Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回は11月2日にレンタルが開始されたフットボール映画「ウッドローン」について書きたいと思います。
引用:Woodlawn: A Movie with a Message – Pureflix Alliance
「WOODLAWN」
この映画は実話をベースにしており、1973年のウッドローン高校が舞台となっています。主人公はこの高校のアメフト部のエースRBであるトニー・ネイサンです。
当時人種差別が色濃く残る地区で活躍した黒人フットボーラーの奮闘と、宗教や人種差別について描かれた作品です。
Tony Nathan
主人公であるトニー・ネイサンはウッドローン高校を卒業後、アラバマ大学に進学、1979年にはNFLマイアミ・ドルフィンズで活躍した名RBです。
引用:http://www.tonynathan22.com/
劇中では、実際に残っているビデオが挿入されます。
あらすじ
ウッドローン高校は白人だけの学校から、黒人との共学になり、学校の外では抗議活動が行われている状況でした。アメフト部内でも人種差別は残っており、ネイサンは出場機会に恵まれていませんでした。
監督は、観客席からネイサンの母親や黒人からは「ネイサンを出せ!」と言われ、白人の親からは「黒人なんて出すな」と脅迫されていました。そんななか、ある一人の牧師が現れキリスト教の教えによってチームは一つになっていきます。ネイサンはエースRBの座をものにし大活躍していくのですが、活躍すればするほど白人からの反感が強まり。。。
感想(ネタバレあり)
正直言うと、映画としてそこまで面白いとは感じませんでした。
というのも、映画のなかであんまり葛藤がなく、なんとなく進んでいってうまくいったという印象しか残らなかったからです。監督が白人の反対を押し切り黒人のネイサンを起用するときも、チームが牧師を受け入れるときも、ライバル高校との合同合宿するときも、「どうしようかぁ」ぐらいしか悩みません。
誰もがキリスト教の教えを聞くと「すばらしい」と言います。
引用:'Woodlawn' Grosses Over $4M, Top 10 at Box Office
ライバル高校との合同合宿では、直前に悪質なラフプレーによって怪我させられているにも関わらず、すぐに一緒に仲良く練習やっているのにはびっくりしました。
同じフットボール映画の「Facing The Giant」もそうでしたが、宗教を描くにはフットボールが都合いいのか、アメリカのスポーツ映画には結局神のご加護によって勝つみたいな展開が多いように思います。
印象に残ったセリフ
これだけだと悪く言っただけなので、良かった点というか印象の残ったセリフを紹介します。
前述の合同合宿のときに、ウッドローン高校の監督が、ライバル校であるバンクス高校に尋ねます。
「You know, I've always wanted two things professionally. To win a championship and to coach a truly great player. You've done both. So, whitch is better?」
『Ring collect dust. That right there...That last forever.』
ざっくり訳すと、
「私は2つのことを目指してきた。優勝と優秀な選手をコーチすること。どちらもやっているあなたにとってどっちがよかった?」
『リンクは過去のものになる。でも、あいつ(ネイサン)は永遠だ。』
おすすめ映画
今回の映画はちょっとイマイチだったので、他のおすすめ映画を紹介します。
宗教とか差別とか置いといてフットボールを楽しみたいという人には「ロンゲストヤード」のリメイク版がおすすめです。
高校生のリアルなアメフト部が見たいなら「アンディフィーテッド」です。
フットボール映画ではないですが、差別問題について描いた作品であれば「グローリー/明日への行進」がおもしろかったです。この映画に出てくるセルマでの「血の日曜日事件」は1965年の出来事であり、ちょうど「ウッドローン」の時代と一緒です。アラバマ州での話というのも一緒です。
というわけで、フットボール映画「ウッドローン」についてでした。