Written by Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回は前回に続いて審判法の解説を書きたいと思います。
審判法は基本的には審判が試合のなかでどのように動かなければならないかについて記述してあります。
4人の審判団はそれぞれの担当において責任をもってジャッジを行います。ラインズマンやフィールドジャッジだからといって軽視されるべきではありません。
特にこの2つのポジションは横から「ボールキャリアの腰がゴールラインを越えたかどうか」という重い判定をしなければいけない可能性があります。
ポジションの違いは「何を見て何を判定するのか」という違いだけであり、主審に大きな責任が生じるのは4人で協議してどうしても決まらないときにだけです。どのポジションでも担当できるように準備をお願いいたします。
これは余談ですが、個人的には主審が一番ラクだと思っています。
なぜなら、主審の主な役割は試合進行であり、判断の難しいパスインターフェアや前述のラインを越えたかどうかについてはほとんど判定しないからです。やるべきことは、7秒ルールとラッシュ妨害ぐらいで、ボールデッド地点を急いで確保する必要もないので体力的にも他のポジションよりもラクです。
あと、フィールドジャッジやラインズマンはサイドラインのチームエリアに近いのでゴチャゴチャ文句言われることもありませんし、何か言われればアンスポーツマンライク・コンダクトを取る権限も持っています。
ということで、主審が一番ラクです。馴れればの話かもしれませんが。
それでは審判法を解説していきます。
審判の名称と主な役割
「得点の記録(他の審判員でも可)」
BJ(試合全般)
「レディー・フォー・プレーからプレー開始までの15秒計の管理。タイムアウトの計時」
今シーズンから15秒を計時するポジションが変わりました。いままでは、ラインズマンが行っていましたが、バックジャッジに変更になりました。同時にハーフタイムやタイムアウトの計時もバックジャッジに移りました。
これは、ラインズマンがオフェンスのフォルススタートをチェックしながら15秒をチェックするのが難しいということで、スナップ時に役割がないバックジャッジになりました。
得点の記録も同様ですが、試合前に審判団で判定以外の部分についてどのように役割を割り振るのかを確認してください。試合中に誰もやっていない、ということがないように主審が中心となって確認を行い、ハーフタイムやタイムアウトの度に指示確認をお願いします。
R(位置)
「最後方の選手から5ヤード程度後方、フィールドジャッジ寄り」
B(位置)
「最後方の選手から5ヤード程度後方、ラインズマン寄り」
主審とバックジャッジの位置はそれぞれが逆サイドにいるようにします。ただし、バックジャッジがフィールドジャッジ寄りに来てしまうと困ることがあります。
というのは、4人の審判団のうち、ロングパスのレシーバーを追っていくのはバックジャッジとフィールドジャッジですが、この2人が同じサイドに来てしまうと、反対サイドの判定が難しくなるからです。
ラインズマンはパスが投げられるまではスクリメージラインのところに位置し、パスを投げた選手の足がスクリメージラインを越えたかどうかを確認したら素早くボールキャリアを追います。
同じサイドにはバックジャッジがいますが、ゴールラインのギリギリの攻防がある可能性があるので、より確実なジャッジを行うためにボールを追っていってください。
主審はラッシュ妨害やサックの成否、その後の接触を確認したあとにボールキャリアを追います。ボールデッド地点については基本的には他の3人に任せて大丈夫です。
セレモニー
「審判は選手のフラッグが正しい位置に着いているか、適切なスパイクシューズを身に着けているかの確認を行う。」
セレモニーの時点でフラッグを正しい位置に修正するように指示をしてください。以下のことを確認し、全員準備ができてから次に進みます。
・シャツをパンツのなかに入れること
・フラッグを左右につけてズレないように適度に締めること
・余った紐は巻きつけるかパンツの中に入れること
(出ていた場合、それが誤って引っ張られたときに危険であるため)
セレモニーのさいに同じ背番号が2人いる、1人だけビブスの選手がいる、などといった個別注意事項を確認するようにしてください。
審判用具の準備
審判の用具についてはホイッスルだけ自分のを用意してください。地域によって扱いは異なりますが、南関東大会、東日本大会については用具は運営のものを使用できます。
審判着、ファイルマーカー、ホイッスル、ビーンズマーカーはすべての4人全員が持っていてください。主審以外でもボールデッド地点や反則発生地点の確保にビーンズマーカーを使用することがあります。
プレ大会で気になったこと
審判団4人は全員のボールデッドの時点でホイッスルを鳴らしてください。
プレーが終わっているのに気が付かずにプレーを続行している選手がいる状態は非常に危険です。選手は無我夢中でやっていて聞こえていない可能性もありますので、全員で何度でも鳴らしてプレーを止めるように促してください。
強く接触があった場合には、反則を取るか否かに関わらずファウルマーカー(イエローフラッグ)を投げてください。
ファウルマーカーを投げてもその後取り消すこともできます。反則になるかどうかわからない場合には、とりあえずファウルマーカーを投げて、プレー終了後に審判団4人で協議して判定を決めてください。
また、反則があった場合には、両チームのフィールドキャプテンだけを呼び、どちらにどんな反則があったのか、何ヤード罰退なのかを確認してください。
反則の辞退についても、審判団が自己判断することなくわかりやすい用語で被反則チームに確認するようにしてください。アメフト用語である「ディクライン」などは極力避けてください。
同様に反則の名前についても大会規則には明記されていません。「フォルススタート」と言っても伝わらない可能性があります。初心者やアメフト未経験者に配慮してアナウンスし、説明を求められた場合には丁寧に説明をしてください。逆に主審のアナウンスがわからない場合にはうやむやにせずに説明を求めるようにしてください。ただし、それを行うのはフィールドキャプテンのみです。
ということで、審判法の解説でした。
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