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フラッグフットボールやアメフトについてあれこれ書きます。~武器はたゆまぬ K.U.F.U.~

フラッグフットボールの指導案の作り方 vol.4「スナップの必要性」

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Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)

今回はフラッグフットボールの指導案の作り方に関連して、スナップについて書きたいと思います。

 

http://www.flickr.com/photos/38218108@N00/15371612781

photo by John Fehrenbach

スナップの意味

アメリカンフットボールではスナップはプレーのスタートを示します。サッカーとは違い試合中にずっとプレーが進行しているわけではないので、このスナップはアメフトにとって大きな意味を持ちます。

 

また、スナップはボールを地面につけた状態から行われます。

 

これは前のプレーの終了地点からであり、次のプレーの開始地点を示しています。ボールが置いてある地点は、「ここまで攻撃チームがボールを運んだ」ということを示します。

 

同時にプレー前の攻撃チームと守備チームの境界線にもなっています。

 

つまり、スナップは以下の3つの意味があります。

  1. プレー開始の合図
  2. ボールを運んだ位置
  3. 両チームの境界線

小学校体育授業でのルール

小学校での体育授業でのフラッグフットボールのルールはNFL FLAGなどのルールとは異なります。

 

どんなルールにするかは先生や学校次第です。レベルや目的によってアレンジして実施するように学習指導要領の解説に載っている、というのは以前の記事でも書きました。

qboekendorp.hatenablog.com

qboekendorp.hatenablog.com

 

では、アレンジしたルールはどのようなものかというと、確かな話ではありませんが、以下のようなものが多いと思います。

 

  1. 毎回同じところからプレーが開始する。(ダウン制ではない)
  2. フラッグを取られた地点やボールをキャッチした位置で得点が決まる。(TDか無得点か、ではない)
  3. ディフェンスプレーヤーは攻撃開始のラインを超えてフラッグを取りに行くことができない。(ブリッツ禁止)

 

このようなルールにするのはオフェンスを有利にするためです。

 

同じところからプレーすることでシチュエーションが限定されるのでプレー選択がしやすく、フィールドを毎回広く使うことができます。

 

ボールデッドの位置で得点を決めることでずっと無得点になるような状況になりにくくしています。ちょっとでも進めれば1点と設定すれば、少なくともその1点分進んだことを評価できます。

 

ブリッツを禁止することで、ハンドオフなどの作戦が展開される前にフラッグが取られることを防いでいます。また、ノープレッシャーでパスが投げられるため、パスの成功率を上げることができます。

 

学校授業のルールでのスナップの意味

パワーバランスを調整するために設定された上記のようなルールのもとスナップはどういった意味をするのでしょうか。

 

プレー開始の合図

これがないといつプレーがはじまったかどうかわからないので必要です。

ボールを運んだ位置

→毎回同じところから攻撃がはじまるので不要です。

両チームの境界線

→同じく不要です。

 

こう考えていくと、「プレー開始の合図」が他のもので代替可能であればスナップをする必要はなくなります。

 

代替案

実はスナップの代替案については自分のなかでは確かなものはありません。そのときそのときで何がいいか模索しています。

 

最初からQBが持っていてプレー開始と同時に走ってOKなのか、スナップの代わりにセンターが後ろ向きで立ってQBに手渡しするか、です。

 

これだけでは攻撃開始の合図にならないので、その代わりにホイッスルを鳴らすか、QBに「Ready Set Go」と言ってもらうか、です。

 

どちらもスムースにプレーを開始できるかは微妙なところですが、ブリッツがないのでプレーの展開までの早さはそこまで重要でないので、そのへんは許容範囲と判断しています。

 

なぜスナップを省こうとするのか

なぜ、そこまでしてスナップを省略することにこだわるかと言うと、スナップは馴染みがなさ過ぎるので説明がめんどくさいからです。

 

小学校授業の45分間のなかでスナップの説明をするのは面倒ですし、地面にボールをつけてから頭が出ないように、なんて話していたらそれだけで授業が終わってしまいます。

 

また、スナップミスが起きればプレーが展開するまえに終わってしまいますし、スナップをなくすことでボールを隠す作戦に幅をもたすことができます。

 

場合によっては、ディフェンスプレーヤーはプレー開始までは後ろに向いていて、オフェンスがどこからプレーを再開するかもわからないようなルールにすることもあります。

 

スナップをするとどうしても最初のボールキャリアがバレてしまい、ハンドオフをするよりも結局単純に走った方が早いというようなことになってしまうのを防いでいます。

 

まとめ

アメフト出身の人がいきなりフラッグフットボールを指導するとなると、フットボールの要素を詰め込みたい気持ちになるのはわかりますが、時間と回数が限られている中でやったことのないスポーツを楽しんでもらうためには取捨選択が必要です。

 

この要素はなぜ必要なのかを考えた上でルールをアレンジしなければいけませんし、授業として行っているのであればしっかりとした説明ができるようにしなければいけません。

 

フットボール未経験者にとってはスナップやハンドオフといった要素はまったくのわからないものだと思います。そういった場合は「フラッグフットボール」ということに拘ることなく、必要なエッセンスだけを取り込んでいけばいいと思います。

 

ということで、スナップの必要性についてでした。

Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)