Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回はディフェンスの基本と言われている「囲んで取る」「外を切る」ということについて書いていきたいと思います。
引用:【行事】10/12 小学生フラッグ大会が行われました。 | 中央大学アメリカンフットボール部 RACCOONS
ディフェンスの基本
「囲んで取る」ことというのはフラッグフットボールにおけるディフェンスの基本と言われています。その理由は2つあります。
一つは複数人で囲むように取りに行くことで誰かがミスをしても他の誰かがフォローしやすいからです。
逆に言うと、1対1の状況になってしまうとミスしたときに誰もフォローができないため一気にタッチダウンを奪われてしまいます。
もう一つは、安全のためのルール上、すぐにボールデッドになるからです。フラッグフットボールではボールキャリアはディフェンスを避けて進まなければいけません。なので、ディフェンスが複数人でディフェンスを囲む状況になれば「これ以上進むと危険」としてボールデッドとなります。
このことはNFL FLAG大会規則の6ページの「ボールデッドになる時」の4つ目の項目に書いてあります。
ボールキャリアのフラッグが取られていなくとも、選手が密集して、プレーがこれ以上進まないと判断された時、ボールキャリアが後ろ向きに走るなど、プレーの継続が危険と判断された時、
囲んでからボールキャリアが無理矢理ディフェンスの間を走ろうとすれば、危険な行為として反則になります。
つまり、ディフェンス側からすれば素早くボールキャリアを囲むことができれば、ボールキャリアは進むのを諦めざるを得ず、フラッグを取るか取られるかの攻防をせずにボールデッドに持ち込むことができます。
囲んで取るためには
では、どのようにしたら囲んでフラッグを取ることができるかというと、ポイントになるのはもう一つの基本である「外を切る」ということです。
「外を切る」というのはボールキャリアがディフェンスである自分とサイドラインの間を走られないようにする、ということです。
下図で言うと、青ではなくピンクに走らせることです。
なぜピンクに走らせるかというと、フィールド内側のほうが他のディフェンスプレーヤーがいる可能性が高いからです。
囲んで取るには、ボールキャリアに一番近いディフェンスが他のディフェンスがいる方向に誘導させる必要があります。そのために外を切って、内に誘導します。
もちろん、青の方向に走らせて後ろにディフェンスがいるのが確実であれば内側を切って外を走らせるのもありですが、ディフェンス同士の深さが違うとうまく囲めない可能性があるので危険です。
もっとサイドライン際であれば内を切ってボールキャリアを外に走らせてサイドラインを割ることでボールデッドにする方法もあります。フラッグを取るときのミスがないですが、うまく足を残されればかなり進まれてしまうので、このあたりはフィールド位置で的確に判断する必要があります。
外を切るためには
では、どうやってディフェンスプレーヤーは外を切ってボールキャリアを内側へと走らせるかというと、これは感覚的なものになりますが、半身外に構えて追います。
ボールキャリアと正対して取りに行けば、どちらに走っても反応できる反面、どちらにも走る選択肢を与えてしまいます。
半身外から取りに行けばボールキャリアは外からは抜けないので、内側を走ろうとします。このようにボールキャリアの選択肢を狭めることで他のディフェンスプレーヤーがフォローしやすくなります。
外を切ったディフェンスは当然カラダは外側にいっても、意識は内側に置くことで、ボールキャリアが素早く内側に走ってきたのに反応して、縦に走らせず他のディフェンスプレーヤーのいる方向に誘導します。
こういったテクニックは小学生はピンと来ないので、「外側のフラッグを取りに行くように」と言っています。図で言えばボールキャリアの右腰にあるフラッグを取りに行くためには自然と外にポジションを取ろうとします。
これをせずに内側のフラッグを取りに行こうとすれば、ミスしてしまった場合、ボールキャリアは外から一気に進めてしまいます。
取らずに追う
ボールキャリアが近づいてくればフラッグを取りに行くことは自然なことですが、フラッグを取りに行こうとすると足が止まってしまいます。足を止めないようにフラッグを取りに行こうとすれば、フラッグを取りに行く精度が落ちてしまいます。
ボールキャリアからすればディフェンスがフラッグを取りに手を伸ばした瞬間が抜くチャンスと言うこともできます。
なので、ディフェンスとしてはフラッグを確実に取るためには、なるべくフラッグを取りに手を伸ばさないというのも重要なポイントの一つです。
手を伸ばさず、外を切って追うことで、距離を詰めてスピードを緩ませながら、他のディフェンスプレーヤーのいる方向に誘導します。相手がスピードある状態で手を出してもフラッグを取りにくく、他のディフェンスプレーヤーのいないときに手を出して抜かれてしまうと、フォローができません。
リクスを追ってでも1人で止めなければいけない状況なのかを考えて、手を出して取りに行くのか、誘導するために追うのかを選ばなければいけません。
ちなみに、ボールキャリアはディフェンスプレーヤーを避けなければ反則になってしまうので、ディフェンスは相手の進行方向に立つことができれば自然とスピードを落とすことができます。
「取らずに追う」という感覚もディフェンスで重要なポイントの一つです。
ということで、ディフェンスの基本である「囲んで取る」「外を切る」についてでした。