Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回は新潟県につづいて北海道でのフラッグフットボールの普及活動について書きたいと思います。
前回は寄稿という形でしたが、今回は清田グリズリーズの望月春明さんからいただいた資料とやりとりをもとに私が一部編集して執筆いたしました。
Written by MOCHIZUKI Haruaki.
自己紹介
望月春明
清田グリスリーズ 監督
札幌市立清田小学校PTA 会長
清田体育振興会 副会長
北海道科学大(旧名:北海道工業大)アメリカンフットボール部 監督
北海道学生アメリカンフットボール連盟 理事
唯一のジュニアチーム、清田グリズリーズ
清田グリズリーズ ホームページ
2013年4月結成で、3年目の活動になります。
活動場所
札幌市立清田小学校(札幌市清田区清田1条4丁目)で活動しています。
練習時間
4月下旬~10月 グランドで毎週土曜日9:00~12:00
11月下旬~4月中旬 体育館で毎週日曜日12:00~14:30(雪が積もるため)
現在のメンバーは約40名(うち半数が女子)、メンバーは清田小学校児童を中心に、清田区内や札幌市内各所から集まってきています。
北海道唯一のジュニアチームであるため、対戦相手は海を渡らないといないという現状です。
昨年9月に成田ベアーズ様、ジュニアシーガルズ様に企画していただき、初めて千葉で対外試合を行う事ができました。
私がフラッグフットボール普及に目覚めてからジュニアチーム結成まで
2011年
オービックシーガルズのまねをして、小学校への出張授業「きてきてアメフト先生in北海道」事業を北海道のアメフト関係者有志で始める。
2012年4月
清田小学校のPTA会長に就任
(フラッグフットボールに協力してもらう事を条件に引き受ける)
2013年3月
ジュニアチーム結成に向け、メンバー募集チラシを自費で2000枚制作し清田小学校と近隣の小学校5校に配布(しかし反応はたった2件!)
2013年4月
チーム結成に賛同してくれた、母校OB会長の息子さん、私の娘、そして娘の友達等、口コミで何とかメンバーが数名揃いそうな雰囲気になる。
2013年4月下旬
子供8名で活動開始
活動開始後、口コミで毎週のようにメンバーが増え、チームとして軌道に乗る。
初年度は最終的にメンバー28名に増えました。そのほとんどが親同士の口コミでの入部でした。チラシをばらなくよりも、体験会をたくさんひらくよりも効果があるのが、口コミである事を痛感。
当初は札幌全域を意識して普及活動と意気込んでいましたが、チームを結成し活動をはじめてからは地域密着で、地域で認められることが安定的に活動できる基盤になる事に気付き「清田区」を意識した普及、PR活動を行う事にシフトしました。
清田グリズリーズが主体となって行っている普及活動
・小学校への出張授業「きてきてアメフト先生in北海道」
・清田区のスポーツイベント「スポーツフェスタIN白旗山」
・清田体育振興会「フラッグ体験会」
・清田区ニュースポーツフェスティバル
・コンサドーレ札幌スポーツスクール
など、体験会は要望があればその都度開催。
小学校の授業サポートに関して
当初は積極的に先生に売り込み授業をやってもらうためのサポートをしていました。
(小学校の出張授業は2011年〜2012年で計8校、約500名の児童にフラッグフットボールを指導)
出張授業以外にも、先生を対象にフラッグフットボールの指導を清田区と手稲区にて実施しました。
しかし、この活動のほとんどが一過性で終わってしまい、継続そして広がりにつながっていないのが現実です。出張授業は正直言ってうまく利用されて終わり、が多いと感じます。
本気でやりたい先生は、「教えてください」と清田グリズリーズに来て見学し、勉強してくれます。(いままで3名の先生が見学に来てくれました)
フラッグフットボール体験会に関して
清田グリズリーズは北海道唯一のフラッグフットボールの団体として、年間5件程度体験会の依頼が来ます。フラッグフットボールは新しいスポーツであり各種イベントのネタにはちょうど良く、重宝されます。
昨年はコンサドーレ札幌スポーツスクールの一コマに採用され指導を行い、かなり評判が良かったです。
清田区のスポーツイベントには積極的に参加し、地域のスポーツとして売り込んでいます。おかげで清田区では「フラッグフットボール」という言葉は認知されてきています。
北海道でのフラッグフットボール大会
雪中フラッグフットボール大会
雪中フラッグフットボール大会「BLIZZARD BOWL」を2013年より2月下旬に実施しています。
12チームトーナメントで参加者約100名で開催。主催は地域にしています。(清田体育振興会)
いまはアメフト関係者と清田グリズリーズのみの参加で、一般参加がありませんが、今年から清田区役所にも告知ポスターを掲示していただき、徐々に地域のイベントになりつつあります。
雪中フラッグフットボール大会”BLIZZARD BOWL2016″ | 清田グリズリーズ
【活動記録】2月22日 雪中フラッグフットボール大会 | 清田グリズリーズ
北海道フラッグフットボールオープントーナメント
昨年夏「北海道フラッグフットボールオープントーナメント」と題し、オープン大会を初めて開催しました。
参加チームは大人4チーム、子ども2チームの混成トーナメントで実施しました。
ハドルボウルを見習い、できるだけOBに参加してもらいたいという狙いから、参加条件として「35歳以上、またはアメフトの選手登録をしていない人」という条件を設けました。手探りで行いましたが、想像以上に盛り上がりました。
次年度はかたちを変え、また実施したいと思っています。
おわりに
これだけ書きましたが、残念ながら全て私個人から発信での活動です。周囲の皆さんに手伝っていただき何とか盛り上がっているように見えますが、厳しくまだそのような状況です。
地域においての普及活動は、出張授業や体験会で競技人口が増えるかと言えば、受け皿が無ければ全く意味をなさないと感じています。
誰かが作るのを待っても、誰も作らない、誰かが動くのを待っても、誰も動かない。
そのため私は普及活動(体験会)をして、受け皿(チーム)を作って、試合も企画しています。その3つが揃わないと普及活動は前に進まないと痛感しています。
北海道ではようやく、大人の大会はカタチになりそうな気配になってきています。少ないですが私に同調してくれるかたが徐々に増えています。
場を創らないと何も始まりません。地方のみなさん、とにかく動きましょう。
Written by MOCHIZUKI Haruaki.
後書き by Kyohei
私自身これを読んで非常に重要なのが、「普及活動」と「受け皿」と「試合」と3つがしっかり揃わない普及は進まないという点です。
南関東では、まだまだ少ないですがチームという「受け皿」は多少ありますし、毎年NFL FLAGという「試合」があります。
北海道ではいくらチームが大きくなっても対戦相手がいないために選手のモチベーションが維持できない、という話も聞きました。
また、新潟の例で髙橋さんが指摘したような問題も同じく直面していて苦労されているそうです。
いろいろと環境が揃っている南関東のチームが、こういった地方での活動をなんとか支援していきたいと思っています。
何ができるか、と考えるとやっぱりお金じゃないのかな、とも考えています。
いくら「応援してます!」といったところでそれがカタチにならなければ意味がないので、直接現地で何かができないのであればお金をお送りして活動資金なり遠征資金なりにしてもらうといいのではと考えています。
全部が全部お金で解決できる話ではないと思いますが、以前の「アメフトが復興する方法」でも書いた「いま自分ができること」が経済的支援だって全然いいと思っています。
動いている人がなかなかいない、という問題もありますが、動いている人が充分にサポートされない、というところもなかなか根深い問題であると思います。
ということで、北海道のフラッグフットボールの普及活動についてでした。