Written by HOMMURA Kyohei. (@twitter&@facebook)
今回は足が速くなる方法「ランニング技能検定」について書きたいと思います。
速く走る練習をすることで速くなる
フラッグフットボールに限らず「足が速い」というのは多くのスポーツにおいてアドバンテージになります。サッカー、野球、バスケ、テニスなど球技の試合に勝つためには「足を速くする」あるいは「素早く動けるようになる」というのは大きな課題になります。
この大きな課題を克服するために多くの時間を費やしていくわけですが、スポーツ特有の技能練習に比べてこの「足を速くする」という練習はあまり体系化されていないように思います。
小学校の体育の時間をイメージするとわかりやすいですが、サッカーするにしてもバスケをやるにしてもドリブルやシュートをする練習はしますが、運動会を控えて走る練習するというのは殆どありません。ひたすら走ることでいつのまにか速くなるだろう、みたいな感覚でやっているような気がします。
部活動でもそうです。自分はずっと野球部に所属していましたが、ベースランニングでどういったライン取りで走って行くかは指導され練習してきましたが、どのように走るべきか指導されたことはありません。自分に限っては、中学高校のときに自分でいろいろ調べたり陸上部に習ったりして自主的にどうやったら速く走れるのか考えて練習していましたが、体系的には練習したことがありません。
度合いに違いがあるにしてもよほどレベルが高くない限り似たような状況だったのではないでしょうか。
当時からいまでもそうですが、「速く走る技術を向上させるためにひたすら走る」というのが嫌いです。
バスケのジャンプシュートの練習をするときに、いきなりひたすらシュート打っていって体力と筋力が向上していけば自然とうまくなる、なんてことは考えないはずです。
ひたすら量をこなすのは基礎的なフォームが身についてから、と誰でも思うはずです。
スラムダンクの桜木花道も2万本の特訓の前にきっちり指導されています。
引用:「左手は添えるだけ」シュートの基本!スラムダンク英語版では? - 漫画を英語で。COOL JAPAN!!
こと「速く走る」ということになってしまうと、誰でもある程度できてしまうために、基礎の基礎をしっかり固めずに反復練習によって向上させることを期待してしまいます。
仮にアメトーークに出ている「運動神経悪い芸人」が「毎日50mダッシュやってます!」なんて言ってても、「あのランニングフォームでいくら走っても速くなれないんじゃないの?」って誰でも思うと思います。
誰も「速く走る練習」をしないから、何となく速く走るコツを身につけている運動神経がいい人だけ速く走れて、運動神経が悪い人はいくら走っても向上することがないという状況になってしまっています。
ボールを遠くに投げるための正しいフォームがあるように、効率よく速く走るための正しいフォームがあります。それを習得することで足は速くなります。
では、その正しいフォームというのはどのようなものなのか、どのようにしたら身につくのか、となると現状では専門家に教わるしかありません。
ということで、今回、高野進さんが代表をされている日本ランニング振興機構の「ランニング技能検定」を受けることにしました。
ランニング技能検定とは
ランニング技能検定(以下、「ラン検」)は「どれだけ速く走れるか」ではなく、「走る技能」の習熟度を確認する検定です。
この「走る技能」を身につけて正しいフォームで走ることができれば、効率よく走ることができるので、走るのが楽しくなるそうです。「『正しく走る』とは?」という記事もこの考え方をもとに書きました。
ラン検では、音楽を使ってリズムよく走るために必要な要素を一つひとつ習得していきます。具体的には、「リズミック・スキップ」と呼ばれる動きを身につけることで正しいフォームに矯正していきます。
ラン検の技能
ラン検は1級から5級があり、4級と5級はアプリを使って受験することができます。
ラン検5級の技能は「リズムに乗って楽に走ることができる」、4級は「無駄のないフォームで軽快に走ることができる」となっています。
ランニング技能検定とは – ランニングエクササイズならRunRing
この技能を身につけるために「1・1ラン」、「く・1ラン」、「4・1ラン」を行います。ラン検5級ではこの3つをしている動画を送ることで合否が判定されます。
今回、自分が受験のために撮影した動画とそれぞれのポイントを紹介したいと思います。下手なのでお手本にはならないと思いますが、雰囲気だけ見てもらってよかったら練習や受験してみてください。
ちゃんとしたお手本は下のサイトにあります。
1・1ラン
読み方は「イチイチラン」です。
速く走るためには1歩1歩弾む感覚が必要になります。なぜなら1歩で進める距離をできるだけ伸ばしたいからです。速く走るためには、1歩1歩の間隔(ピッチ)を早くするか、1歩1歩の進める距離(ストライド)を長くするかになりますが、弾む感覚がないとストライドが伸びず、足の回転も遅れていってしまうのでピッチも遅くなってしまいます。
この「1・1ラン」では足が着地するときに膝が伸びるように着地します。「1」というのはこのときの足の形から来ています。どちらの足も着地するときに「1」になるように進んでいきます。
膝を曲げて蹴るように着地したほうがストライドが伸びると思う人もいるかもしれませんが、縄跳びをイメージするとわかりやすいのですが、飛ぶたびに勢いをつけて地面を蹴って飛んでいると非常に疲れてしまいます。ほぼ膝を伸ばした状態で地面からの反発で接地時間を短く飛ぶほうが圧倒的で効率的です。
「1・1ラン」ではこの膝を伸ばして上に弾む感覚を養います。
足だけではなくカラダ全体も真っ直ぐにして、弾む力を推進力にできるように前傾して進んでいきます。自分の動画を見ると前傾が不十分ですし、リズムがあってない感じがします。あと、膝のコンディションがよくないので「1」になりきれてない感があります。
く・1ラン
次は「クイチラン」です。
「1・1ラン」で上に弾んでいたのを、片方の足がもう一方の足を追い越す力を利用して前への推進力にしていきます。動画では最初の4歩が「1・1」、そこから「く・1」になります。
「く・1ラン」では「1・1ラン」と同様に膝を伸ばした状態で着地しますが、着地した瞬間に後ろの足を「く」の形になるように膝を前に引っ張っていきます。これも蹴るイメージではなく、弾みながら膝を前に出していくと勝手にカラダが前に進んでいくイメージです。
自分は下手なのでイマイチですが、上手い人は何の力感もなく一気に進んでいきます。
4・1ラン
最後は「ヨンイチラン」です。
「1・1」「く・1」での推進力をどんどん実際の走りの形に近づけていきます。
動画では「1・1」が2歩、「く・1」が2歩、その後「4・1」で走っていくのですが、このときに意識するのが、足が着地したときに両足で「4」の形になることです。
「4」の形を作って素早く足を引き付けることで、足が遠回りせずに素早く次の一歩を出せるようにします。これによってピッチが早くなります。
もっとカカトが臀部に引き付けられて、前傾が作れるといいんですが、なかなか難しいです。
地面を蹴って走ろうとすると足(LegではなくFoot)が後ろに流れてしまって、結果的に無駄な動きになってしまいます。足が地面から離れたら膝に引っ張られて真っ直ぐ前に出ていくのが理想的です。
動画では音楽のリズムに合わせているので、バウンディングみたいになっていますが、ピッチが早くなっても同じような足の動きができることを目指します。
まとめ
今回、ランニング技能検定5級に挑戦してみましたが、合否はまだ出ていません。
あくまでこれは陸上の動きなので、誰にも邪魔されないレーンを走る練習です。なので、どこまでフラッグフットボールや他のスポーツに活きるのかは未知数です。
ただ、レーシングゲーム的に言う「最高速」を上げておけば、結果として総合力も向上していくのではないかと考えています。
やりながら思ったのは、こういった「走る技能」の向上のトレーニングを子どもの頃に受けておきたかったです。大人になると慣れ親しんだ自分のフォームを矯正していくのはなかなか難しいです。
また、全然違う話になりますが、新しい動きを練習して、それをビデオで撮影してみて、それを評価する、という試み自体が非常に面白かったです。できているつもりでやっていてもできていないことは多々ありますし、スローモーションで見てみるとまた違った発見がありました。
今回は「走る技能」についてでしたが、このやり方はフラッグフットボールや他のスポーツでも応用ができそうです。特にはじめてやってみる練習は自分自身で持っているイメージとの違いや上手い人とそうでない人の違いなどをいろいろフィードバックしていくと多くの発見があり、習得が早くなるのではないかと思います。
自分は投げるフォームがあまりよくないので、今度投げているところをビデオ撮影して、自分で自分のフォームを分析する、みたいなことをやってみたいと思います。
ということで、速く走る方法についてでした。
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