Written by HOMMURA Kyohei. (@YouTube&@Twitter&@Facebook)
今回はNFLドラフト2021 1巡上位指名の個人的な注目ポイントについて話していきたいと思います。
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NFL Draft 2021
2021年のNFLドラフトは日本時間の4月30日(金)の朝9時から1巡指名がはじまります。2巡以降の指名は翌日、翌々日と続いていきます。
YouTubeチャンネルでも当日は雑談のLIVE配信をしようと思っていますが、昨年同様にG+などでも中継はあるそうです。また、今年はドラフト候補生の名鑑が発売されています。日本語で123人の候補生の情報が載っているだけではなく、上位指名が予想される選手の解説やドラフトの仕組みや歴史などについても詳しく書いてあります。
ドラフト注目ポイント
ということで、ドラフトの注目ポイントについて話していきます。あくまで個人的なもので、各選手についてはハイライトやアメリカで発行されているドラフト本は目を通していますが、間違いがあるかもしれませんので、そのへんはご了承の上、ご覧下さい。
今年のドラフト1巡上位の指名順についてはこんな感じになっています。
右にチームロゴがついていますが、これはすでにトレードが実施された指名権になります。全体3位はもともとテキサンズがもっていたんですが、2019年のトレードでドルフィンズに移っています。その後、ドルフィンズは49ersと全体15位とトレードを行い、現在49ersが全体3位指名権を持っています。全体15位の指名権を持っていたドルフィンズは全体6位を持つイーグルスとトレードを行い、全体6位がドルフィンズ、全体12位がイーグルスとなっています。
これらを踏まえてのドラフトの注目ポイントはこちらになっています。
6人のQB
まず、QBについてです。今年のドラフトで1巡で指名されそうなQBは6人います。トレバー・ローレンス、ザック・ウィルソン、ジャスティン・フィールズ、トレイ・ランス、マック・ジョーンズ、カイル・トラスクの6人です。
過去の6人のQBが1巡で指名されるとなればかなり久し振りで、1983年以来ということになるそうです。それ以降は1999年と2018年に5人が指名されたのが最多となっています。6人の1巡指名候補のうち多くが上位指名の可能性があり、例年になくQB豊作の年といってもいいかもしれません。
そんな6人のQBなんですが、評価の序列をつけてみるとなんとくこんな感じになります。
これは能力順というわけではなく、指名順の予想という感じです。トレバー・ローレンスは1番目は揺るがないと言われていますが、2番目についてはアナリストのなかでもザック・ウィルソン、ジャスティン・フィールズ、マック・ジョーンズの3人のなかで意見が分かれているようです。
Justin Fields
この3人のQBをざっくり紹介すると、ジャスティン・フィールズは昨年から注目されており、当初は2番手で評価されていたQBです。「デュアル・スレッド」といってパスとランどちらにも強みがあるタイプです。
ダッグ・プレスコットに似ているという記事もありましたが、ランはキャム・ニュートンのようにフィジカルで力強く走っていくイメージがあります。
Zach Wilson
ザック・ウィルソンは昨年までは特に目立った実績はなく、そこまで高い評価ではなかったんですが、シーズンが終わって、NFLスカウトの前で実技テストなどを行う「プロ・デイ」を経て、一気に評価を上げてきました。
こちらも「デュアル・スレッド」タイプに分類されると思いますが、フィールズよりもパッサー寄りで、様々なNFLのスタイルに適応できて、ロールして投げたり、オプションなどで必要であればシャープな走りを見せるという感じです。
Mac Jones
マック・ジョーンズはアラバマ大で全米王者となっており、いわゆる勝ち方を知っているQBです。上の2人とは違って、自ら走ることは少なくポケットのなかで正確なパスを配給する「ポケット・パッサー」タイプです。
パスプロテクションがあってこそのプレースタイルなので、フィットするチームが限定されてしまう可能性があるところと、チームメイトが強力過ぎるので、個人の能力としてどうなのかというのは評価が分かれています。
ちなみに、ドラフト候補名鑑では有馬隼人さんがQBの分析を行っており、6人のなかで1番に評価しているのはマック・ジョーンズとのことでした。なかなか他とは違ったランクづけをしているのでよかったら読んでみてください。
指名予想
ということで、QB6人の指名についてですが、全体1位のジャガーズはトレバー・ローレンスで確定的と言われています。昨年から実績は充分で、今年は準決勝でジャスティン・フィールズのオハイオ州大に負けたものの、そのスター性と総合力については突出したものがあると言われています。個人的なイメージではアンドリュー・ラックとジャレッド・ゴフの中間ぐらいのイメージです。
続く全体2位のジェッツの指名ですが、ここが最初の選択で、ジャスティン・フィールズかザック・ウィルソンどちらかと言われています。
当初はフィールズのほうが評価されていたので感覚的には6:4でフィールズというような予想を見た気がしますが、現在では1:9ぐらいでザック・ウィルソンの印象です。49ersがドルフィンズと指名権をトレードしたときに、先に49ersがジェッツにもトレードの申し出があったけど断ったという話が出ているので、どちらかなのかわかりませんが、どうしても指名したいQBがいると考えられます。
まずは、このジェッツの指名に注目です。
ジェッツとのトレードを断られ、全体3位になった49ersの指名ですが、マック・ジョーンズの指名が予想されています。全体2位でジャスティン・フィールズかザック・ウィルソンのどちらかを自分たちの選択で指名したかったということですが、全体3位なので、ジェッツが選ばなかったほうを指名するのか、もしくは49ersにプレースタイルがフィットしそうなマック・ジョーンズを指名するのかというのが注目ポイントになっています。
ということで、49erがそのままQB指名にいくことを前提として、そのあとのチームでQBを指名があると思われるのは、ファルコンズ、ブロンコス、ペイトリオッツといった感じです。
ファルコンズにはマット・ライアンがいて、次のQBが必要ですが急務という感じではないです。ブロンコスについてもドリュー・ロックがいるのでQBを指名するかどうかは微妙です。ペイトリオッツはキャム・ニュートンがいるものの1年契約でその後も残留するということはないと思うので、QBの指名が考えられます。49ersがマック・ジョーンズを指名し、その後のチームもQBを指名するのであればおそらくこんな感じになるだろうと思います。
QBかOLかディフェンスか
ここで注目ポイント、OL強化かディフェンス強化かというところになります。
今回のドラフトで上位で指名されそうな選手は、QBとレシーバーを除くとオフェンスライン、もしくはコーナーバックが挙げられています。主な選手はこんな感じです。
先ほどファルコンズはQBを指名する可能性があるとしましたが、QBよりもオフェンスラインやコーナーバックがトップニーズだと個人的に考えています。そうなってくると、別に全体4位でなくても指名できる可能性が高いと考えられます。
そうなれば、QBをより欲しがっているチームと指名権をトレードしてしまうのも1つの手ではあります。ペイトリオッツはブロンコスより指名順を先にすればジャスティン・フィールズかマック・ジョーンズが狙えます。
ブロンコスについては、ファルコンズがQBを指名しなければすんなり4番目にQBを指名できるのでトレードする意味がないように見えますが、「トレードしてくれなければQBを指名する」と揺さぶることができます。
ブロンコスがトレードに応じなければ全体4位でQBを指名、ブロンコスがトレードに応じればオフェンスラインかコーナーバックを指名、ペイトリオッツがトレードに応じれば全体15位なので中位で指名可能なディフェンスラインを指名というプランが立てられるではないかなと思っています。
このあたりのファルコンズの選択が注目かなと思っています。
3人のWRとTE
最後の注目ポイントは、3人のワイドレシーバーとタイトエンドの誰を指名するか、です。
ファルコンズの次は、全体5位指名のベンガルズですが、こちらはオフェンスラインと共にワイドレシーバーもニーズになっていると思います。
今回のドラフトで上位指名されそうなワイドレシーバーは、ジャマー・チェイス、デボンテ・スミス、ジェイレン・ワドルの3人です。この3人にタイトエンドのカイル・ピッツを加えた4人のうち誰を指名していくのかというのが注目です。
Ja'Marr Chase
ジャマー・チェイスは2019年までベンガルズのQBであるジョー・バロウと一緒にプレーをしており、いまNFLで活躍しているジャスティン・ジェファーソンやシーディー・ラム、ジェリー・ジュディなどを抑えてナンバーワンレシーバーに贈られる「フレッド・ビテトニコフ・アワード」を受賞しています。
2020年はコロナの影響で全試合欠場としましたが、評価は以前トップクラスとなっています。
DeVonta Smith
デボンテ・スミスは2020年シーズンのアラバマ大による全米制覇の立役者になった選手です。ナショナル・チャンピオンシップのオフェンスMVPであり、30年ぶりにワイドレシーバーとして最も活躍した選手に贈られる「ハイズマン賞」を受賞しています。
Jaylen Waddle
ジェイレン・ワドルはスミスと同じくアラバマ大のレシーバーで、リターナーとしても活躍しています。非常にスピードに秀でた選手なんですが、評価としてはチェイスとスミスの2人には少し劣る感じとなっています。
Kyle Pitts
そして、タイトエンドのカイル・ピッツはタイトエンドとしてダントツの評価を得ており、かなり上位で指名されることが予想されています。チーフスのケルシーや49ersのキトルなどフィジカルを活かしたパスキャッチを得意としている選手が活躍していますが、ピッツはそんな存在になるのではないかと言われているみたいです。
ワイドレシーバーとしては、チェイスが1番手、ほぼ並びでスミスという評価ですが、タイトエンドという希少性を踏まえるとピッツがこの2人より上位で指名される可能性もあります。
流れとしては、全体5位のベンガルズがトップニーズということでオフェンスラインの強化を優先しスウェルを指名するのか、それとも大学でホットラインを形成していたワイドレシーバーのチェイスを指名するのかというのが注目ポイントになると思っています。
全体6位にトレードアップしてきたドルフィンズについては、意図はわからないんですが、ベンガルズがスウェルを指名しなければ指名してオフェンスラインの強化する可能性もあると思いますが、トレードする前の全体15位では獲れないけど6位なら獲れそうな選手を考えるならば、QBのトゥアのアラバマ大で一緒にプレーしていたスミス、もしくはタイトエンドはニーズではないものの希少性と使い勝手のよさでタイトエンドのピッツのどちらかかなと思っています。
一旦こんな感じになっていますが、トレードが起きたり、49ersとファルコンズの指名が違ったりすれば一気に状況は変わります。映画の「ドラフト・デイ」のように刻一刻と状況が変わっていくのがドラフトの楽しみでもあると思いますので、そのあたりライブで楽しんでいければと思っています。
今後は自分の指名予想をしつつ、その選手の特徴などについての紹介動画をアップしていこうかと思っています。
ということで今回はNFLドラフト2021の注目ポイントについてでした。