Written by HOMMURA Kyohei. (@YouTube&@Twitter&@Facebook)
今回はYouTubeにアップした「小学生や初心者のためのスパイラルのかかったパスの投げ方講座」の解説を書きたいと思います。
講座動画
今回解説するのはこの動画です。
パスの投げ方動画については過去にも動画とその解説をアップしています。
ただ、あとから振り返ってみるとスパイラルをかけられずに苦労している人を対象とするにはなかなか難しい内容だったかなと思っています。質問箱でも投げ方の質問が多く来ているので、もう少し初心者向けの動画が必要だと思い、撮影しました。
ちょうどチームの小学生をコーチしている後輩がいたので、小学生にどんな感じで教えたらいいのか、ということをメインに話しました。
大切なポイント
スポーツを指導する上で、自分が大切なポイントだと思っているのが「実際の動きの話とイメージの話」を分けて考えるということです。小学生に関わらず、この差をしっかり意識して教えていかないと伝わるものも伝わりません。
これについては下の記事に詳しく書いています。
人の動きにはいろいろな癖があって、わかりやすいところで、がに股or内股、そり腰or猫背が挙げられますが、こういった特徴を踏まえた上でよりよい動きをするためにイメージの構築を行わなければいけません。
がに股と内股の人、そり越しと猫背の人が同じようなフォームへの意識でスクワットするのは無理があります。
なので、指導のときにはどんなイメージを持ってもらえればよりよい動きに向かうか、ということを考えなければいけないと思っています。あくまで方向性です。
ポイント
そういった意味で、今回の動画ではどういった方向性で投げるといいのか、ということを話しています。
ポイントとしては下記のようなことです。
ボールは中心にチョップしてからレースに掛ける。
テイクバックは小さく耳の横に構えてそこから投げる。
頭の上からチョップするように投げる。
投げる方向に肩を向けて、踏み出して投げる。
これらはかなり基本的なことですが、このポイントを押さえた上でいろいろな試行錯誤をやっていくのがいいと思っています。
動画のなかで話している通り、スパイラルを掛けることを意識させてしまうとその意識が勝ってしまって投げるためのいろいろな動作が適当になってしまいます。
上から投げる→チョップ
ボールはある程度大きく重たいので、肘が肩よりも低い状態から投げると肘肩に大きな負担が掛かるので小学生には勧められません。引き合いに出して申し訳ないのですが、下のウェイブレーズのQBのような投げ方を小学生がしていたら注意が必要だと思います。
むしろ、見るたびによくこのフォームで距離投げられるな、なんて感じていますが、大学生であればこれで投げられるのであればそれはそれでいいのかなと思っています。
自分もサイドスローで投げることが多いですが、試合後数日は肩痛いです。遠くに投げるときは上から投げています。
そういったことをもろもろ考えていくと、手首を立てることも含めて、上からチョップするというイメージを持って投げるのがいいのかなと思っています。
踏み出して投げる
上から投げることと同じくらい重要だと思っているのが踏み出して投げるということです。
タイミングパスなどは踏み出さずに投げるようなやり方もあると思うのですが、そうなるとどうしても肩、肘、手首に頼った投げ方で投げてしまいがちです。試合のなかで仕方なくそのような投げ方になるのはしょうがないとしても、基本は踏み出して投げることで全身を使って投げるようにしたほうがいいと思います。
したほうがいいというよりも、踏み出さずに投げるのはちょっと無理があるように思います。
下はドロップバックとランニングスローの講座動画です。
スパイラルが掛からなくてもいいので、いかにステップワークを使ってボールに力を伝えられるか、ということにまずは注力するほうがいい気がしています。
そういった一つひとつのメカニクスをしっかりやっていくことで結果的にスパイラルのかかったパスが投げられるようになるのではないかと考えています。
スパイラルが掛からない原因を手首の使い方だと思いがちですが、根本的にボールを投げるフォームができていない可能性が多いにあるので、そういうときにはテニスボールや野球のボールなどを使って練習するのがいいかもしれません。
下の手塚一志さんの本にある「ダブルスピン」を意識できるとさらにレベルアップできるかもしれません。手塚さんの本は自分が野球をやっているときから参考にしています。オススメです。
ということで、 「小学生や初心者のためのスパイラルのかかったパスの投げ方講座」の解説でした。