号の自由化について書いていきたいと思います。
引用:http://rugbyhack.com/2016/06/11/allblacks/
ラグビーの背番号
ラグビーの背番号はポジションごとに決まっています。前のフォワードから#1〜7が振られ、「ナンバーエイト」が#8、「スクラムハーフ」が#9、「スタンドオフ」が#10、後ろのバックスが#12~15が振られています。
試合中は背番号を見れば、その選手がどのポジションをやっているのかがわかります。逆にどこのポジションをやっているのかを言うときにはポジション名よりも番号で言うことも多いです。
ラグビーはポジションの意味が分かったほうが楽しめます。人間描けないのでインコで解説。 pic.twitter.com/4lyCQ6AHL4
— こまつか苗 (@komatsukanae) 2015年9月23日
実際にどのような手続きがなされているのか知らないのですが、試合に出場する選手はその日そのときのポジションに合わせた背番号を着用するようです。
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背番号の自由化
そんなラグビーの背番号ですが、ポジションに関わらず選手が自由に背番号をつけることが模索されているようです。
サッカーなどと同じようにその選手固有の背番号をつけることで、スター選手のレプリカジャージを売りやすくしようということらしいです。
その一方で、ラグビーを見慣れた人にとってはポジションと背番号の一致が当たり前になっているので、観戦がわかりにくくなるのではないかという懸念があるようです。
http://rugbynewsunion.blog.jp/archives/15532391.html
ラグビー初心者の個人的な感想
自分はラグビーをあまり観ることはなく、ポジションやルールはなんとなく知っているくらいです。その上で個人的な感想を書きます。
まずは、レプリカジャージが売れるように、という件。これはそこまで画期的なことにはならないような気がしています。というのも、現時点でも五郎丸はフルバックの#15なので、その選手固有の番号だろうがポジションの番号だろうがそのときにつけている番号がレプリカジャージにあればいいので、選手固有の番号じゃなくても売り上げは変わらないと思います。ただ、試合ごとにポジションが変わって背番号が変わる選手はめんどくさいかもしれませんが、サッカーでも選手固有の番号でも年によって変わるので着ているレプリカジャージとフィールドで実際につけている番号が違っていてもあまり気にしないと思います。
ポジションと背番号が一致しないことで観戦しにくくなる、という件。これで思うのが、「ラグビーってそこまでポジションでガチガチなの?」ということです。
上のリンク先の記事ではサッカーは背番号とポジションは一致しませんが、動きがかなり流動的だからOKと書かれていましたが、ラグビーはそんなにポジションが固定的なのか疑問です。自分が観ている限りだと、さっくりフォワードとバックスが分かれているぐらいです。誰がどのような役割をしているのか見るときにポジションがわかるといいのかもしれませんが、初心者は背番号なくても基本的にはボールを持っている人のプレーを見ているのでそこまで支障ないと思います。
極端な話、サッカーを司令塔であるトップ下というポジションを意識して見る初心者は少ないでしょうし、アメフトであればパス投げる人がスナップを受ける位置にいて、捕る人が外にいるので背番号がどうこうポジションがどうこう意識するのは少ないと思います。
それよりも「いまの誰?」というときに背番号が必要です。「いまシュート外したのは#13だから柳沢か」とか「いまキックリターンをファンブルしたのは#21だからPatrick Petersonか」みたいな具合です。
こういう観戦の仕方を前提とするならば、試合毎に変更してしまうポジションでの番号よりも選手固有の番号のほうが個人にスポットが当てやすいので好都合だと思います。
ただ、いろいろと配慮も必要だと思います。「ナンバーエイト」が#10というのはやっぱりややこしいのは間違いないです。
提案
ということで、ここはアメフト的にポジションごとに番号の枠を設け、そのなかで選手固有の番号を決めていく、というのはどうでしょうか。
アメフトのNFLではポジションによって着けることができる背番号が異なります。
#1~9はQB、K、P。#10~19はQB、K、P、WR。#20~39はRB、DB。といった具合です。
ラグビーのポジションの枠組みをどのように背番号を割り振っていけば都合いいのかというのはよくわかりませんが、フォワードは一桁と40番台、バックスは10番台と30番台、ナンバーエイト、スクラムハーフ、スタンドオフはちょっと特別感出して20番台も着けることができる、みたいな感じにすればざっくり「この人はスクラムする人」「この人は持って走る人」ぐらいのポジションの意識をもって観戦できるのではないでしょうか。
あとは、そもそも自由化したところでそこまで壊滅的なことにはならない気がしています。
というのは、サッカーでも野球でも背番号は自由に着けることができますが、だいたいはポジションごとにそれらしい番号を着けているからです。
サッカーで#2のフォワードは珍しくだいたいはディフェンダーが着けています。司令塔は#10か#7を着けることが多く、点取り屋は#9か#11が多いです。これはラグビーと同じく以前のポジションごとの番号に影響を受けています。
野球はポジションごとの番号がきっちりありますが、メジャーリーグでは打順で背番号を決めていた過去があるので日米でかなり認識は異なりますが、過去の活躍した選手などの影響からそのポジションっぽい背番号が国やチームによってあります。
なので、ラグビーも背番号が自由化されてもフォワードの選手は一桁の番号を希望して着けるでしょうし、ナンバーエイトの選手は#8を好んで着けると思います。そのなかで本田圭佑の#4のように個性を主張する選手ができるかもしれませんが、それはそれで個人を注目して見やすくなる結果になるのではないでしょうか。
ラグビーを慣れ親しんでいる人にとってはもしかしたら誰得な試案なのかもしれませんが、初心者の感覚としては、背番号の自由化によって観戦スタイルとすればポジションの意識は薄れてしまいますが、個人への意識は強くなり、レプリカジャージは多少売りやすくなるというメリットが大きいと思います。完全に素人目線ですが。
「ナンバーエイト」が#8じゃない問題についても、リンク先の記事にあるゼロトップのトッティが#10で「偽9番」というポジション(戦術的な役割)で呼ばれていたので、結局な慣れの問題だと思っています。
完全に五郎丸人気の波に乗り遅れて時代遅れ感があるラグビーですが、これからどうやって観戦者を増やしていくのか注目です。
ということで、ラグビーの背番号の自由化についてでした。