Written by HOMMURA Kyohei. (@YouTube&@Twitter&@Facebook)
今回は6月に行われたXリーグ春の東日本決勝戦「パールボウル」で起きたスポーツマンシップに反する行為について、オービックシーガルズとXリーグからリリースが出たので、その件について書きたいと思います。
引用:第40回パールボウル オービックが初の2連覇 QBハワードがMVP:HUDDLE web (ハドルウェブ)
第40回パールボウル
2018年6月28日に東京ドームにて日本社会人アメフト「Xリーグ」、春の東日本チャンピオンを決める試合「パールボウル」が開催されました。
試合結果についてはオービックシーガルズがIBM Big Blueを下してチャンピオンになりましたが、試合終盤にオービックシーガルズのバイロン・ビューティー・ジュニア選手が2度のアンスポーツマンライクコンダクトの判定を受けて資格没収(退場処分)となり、フィールドから去るさいに不適切と思われるような行為がありました。
#アメリカンフットボール #パールボウル にて、資格没収(=退場処分)を受けたオービックシーガルズの選手が、負けている側のIBMの観客席に向かって挑発的なアピールを行いました。
— sin3 (@sin392834478) June 29, 2018
第4QRで28-2 逆転は困難な状況で、勝っている側の選手がやることですか?不愉快です。#アメフト #Xリーグ pic.twitter.com/FxXRSPPurU
その後の対応
この件に関して、日大フェニックスの件と絡めていろいろとありましたが、ここでは割愛しておきます。
日大フェニックスの新監督に応募した元NFLプレーヤーはクリス・ナオール(Chris Naeole)甥のアンスポによって相応しいかどうかを問えるのか - RED ZONE
「日大フェニックスの監督に応募したクリス・ナオール」の記事に批判的なコメントをいただいたので紹介します。 - RED ZONE
オービックシーガルズからのリリース
そんなこんなで試合からかなり時間の経った7月23日にバイロン・ビューティー・ジュニア選手の所属するオービック・シーガルズから「アメリカンフットボールに関わるすべてのみなさまへ」というタイトルでこの件についてリリースされました。
重箱の隅をつつくような話ですが、このタイトルだと事を大ごとに捉えているようでいて、タイトルだけ見ても何の話なのかわからず、どの選手がどのようなことをやらかしたのもわからないというのは巧妙ですね。ちなみに、内容を読んでも「オービックシーガルズの選手」「当該選手」と表現されています。
以下は引用です。
6月28日の第40回パールボウル(アメリカンフットボール東日本社会人選手権)決勝におきまして、オービックシーガルズの選手が「アンスポーツマンライクコンダクト」(スポーツマンらしくない行為)の判定を2度連続で受け、退場処分となりました。また、当該選手が退場する際、対戦相手チームであるIBMビッグブルーおよびその応援席に向かって挑発するようなポーズをとりました。
現在すべてのスポーツ競技団体、傘下のチーム、選手、および関係者が「フェアプレー宣言」を掲げて、より多くの方々に支持され、愛されること、何よりもフェアプレーを通じて選手自身が人間として正しく成長し、豊かな人生を送っていこうという活動をされている中で、これらのことが起きたことに対して、あってはならないことであったとたいへん重く受け止めております。
対戦していただいたIBMビッグブルーに関わるすべての皆さま、アメリカンフットボール東日本社会人選手権を支えてくださっている皆さま、日ごろからオービックシーガルズを応援していただいている皆さま、またアメリカンフットボールに関わられているすべての皆さまにご迷惑をかけ、不快な思いをさせてしまいましたことを、深くお詫びいたします。
また、弊チームは、パールボウル決勝のディフェンスMVPとして当該選手を選出いたしましたが、これは当該選手の7タックル1サックという成績を考慮したものであって、当該選手の「アンスポーツマンライクコンダクト」や退場の際の行為を容認する意図は一切ありませんでした。この点につきましても、弊チームの説明不足から、関係者の皆さまに誤解や不快な思いをさせてしまいましたことを、深くお詫びいたします。
当該選手も試合後のチームミーティングやコーチとの面談において、自分の行動を深く振り返り、そして反省し、フェアプレー精神に基づいて行動していくことを改めて表明しております。また、何よりもコーチ、スタッフ、選手、チーム一同が今回のことを強く深く受け止め、フェアプレー精神に基づいた行動をしていくという誓いを新たにいたしました。
例年にない猛暑が続く中ではありますが、1カ月後には、2018年のリーグ戦が開幕いたします。開幕に先立ちまして、お詫びとともにチーム一同の決意を表明させていただきます。
関係者の皆さまには、今後とも、アメリカンフットボールならびにオービックシーガルズに対するご指導ご鞭撻をお願いする次第です。
とりあえず、「これらのことが起きたことに対して、あってはならないことであったとたいへん重く受け止めております。」としたわりには本人には特に処罰はなく、ディフェンスMVPに選出して「説明不足」とするだけでは、「チームとしてその程度で捉えている」と見られてもおかしくないのかなと思います。個人的にそこまでの処罰が必要なのかどうかというのは別問題ですが。
少なくともディフェンスMVPについて説明不足だったとするならば、選出したという記事に対しても説明を加えるというのは筋の通った対応なのかな、と。
個人的な所感を書くのであれば、そこまで思い処罰が必要な件であるとは思いません。正直、すぐに「不適切な行動がありました」とリリースを出して、ディフェンスMVPのコメントに本人は言っていなくても広報が気を利かせて「IBM Big Blueおよびファンのみなさまに申し訳内のことをしました」とあればそれで丸く収まるのに何やってんのかな、って感じです。
リリースが遅れたにしても「チームとしての処罰については、経過を見て判断するとし、再度チームの方針に反するような行動が見られた場合には適切な処置を行います。」みたいなことを盛り込めば、まぁOKかなと。
このへんの対応について、日大フェニックスから何も学んでない感があります。
Xリーグからのリリース
そんなこんなでさらに1ヶ月、試合から2ヶ月経とうとしている8月20日にXリーグからのリリースが発表されました。
まずは重箱の隅をつつくようなどうでもいい話をします。
このサイト、URLが日本語で処理されているので、コピペしたり、シェアするときに非常に使いにくいURL表示になるんですよね。
こんな感じ。
まぁこれはこれでいろいろな考え方があるので、いいとは思います。
ただ、Twitterなどでシェアしようとすると記事タイトルではなく「What's New」だけが表示されてしまうというのは残念すぎる仕様です。
いまさらの発表
— RED ZONE (@RED_ZONE25) August 20, 2018
What’s New | Xリーグ 公式サイト https://t.co/w32PqrKeIB
Twitterの設定とかいろいろできることはあるんでしょうけど、とりあえずHTMLの見出しタグで「h2」を「What's New」、 「h3」を「スポーツマンシップの徹底に関する取組について」という処理の仕方をしていれば、まぁそうなるよねって感じです。
まぁこのへん詳しい人がいないんでしょう。しょうがないとします。
話は戻りまして、リリースの内容についてです。以下、引用です。
平素より当協会ならびに、Xリーグにご支援を賜りまして、誠にありがとうございます。皆様のご厚情に、深く感謝申し上げます。
さて、5月18日に『フェアプレイの誓い』を宣言した矢先に、6月開催のパールボウルにおいて退場処分を受けた選手が、スポーツマンらしからぬ立ち振る舞いをして、観客の皆様、関係の皆様に不快感を与えてしまいました。本件に関して、Xリーグを代表して、心よりお詫び申し上げます。
フェアプレイとは、ルールを遵守し、公正にプレイをすることであり、スポーツマンシップに則って行われます。スポーツマンシップとは、スポーツマンとして堅持すべき最も基本的な姿勢であり、相手に対する「敬意」を核とします。相手に対する敬意のない行為は、たとえルールの範囲内であったとしても、決して許されるものではありません。
Xリーグは、スポーツマンシップを徹底するために、「スポーツマンシップに反する行為に関するガイドライン」を策定しました。さらには、リーグ戦を通じてフェアプレイ、スポーツマンシップに反するプレイ・行為が発生したと疑われる場合に、リーグとして迅速かつ適切に対応できるように、きちんとしたモニタリングと併せて、各チームがコンセンサスを形成できる体制を整えます。
激しいぶつかり合いが行われるアメリカンフットボールにおいて、不正な戦術、スポーツマンらしからぬ行為、故意に相手を傷つけようとする姿勢は断じて許されません。Xリーグは、リーグ関係者が一丸となって「最高のスポーツマンシップを有するリーグ」を目指します。そしてここに、スポーツマンシップに則り、フェアプレイを徹底することを最優先にして試合することを、改めて誓います。
今後とも変わらぬご指導、ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
なんで2ヶ月近くこの件について放置されていたのかわかりませんが、きっと事実確認でしょう。オービックシーガルズが自ら事実としてリリースしていることを確認することに1ヶ月かかったということでここについてどうこう言うのも不毛だと感じます。
なので、とりあえず「スポーツマンシップに反する行為に関するガイドライン」というのはどこで見ることができるのか、どのような内容なのかを教えて欲しい。また、オービック・シーガルズのリリースと同様に処罰はないと判断しているのかどうかを明記して欲しいです。
これってまた日大フェニックスの件と一緒ですよね。「これは許されません。ごめんなさい。改善します。以上」という対応が火に油を注ぐ結果になったことを忘れているのでしょうか。
個人的に大ごとにするような話ではないのに、対応が不誠実で炎上はしないまでもなんとなくモヤモヤしてしまっているのが現状かなと思います。
たぶん、この件についてこれ以上何かが起きるとは思えないのですが、あいかわらずだなぁと感じる次第です。
もう一つ重箱の隅をつつくようなことを書くならば、このリリース、facebookには全文載せてポストされていますが、Twitterではホームページへのリンク付のツイートすらされていません。
いまいちよくわからない運用です。
蛇足
この件とほぼ関係ないのですが、クリス・ナオールについての記事にいただいたコメントのその後について蛇足しておきます。
その後、コメントをいただいた方からの新しいコメントはありません。ただ、擁護いただいたコメントを2ついただきました。以下、紹介します。
読者が増えると不思議な方も増えて大変ですね。 話題となった記事を読んだところ私は特に問題を感じませんでした。 近年、ブログやSNSでの発言を特別なものと認識している層が多すぎますよね。 個人の思いや考えを発信する場であるものを精査された報道とはき違えているというか。 本件に限らず、個々の表現やアウトプットを制限するような風潮が蔓延することを危惧しています。
パールボウルでのBJのプレイに端を発し、今回のフェニックス監督選任にこれだけ議論になり、動揺しております。あなたの意見には賛成です。BJの問題とナオールの件は全く別です。あたかも関連付けて主張するのは、今回の一連の騒動での観衆の悪しき行為であると思っております。あの記事がジャーナリストが書いたというのが信じられません。BJの件を書きたいのであれば、正々堂々と単体で書くべきだと思います。もらったコメントを見る限りでは日大の内紛の話の方がクローズアップされている印象を持ちました。周りがこれだけコメントをするという事は一枚岩になっていないのでしょうね。
コメントありがとうございます。
ただ、納得できないことがあります。それは「読者が増えると不思議な方も増えて大変ですね。」という点。
はっきり言ってブログのアクセス数はさっぱり増えていません!もちろんあの一件があったときは桁違いに増えましたが、その後はその前と比べてもアクセスは減っています。
なので、「読者が増えると不思議な方も増えて大変」ではなく、「読者は増えていないのに不思議な方が増えてめっちゃ大変」です。そこのところよろしくお願いします。
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ということで、パールボウルの一件に対するチームとリーグのリリースについてでした。