Written by HOMMURA Kyohei. (@YouTube&@Twitter&@Facebook)
今回はアンドリュー・ラックの引退について書いていこうと思います。
引用:https://thespun.com/more/top-stories/andrew-luck-retiring-nfl-adam-schefter
突然の引退発表
プレシーズン残り2戦でいよいよNFL開幕というところで突然、衝撃のニュースが飛び込んできました。
インディアナポリス・コルツのエースQBであるアンドリュー・ラック(Andrew Luck)が引退すると報道されました。プレシーズン3試合目が終わった翌日の記者会見で自身から発表されるはずが、その前日にリークされてしまいました。
リーグを代表するようなエリートQBであり、年齢は29歳とまだまだこれからの活躍も期待できたプレーヤーがこのタイミングで引退を表明するというのはかなり衝撃的です。
また、引退する理由が度重なる怪我によるものというのもなかなかショックでした。
Andrew Luck
アンドリュー・ラックはスタンフォード大学出身で、2012年のNFLドラフト全体1位でインディアナポリス・コルツに入団します。当時のコルツは絶対的なエースQBだったペイトン・マイニングが首の故障で欠場、その後デンバー・ブロンコスへ移籍という状況でした。
いま考えてみても再建中にコルツとは言え、史上最高のQBの1人の後釜を任され、全体1位で指名、1年目からスターターQB、というのはこれ以上ないプレッシャーだったはずです。
個人的なラックの印象は、総合力の高いQBという感じです。
大きな弱点もなく、ポケットパッサーだけど自ら走ることもできて、意外とファイターな一面があって、勝負強いというイメージです。ただ、2017年シーズンは全休するなど近年は怪我しがちなところがあり、怪我なくシーズンを戦うことができれば問題なくコルツはプレーオフまで進むだろうと今シーズンも予想していました。
そんななか怪我のために引退というのは衝撃的でした。
怪我だけではなく、前述の通りとんでもなく期待されて、精神的にも身体的にもずっとプレッシャーがかかる日々というのも一因になっているのだと思います。大金をもらっているとは言え、常人には耐えられないプレッシャーとストレスだったんだと思います。
復帰する可能性
過去に引退宣言をしたにも関わらず復帰したNFLが結構います。
同じQBのブレット・ファーヴ(Brett Favre)は2度の引退撤回をしていますし、RBのマーション・リンチ(Marshawn Lynch)は引退して1年間プレーせずに翌シーズンに復帰したケースもあります。
それらと同じようにラックが復帰してくる可能性はゼロではないと思います。かなり低いとは思いますが。
どうなるAFC南地区
ラックの引退は非常に残念ですが、これで自分が推しているヒューストン・テキサンズにチャンスが生まれてきました。
この地区はラックが万全であるかどうかでかなり状況が変わってきます。非常に申し訳ない話ですが、ライバルチームのエースQBがこのタイミングでいなくなるとなればテキサンズの地区優勝の可能性は高まります。
ですが、テキサンズのエースRBであるラマー・ミラーが大怪我をしてしまいました。JJワット、デショーン・ワトソン、デアンドレ・ホプキンズに次いで欠かせないピースと言っても過言ではない存在なだけに、ライバル球団のエースQBがいなくなっても全然楽観的にいられない状況になってしまいました。
Thank you all for your prayers, I really appreciate it! I refuse to be defeated.. Already kno GVO 🤙🏾 .. #EYESABOVE
— Lamar Miller (@millertime_6) August 25, 2019
We’re with you every step of the way brother. The comeback is greater than the setback!
— JJ Watt (@JJWatt) August 25, 2019
ラマー・ミラーのツイートに対してJJワットがリプライしています。
「The comeback is greater than the setback!」かっこいい!
テキサンズは今オフにブラウンズからデューク・ジョンソン(Duke Johnson)を補強していますが、ランが出なきゃどうしようもないオフェンスなので何かしら補強はすると思います。
なにやらジェイ・アジャイ(Jay Ajayi)を獲得するとかしないとか噂にはなっているみたいです。
ラックと同じく全体1位のジャベロン・クラウニー(Jadeveon Clowney)が来オフ放出必至なので、いまのうちにトレード弾にしてしまうというのもあり得るかなと思っていますが、GMのポストを巡っていざこざがあったのでどの程度機能するのかわかりません。
これからのNFL
近年のNFLでは脳震盪問題もあって、プレーヤーの健康にはかなり気を遣っているように思います。昨シーズンは「フラッグフットボールか」と言われるくらいラフィング・ザ・パッサーが厳しくなりました。
メットでのタックルもかなり厳しくなりましたし、キックリターンは極力なくす方向になってきています。
そんなNFLを見て、どことなく物足りない感が出てくるかもしれません。でも、好きなプレーヤーがいなくなるよりはずっとマシかなと思っています。
魅力あるリーグであるためには優秀なプレーヤーがたくさん集まらないといけないわけで、世界中にアスリートからNFLを選んでもらえるような環境を作らなければいけない。
そうなると「最大限にプレーヤーの健康を守る」という方向性は否定できないかなと。
ラックと同じような境遇にいるキャム・ニュートン(Cam Newton)も同じようなことにならないか不安です。
いますぐどうこうという話ではないと思いますが、日本の野球界では分母が小さいくせに酷使による淘汰システムに依存するようなので、NFLおよびNCAAがどのようにアメフトを変えていくのか注目したいです。
ということでアンドリュー・ラックの引退についてでした。